子どもと行く映画 0歳児連れも歓迎! 赤ちゃんの不思議を描いた映画を観に行こう
赤ちゃんがテーブルのスプーンを何度も何度も落とす、というよくある光景。
つい手が動いてしまって、テーブルの上のものを落としてしまうのだと思っていましたが、実はそれは赤ちゃんがわざとやっている「実験」だというのです。
何度も落とすなかで、ものを落とすと何が起きるのか、どんな音がするのか、そして大人がどんな反応をするのか、赤ちゃんは検証しているのだそう。
先週末に公開された映画『いのちのはじまり 子育てが未来をつくる』は、赤ちゃんのこと、子育てのことをさまざまな角度から紹介している映画です。
脳科学の観点からみると、赤ちゃんは最も学習能力が高いのだそう。それが冒頭の「実験する赤ちゃん」の話。スプーンを落とすのも、土をいじるのも、ソファにのぼってみるのも、生まれてきた世界を理解するための実験。
何度も何度もスプーンを落とされ、床を汚されて、そのたび拾って戻して床をふく。そんなうんざりしそうな赤ちゃんとのやりとりも、赤ちゃんにとっては、実験であり、ママとの信頼関係を作る過程のこと。そう考えると、赤ちゃんって、受動的にお世話されているだけではないのかも。少し赤ちゃんを見る目が変わりそうです。
映画では「赤ちゃんの不思議」だけでなく、世界中のさまざまな子育ても紹介します。
専業主夫の子育て、養子縁組での子育て、同性婚カップルの子育て、親のいない子どもの子育てなど。
さらに、子育てがいかに大変かということや、社会の中での子育てについても。
格差社会のなかで貧困にあえぐ子どもを助けようとするなら、まずは親を助けることが先、といった話には深く共感するし、子どもを一人で育てるのは無理で、大勢の大人が見守って育てないと、といったメッセージには、日本以外でも子育てに孤独を感じているママたちがたくさんいるんだなと感じました。
上映時間96分という中で、「赤ちゃん」「子育て」をいろいろな角度から見ていく作品なので、きっと「これ知りたかった」「これはいまの自分にささる」というポイントがどこかにありそうです。
上映館のひとつ、渋谷のアップリンクでは、子連れ大歓迎で、0歳児を連れていってもいいんだそう。素敵ですね! さらに毎週水曜日の「親子上映」では、足下がみえる程度に薄明かりで、通常より小さめの音量で上映されます。ちなみに3歳以上、未就学児は500円。
0歳児を連れて映画館に行くなんて、普通には考えられないけれど、この映画は赤ちゃんのママにこそおすすめ。堂々と赤ちゃん連れで出かけて、ぜひ、劇場のふかふかのシートでくつろいで観てもらいたい作品です。
『いのちのはじまり 子育てが未来をつくる』
監督:エステラ・ヘネル
配給・宣伝:アップリンク
協力:日本ユニセフ協会
(2016年/ブラジル/96分/カラー/16:9/DCP/原題:O Comeco da Vida)
6/24(土)よりアップリンク渋谷、ユジク阿佐ヶ谷、7/1(土)よりCINEMA Chupki TABATA 他にて全国順次公開
http://www.uplink.co.jp/hajimari/