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ハワイの公立校に入学。英語の壁はどうするの?【新連載・ハワイとコトバ】

2017.09.21

新しい連載が始まります!

「Hanakoママ」で9月から新連載「コドモのコトバ」をスタートした、心理言語学の専門家、広瀬友紀さんによる、ハワイ滞在レポート。8カ月間の在外研究で、現在、ハワイ大学に滞在中です。現地での暮らしのこと、小2の息子さんのこと、コトバの話を綴ります!


息子とふたり、ハワイ生活のはじまり!

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アロハ〜 小学2年生の息子コータローとやってきましたハワイ。これから8ヶ月の滞在です。

ハワイ州はレインボーステイト、つまり虹の州といわれます。来てまもなく大きな二重の虹をみてキャー綺麗!と大興奮したものですが、地元では当たり前すぎて誰も騒ぎません。

まずははじめまして、広瀬友紀といいます。日本の大学で言語学の研究・教育に携わっています。

大学教員といえばケンキューに没頭してるようなイメージを抱かれるかもしれませんが、その仕事には、研究、教育、各種委員も含めた組織運営に関わる業務(多くの人がザツヨウと呼んでいますが、その内容ややり甲斐、重要性は多種多様)があります。

で、たいていの大学では普段は授業担当と、ザツヨウを含めた諸処の業務で手一杯、研究の時間なんてとれやしない、というのが現状ですが、最近は何年間かに一度、研究に専念できる学期というのを設けてくれる大学も増えてきています。

私についていえば、勤続12年半ではじめて、1学期間、そこに夏休みと春休みをくっつけた合計8ヶ月を海外での共同研究に充てるという機会を得ることができました。

選んだ行き先はホノルルにあるハワイ大学マノア校。

そう聞いた同僚達には、広瀬はさっそく遊ぶ気満々かよ!と思われていますが(素行が悪いので…)、ハワイ大学は、言語学、第二言語研究(外国語習得と言った方がわかりやすいかも)、それから日本語を含む東アジア言語研究それぞれが独立の学部を持っていて、しかもそれらが相互に非常によい関係で連携をとりながら研究をすすめています。

つまり仕事のうえでも私にとってこの上なく魅力的な環境です。もちろん南の島大好き!というのも無関係ではないですが… いやめちゃくちゃ関係ありますが…。

ハワイに滞在できることが決まって、「Hanakoママweb」で連載されていた長澤あつこさんの「Dayz with 3 KEIKI」の記事を一気読みしてテンションをいっぱいにあげてきました。参考になる情報もいっぱいでとてもありがたかったです。

私の今回の連載では、せっかくなので主に言語学研究者という立場から、随所に「コトバ」のトピックを盛り込みつつみなさんにハワイ生活をレポートしていきたいと思います。

とくに今回、小学2年生のコータローを、英語もわからないまま現地の公立小学校に入学させたばかりです。

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1ヶ月が経ったところですが、毎朝「英語わからない」「学校ヤダー」と言いながらも今のところ意外にそこそこ楽しくやっているようです(言葉わからないのにどうやって?と逆に不思議になるくらい)。

そんな彼のサバイバルレポート、おそらく山あり谷ありの赤裸々日記になるかとは思いますが、7歳の子供が外国語環境で英語という外国語とどう仲良くなっていくか、その体験をとおして日本語という自分自身の母国語に対して改めてどういう気づきがあるかなども、一生懸命ウオッチしていきますのでよろしくお付き合いください。

担任の先生は、日系の、ジャニーズ系!?

さてコータローが入学した小学校はハワイ大学のキャンパスにもほど近いノエラニ小学校といいます。なんと、あのオバマ大統領も一時期通っていたそうです。

先生方の名字が軒並み日本の名字なのには驚きましたが、その多くは日本語を話さない、あるいは家庭内での簡単な会話がぎりぎりわかるかどうか、という日系三世以降の世代です。

コータローの担任は若い日系の先生で、見た目はガチ、ジャニーズ系。

日本語は聞けばちょっと理解できるけど話すのはちょっと難しいかな、とおっしゃっていました。教員3年目だそうで、小学校教育者として誇りを持って情熱を傾けてくれているのがわかります。

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英語の壁で通常授業についていくのが困難なコータローのような生徒を対象に、入学後約1ヶ月かけて、英語補習教育専門の教員が各教室を回って調査を始めます。その子の英語のレベルを見極め、必要な対応を考えるためです。「ひとりの生徒と面談するのに1時間半くらいかかるの。今年は20人近くが対象で、私一人しかいないから時間かかっちゃった」(担当の先生談。いやはやありがたいことです)。

その結果コータローは一週間に3回ほど、英語補習クラスでお世話になることになりました。自国アメリカの言葉を話さない外国人にここまでしてくれるなんて申し訳ないという気持ちになってしまうのは日本人の癖かしら。

今のところ、「何言ってるのかわからなさすぎて、受けてる授業が国語(英語)なのか算数なのかもわからないんだよ(笑)」状態だそうですが、どうにか毎日通って、楽しかった話もしてくれます。日本語を解するお友達がクラスにいることも心強いです。いつ本格的に壁にぶちあたるか…そのときはどうしよう… まあどうにかなるかな…なるといいな…

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それではこれから、この7歳児(来月には8歳児)がこの先どうやって外国語、外国の文化、多様な価値観に接し、つきあっていくかを、私自身のハワイ体験に加え、折に触れてご報告しますので、お楽しみに!

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【ハワイとコトバ】連載一覧

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広瀬友紀

ひろせ ゆき〇東京大学大学院総合文化研究科教授。
心理言語学、特に人間が言語を理解するしくみを研究。
2017年8月より8カ月間の在外研究で、ハワイ大学に滞在中。
小2男子の母。著作に『ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密』(岩波書店)。

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子どもの言葉について考察! 広瀬先生の【コドモのコトバ】も連載中!