
先生おしえて! 先生の仕事が変わる!? 「チーム学校」という考え方【細川珠生の子育て政治】
気になってはいるけれど、実のところよく分かってない……。そんなアレコレを、専門家の先生に教えてもらいましょう! 政治ジャーナリストの細川珠生さんにうかがいます。
【今月のテーマ】チーム学校

日本の学校の先生たちは、諸外国に比べて、とても仕事が多いって知っていますか。日本全体が働き方改革に躍起になっていますが、もしかしたら、もっとも忙しいのは学校の先生かもしれません。
学校の先生の本務は、学習と集団生活における指導です。でも最近は、放課後児童対策、食事(栄養)指導、挨拶や食事のマナーなど、本来は家庭の役割であるにもかかわらず、学校にその役割を求める傾向が強くなっています。
十分な手当てのない部活動なども、先生たちが休日をとれない要因のひとつ。
児童・生徒の多様化が進むなかできめこまやかな個別対応も求められ、学習指導とは別の様々な専門知識が必要となっているという実情もあります。
そこで、「チーム学校」という考え方のもと、カウンセラーや事務職員、外部指導員、地域人材などを一つの「チーム」として、学校の個別、多分野にわたるニーズにこたえようという体制づくりが急がれています。
来年度からは道徳が教科化、2020年度からは英語やプログラミングも教科化・必修化され、学習の種類も量も増えています。
そこでこれまで先生が担ってきたことで、必ずしも先生ではなくてもよいことを、外部の人材にお願いしようというものです。教育委員会や文部科学省宛の書類の作成や、教材のコピーなどの事務仕事から、道徳や外国語などの学習、部活動の指導などについて外部人材を活用することや、生徒・保護者へ対応に、カウンセラーの増員や弁護士などの専門家を配置するなどが考えられ、国もその給与の一部を負担します。
一方、教員を中心とした常勤者と、非常勤の外部人材を一つの組織にまとめることや、本来の学校・先生の役割は何かという本質論がないまま、単なる人の補充のような方法でよいのかという問題点は、残されたまま。
家庭も、学校との両輪意識を持ちながら、親としてやるべきことはしっかりやるという意識を持つことも重要ですね。
政治ジャーナリスト。ラジオ日本『細川珠生のモーニングトーク』に出演中。元品川区教育委員長。星槎大学非常勤講師。千葉工業大学理事。中学生男子の母。「靴のサイズ、ついに父親を抜いた息子。最近の子どもの足の大きさには驚かされます」
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