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親と一緒に夜を過ごせない子どもたちは、かわいそう?
2017.10.05

映画 『夜間もやってる保育園』 親と一緒に夜を過ごせない子どもたちは、かわいそう?

息子が通っていた保育園では、一番遅いお迎え時間が19時15分。同じエリアで一番遅い園でも、20時まででした。

でも、それ以降も働いている人たちはたくさんいるわけだから、子どもがいたら預け場所に困るだろうな……。お迎えに遅れそうになったり、最終時間ギリギリに駆け込むときなど、そんな思いが頭をよぎることもありましたが、でもそのときは、そのままなんとなく流していました。

先週末から公開されている映画、『夜間もやってる保育園』では、これまであまり紹介されることのなかった「夜間保育」の姿を教えてくれます。

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「エイビイシイ保育園」(東京都新宿区)

新宿歌舞伎町に隣接する大久保にある「エイビイシイ保育園」は、0歳からの90人の子どもを預かる24時間体制の認可保育園。

残業を終えて深夜にお迎えにくるママもいれば、夜通し仕事をして、朝お迎えに来るママもいます。

現在、夜間保育を行う認可保育園は全国で80か所、2500人の子どもが保育されているそうです。

それに対して「ベビーホテル」と呼ばれる夜間保育の無認可園は1749か所、3万3000人もの子どもが預けられているのだそう。それだけの需要があっても、なかなか認可園が増えない。それが、保育園の経営にも、親のほうにも大きな負担になっているようです。

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「玉の子夜間保育園」(沖縄県那覇市)

夜間保育をする認可園が増えない理由として考えられるのは「子どもは夜は親と一緒に過ごすべきだ」という考え方があるからなのだといいます。子どもを預けてまで夜働くことに対する批判が強いのだそう。

もちろんママと一緒に眠ることができたら、それがいいに決まっていますが、それぞれの家庭には事情があるのも事実。

映画を見る限り、保育園でお風呂に入って、パジャマに着替え、ごろんと横になる子どもたちはとてもリラックスしていて楽しそうです。「親と一緒に夜を過ごせない、かわいそうな子どもたち」というイメージではありません。

安心して過ごせる場所があれば、子どもは大丈夫。そうすれば、大人も安心して働ける。

寝ぼけた状態でママに抱っこされて帰る子もいるけれど、お迎えの時に見せる、子どもうれしそうな表情は、昼間の保育園も夜間の保育園でも同じだなーと思いました。

「エイビイシイ保育園」の片野清美園長は、夜間に働くママたちのために24時間保育が必要だからと、昭和58年に無認可保育園としてスタート。当時はビルの1室だったため、途中、園長の自宅に連れ帰ってお風呂に子どもたちを入れていたたこともあったそうです。

無認可園の時代が18年続き、2001年に認可園になってから、17年。ママと子どもたちに必要なものを提供したいと考え続け、いまはオーガニックの食材を使った給食など、園児が口にするものにもこだわっています。

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「エイビイシイ保育園」(東京都新宿区)

待機児童問題もそうですが、保育園の問題は待つのが難しい。

すぐにでも預ける場所を確保できないと、仕事に復帰できず、生活に困ってしまう可能性が十分にあって、行政の制度が整うのを待っていては手遅れになることだってあります。

いい悪いを論じるより先に、目の前で困っているママを全力で助けるひとたちがいる。

片野園長たちのアツい思いと行動力にとても刺激を受ける映画でした。


『夜間もやってる保育園』
製作・監督:大宮浩一
ポレポレ東中野にて公開中。全国順次公開
http://yakanhoiku-movie.com/
(C) 夜間もやってる製作委員会


編集・文〇宮本博美