編集部の取材エピソード 食べもののなかに入りたい。妄想が膨らむ絵本
今月の「mama’s STORY」は、柴田ケイコさんの「あついひには。」。
暑いのが苦手だというペンギンくんが、妄想しているお話です。
その妄想というのが、キンキンに冷えたそうめんのなかできもちよーくねる、という。ああ、すずしそう……。
柴田さんは、イラストレーターとして、広告や本や雑誌などにたくさんイラストを描いていらっしゃいますが、今回ぜひお願いしたい!と思ったのは、こちらの絵本を見つけたからです。
『おいしそうなしろくま』(PHP研究所)
くいしんぼうのしろくまくんが、「たべもののなかにはいってみたい!」と思って想像を巡らせるお話です。
「ごはんを食べたい」ではなく「ごはんにはいりたい」というところがミソ。
しろごはんのおわんにうまってみたり、おみそしるのお椀に浸かってみたり、てんどんの衣のなかに入ってみたり。
私がいちばん好きなのは、チョココロネのなかに、入ってしまうところ。
「チョコを ずずっと ぜんぶ すってから、さいごに パンを たべるよ」だそう。チョコをすっちゃう!? そしてそこには穴にはまっておしりだけ出しているしろくまくんの姿。
たのしそうな妄想はいつまでも続きます。
想像(妄想)が膨らむ絵本はいいですね。それをきっかっけに、おかあさんはどうする? 〇〇ちゃんはどうする?と、作品をはなれてどんどん話を広げられる。
そんな柴田さんのワクワクする世界を、ハナコママにも描いていただけたと思います。
このペンギンくんの顔が、太い眉毛のせいか、なんだか妙にヒトっぽく見えるのもいいなあと思っています。
ところで、柴田さんの『おいしそうなしろくま』ですが、8月に続編の『あま~いしろくま』が刊行予定だそう。どんなスイーツに埋もれるのか、こちらも楽しみです。