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言い間違いには理由が!「死む」「来(き)ない」からわかる、子どものアタマのなか【コドモのコトバ】
2017.09.20 by Hanakoママ Hanakoママ

先生おしえて 言い間違いには理由が!「死む」「来(き)ない」からわかる、子どものアタマのなか【コドモのコトバ】

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない…。 そんなアレコレについて、ずばり教えてもらう「先生おしえて」のコーナー。

新連載、心理言語学の研究者、広瀬友紀さんによる子どもの言葉の話です。


その言い間違えには理由がある!
今月の言い間違え /「死む」「来(き)ない」

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初めまして、広瀬友紀です。大学で言語学を研究しています。小2男子の母でもあります。今日から、子どもの言葉に関する話題を提供させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

幼い子どもならではの「ことばの珍プレー」が教えてくれることを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。 

さて本日の珍プレー特集のテーマは「死む」「来(き)ない」「〜すれる/〜しれる」など「コドモの活用形あるある」です!

例えば「死ぬ」という動詞ですが、標準語でナ行で活用する五段動詞は実はこれ一つしかないのです。一方マ行で活用する五段動詞は、「読む」「飲む」など、身近に多数。

「死む」という「間違い」から、むしろ子どもたちは「読んじゃった」→「読む」、「飲んじゃった」→「飲む」等からの類推を通し、じゃあ「死んじゃった」→「死む」のはず、と応用するチカラを持っていることがわかります。

子どもは大人の言葉をお手本として丸覚えするだけなのでなく、まず大枠の規則を見出し、それを次々新しいケースに適用してゆくのですね。

また、「来る」という動詞がカ行変格という特殊な活用をすることは国語の時間に習ったような気がしますが、「来(き)ない」の例にも試行錯誤のあとが見て取れます。

これには続きがあって、お母さんが「『きない』、じゃなくて『こない』なんだよ」と直してあげたら、今度は「こたよ!(来たよ、の意)」と言ったとか。

子どもはいつだって規則を発見し、応用せずにいられないことがわかります。 

子育て真っ最中の皆さん、我が子の言葉には日々関心をお持ちでしょう。我々大人もかつて同じように言葉を身につけてきたはず。

それはもう思い出せないけど、子どもたちの言葉を通して、自分の頭の中でかつて起きていたことを覗いてみることができるんです。

数々のオモシロ事例を通して、それを一緒に探っていきましょう。

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広瀬友紀

ひろせ ゆき〇東京大学大学院総合文化研究科教授。
心理言語学、特に人間が言語を理解するしくみを研究。
2017年8月より8カ月間の在外研究で、ハワイ大学に滞在中。
小2男子の母。著作に『ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密』(岩波書店)。

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