パラレル家事で効率アップ! 夫に家事をお願いするときのポイント
「何時までにお願い」がポイント! 夫とうまく家事シェアするには?
なかなか夫が家事をやってくれない、というお悩みを抱えている方は多いのでは? でも、家事の指示を待っていたり、お手伝い感覚でいる夫、というのもなんだか違う。
家事を夫婦で「シェア」するための具体的な方法を探りました。
共働き夫婦の実態は?
パナソニックが2017年4月に行った「30代・40代夫婦のライフスタイル調査」によると、共働き世帯が多い中、ふだんの生活の中で減らしたい時間は次の結果に!
1位 片付けをする時間
2位 掃除をする時間
3位 洗濯をする時間
いずれも「家事」の時間でした。
また妻のなかで、「仕事」をもっと効率化したいと思っている人は60.9%であるのに対して、「家事」をもっと効率化したいと思っている人は75.9%でした。
さらに、家事に関するエピソードを探ってみると、妻だけが家事に疲れて悩んでいる状況がよくわかります。「自分だけが家事にとらわれている」「私の状況を分かってくれない」という孤独家事の実態も。
いっぽう、夫のなかで「家事はもっと分担して引き受けたいと思っている」人は72.4%にも上っています。しかし、夫がそう思いながらもできない理由として「家事を分担する時間がない」「他のことがしたい」「妻の家事レベルが高い」などが上位に挙がっていました。
現状の共働き夫婦は「悩む妻&協力したいけれど手を出せない夫」という構図になっているようです。
時短家電導入+夫婦間のコミュニケーションを
共働き夫婦の課題を解決するポイントは、家事時間の短縮のための工夫と夫婦間の上手な家事シェアにありそうです。
解決策のひとつとして考えられるのは、食器洗浄機などの時短家電を導入して効率化することですが、それだけでは不十分かも。
パナソニックの「家事シェアセミナー」では、食器洗浄機やロボット掃除機などの時短家電が紹介され、それらをうまく活用するポイントを、NPO法人「tadaima」代表理事の三木智有さんがアドバイス。
実際にパパとして家事シェアを積極的に行っている三木さんによると、時短家電は導入するだけでなく、夫婦の意識付けをしっかり行うことが必要だといいます。
「食洗機などの時短家電は非常に便利ですが、導入したらそれをどう使いこなすかを夫婦間でしっかり話し合っておくことが必要です。
奥さんは、ただ夫に『食洗器にかけておいて』といった“お手伝い”をお願いする感覚ではなく、使い方そのものから夫に考えてもらうようにすることがポイント。つまり、夫が家事に対して自分事になるような伝え方にすることが大切です。
例えば『食洗機はいつ回すのが一番効率的だと思う?』などと答えを自分で探してもらうよう促すのがポイントです。そうすることで、夫のほうに主体性が生まれ、本当の意味での『家事シェア』ができます」(三木さん)
また、夫に家事を頼むときには頼み方にもポイントがあるそうです。
「『この時間にやって』ではなく、『何時までにやってほしい』など、締め切りをお願いして、その段取りや時間はおまかせするように頼んでみてください。スタートではなく締め切りを伝えると、夫が家事を自分事にしやすくなります」(三木さん)
「パラレル家事」のススメ
三木さんは、妻が家事を頑張りすぎている場合、「パラレル家事」を目指すことが必要だといいます。
「パラレル家事とは『〇〇していないほうが〇〇する』という家事シェアの方法です。例えば、奥さんが料理をしている間に、夫が洗濯物をたたむというように、夫婦が同時に動きます」(三木さん)
三木さんは実際、朝の時間帯にパラレル家事を取り入れているといいます。朝起きたら、奥さんがお子さんのオムツを替えている間に、三木さんはお子さんの朝食作り。それが終わったら、三木さんは自分のシャワーや着替えなどの身支度をしますが、その間、奥さんがお子さんにご飯を食べさせているのだそう! とても効率的です。
夫婦の意識改革のきっかけづくりを
こうした夫婦間の家事シェア、ぜひはじめたいものですよね。でもこれまで妻ばかりが家事をやっていた夫婦の場合、何か意識改革になるきっかけが必要になりそうです。
「あまりよくない例ですが、私自身は、夫婦喧嘩から生活を見直すことがありました。通常は、やはり育児がスタートするときなどのタイミングで家事をシェアしていくのがいいのではないでしょうか。
また、“物”に興味のある男性は多いので、家電を購入するときは、ご主人が家事をやってもらえるように意識改革できるいいタイミングだと思います」(三木)
育児スタートや家電購入のときが意識を変えるチャンス! 上手に家事シェアできるように、夫とコミュニケーションをとっていきたいですね。
NPO法人「tadaima」代表理事
フリーのインテリアコーディネーターとしての活動後、本当に居心地の良い家庭には家事育児を夫婦で楽しむ事が大切と知り、家事シェアを広めるためNPO法人tadaima!を設立。夫婦での家事分担だけでなく、子どもへの家事教育を地域で担える場作りも行う。