知育玩具特集・5 メロディや抑揚でコミュニケーションする、言葉を覚える前の子どもたち
子どもを伸ばすあそびの時間
小さな子どもには欠かせない「あそび」の時間。
働くものを目で追ったり、ボールをつかんだり離したり、赤ちゃんのそんな「あそび」は、脳の発達に大きな影響が。
さらに成長するにしたがって、観察したり知恵を絞ったり、仕組みに関心を持ったり、空間を意識したり…。子どもの興味はどんどん広がっていきます。
今月のハナコママは「あそび道具」の特集です!
今回は、「音あそび」のすぐれたポイントについて、音楽療法士星山麻木先生にうかがいました!
音楽は言葉を超えたコミュニケーション
「音を聴く」聴覚は、かなり早い段階から発達している感覚です。
赤ちゃんは、胎児のときからさまざまな音を聴いています。
最初に聴くのがお母さんの心音や血液の流れる音。「ドクンドクン」という心拍に近いリズムや音を聴くと、赤ちゃんは安心します。
歌を歌ったり、楽器を奏でたりという「音楽」は、その延長線上にあるもの。だから音楽には、気持ちを安定させたり鎮静したり、逆に活動を促したり、さまざまな行動に影響を及ぼします。
安定した情緒を育むためにも、子どもには不可欠なものなのです。
「前言語」(言葉になる前の言葉)は、音楽に似ています。言葉の意味は分からなくても、メロディや抑揚でお母さんとコミュニケーションできる音楽は子どもたちの発達の源、根っこの部分の全てといってもいいかもしれません。
小さいうちは太鼓、発達段階に合わせてシロフォンなどもよいでしょう。日本のお母さんたちは、とにかく結果を急ぎますが、まずは正確さより楽しさのバリエーションを広げることが重要です。
こんなリズムで、こういう叩き方で…、なんて子どもに求めていたら、せっかくの根っこも、先の細い幹になってしまいます。
最初は叩いているだけで楽しくて、やっているうちに偶然、旋律になっていた、という気づきや驚きが、根っこを太くし、将来さまざまな大輪の花を咲かせる可能性があるということを、多くのお母さんに知ってもらいたいですね。
【たとえばこんな音あそび】雨ってどんな音?
憂鬱な雨の日も、子どもにとっては、ワクワクがいっぱい。大粒の雨が傘に落ちれば太鼓みたい。しずくの形もいろいろで、好奇心が膨らみます。
【たとえばこんな音あそび】軽快なリズム♪
見た目はかわいいのに、音は本格的。自然に「リズム」を楽しめるシンプルな構造で、小さな子どもも夢中。
【たとえばこんな音あそび】波・雨・風…。
波、雨、風の音。さまざまな音を再現できるシェイカーは、カラフルなビーズの動きもきれいです。
保健学博士日本音楽療法学会認定音楽療法士。明星大学教育学部教育学科教授。保健学博士。(社)こども家族早期発達支援学会会長。サポーター育星プロジェクト研究協会主宰。hoshiyama-lab.com
次回は、ボーネルンドの「あそび道具」をたっぷりご紹介。なんと、ページでご紹介したおもちゃはすべて読者のみなさんにプレゼント! どうぞお楽しみに♪
(Hanakoママ58号より)