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やっぱり、痛みに耐えなければいけないの?【無痛分娩体験レポート・前編】

2018.01.02

無痛分娩、わたしの場合

昨年6月に第二子を無痛分娩で出産した、ライターの小田原みどりさん。
出産の痛みは嫌、というシンプルな理由から無痛分娩を選んだといいます。
実際に体験してみると、調べただけではわからなかったことがたくさん見えてきます。「母子ともに健康」という言葉の重さを感じたそう。
前編、後編でお送りします。


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皆さん、無痛分娩という出産方法を知ったのはいつですか? 私が無痛分娩という出産方法を初めて知ったのは、第一子を妊娠する前。おそらく2010年くらいではないかな?と思います。

まだ妊娠もしていないのに、子どもは欲しいけど鼻からスイカの痛さは嫌だな、と常々思っていて、インターネットでいろいろと調べていくうちに無痛分娩という出産方法にたどりついた記憶があります。

当時私が無痛分娩について調べてわかったことは
・欧米では無痛分娩が一般的、日本ではまだまだ少数派
・麻酔科医・産婦人科医の数が少ないから普及していない
・産みの苦しみを味わいたい、味わうべき、という理由で自然分娩を望む人も多い(個人的にはまったく理解できない…)
・無痛と言っても痛みを感じる場合もある
・自然分娩より費用がかかる

ということでした。

最近、報道でよく聞くリスクや悲しい事故関しては全く調べていませんでした。というより、無痛分娩は痛みがないからリスクなんてないだろう!という感覚。

だから、子どもを授かったら無痛分娩という痛くない方法で出産したい!と強く思っていました。

その後第一子を授かり、旦那に
「陣痛が痛くない無痛分娩という方法で出産してみたい。」
と提案したところ、
「陣痛のあの痛みを体験してほしい。」とひと言。

このひと言、皆さんはどう思いますか?私は「はぁぁぁ(怒)????」でした。つわりもない、陣痛も体験できない男性が何を言うんだ!!!!と数年経った今でも忘れられない一言です。いや、一生忘れてたまるもんか!

旦那のありえないひと言があったから、というわけではないのですが、第一子は自然分娩で出産することになりました。

というのも、当時私たちの住まいは東京。出産は地元の広島で、と決めていたのですが、妊娠初期に地元に帰ることができず、広島で無痛分娩を行っている病院で診察ができなかったのです。ということで、第一子については両家の実家から近い大学病院に決めました。(※大学病院でも無痛分娩は行っているということでしたが、持病等リスクのある方限定でした。)

第一子は出産予定日昼に破水し入院。いつ陣痛がくるかとドキドキするも陣痛がこず、翌日昼前から促進剤を点滴。15時ごろから陣痛が始まり、18時頃から耐えきれない波が襲ってきて21時頃分娩室、22時前出産という、初産にしてはなかなか早い出産でした。

こうやって書くと、安産だったのねと思いますよね。実際に安産だったとは思いますが、18時過ぎから出産するまで痛みが来るたびに「あ゛〜!!!!」と言葉にならない、獣のような大声を出して痛みに耐えました。無痛分娩だったらこんなに痛くなかったのに……! この時思い出すのはやっぱりあのひと言。

「あの痛みを体験してほしい」。

陣痛の合間のオアシスタイムに「次子どもができたら絶対に無痛にするけぇね! 覚えとけよ!!!」と喧嘩口調で約束しました。陣痛中って、人が変わるというか本性が出ちゃうというかですよね。

第二子では迷わず「無痛分娩」を選択

第一子を無事出産し、あいがたいことにその後第二子を授かりました。出産の痛みは忘れる、だからまた子どもが欲しくなる、と言いますよね。たしかに私も出産の痛みは忘れ、2人目も望んでいましたが、あの陣痛は二度と経験したくないと思っていました。なので、どこで出産するかとなったとき、パパに「あの時のこと覚えてるよね?」ということで、2人目は憧れの無痛分娩で出産することにしました。

とにかく痛いのが嫌だというのが大前提ですが、私が選んだN産婦人科は計画無痛分娩というもので、いつ出産するかをあらかじめ決められる、ということも魅力の一つでした。

初産の時はいつ陣痛が来るのか、それとも破水してしまうのか、そもそも自分は陣痛に気づくのかという疑問や不安に加え、一人目ということもあって臨月に入った頃から周囲の「まだかな〜?」の声は嬉しさ半分、ちょっとしたストレスでもありました。それが計画分娩だと、この日だよ〜とあらかじめ周囲に報告できる!

出産日に向けて赤ちゃんグッズ(ほとんど購入せずお下がり。さすが二人目。)や入院、自分自身の心の準備、家族への諸々のお願いできるのが良かったです。

また第二子を出産するにあたって、私が一番気にかかっていたのが1人目の長女のケア。

3歳を目前にして、いろいろなことが理解できるようになってきているので、私が急に産気づいて出産入院となるより、あらかじめ「ここからここまでママは入院だよ、この日から一緒にねんねできるよ」と伝えられて、彼女にも心の準備をしてもらえるのがいいと思いました。

とはいうものの、出産2週間前から、それまですることなかった指しゃぶりが急に始まり、楽しく通っていた習い事でも涙することが多くなってきていました。

N産婦人科では初診時に「無痛分娩希望です。そのためにここを選びました。」と先生に伝え、妊娠6ヶ月になり出産日を決めることになったのですが、ここで問題発生!N産婦人科で無痛分娩を行うのは原則毎週月・水のみ。私の週数が39週の時はなんとすでに予約いっぱい。

「初診時に無痛がいいって伝えていたのに……。」と思いつつも、2人目だし計画日より早めに陣痛がきてしまうと無痛分娩ができなくなることもあるというので、37週4日を出産日に決めました。

そんなこんなで出産日も決まったし!という頃からニュースで無痛分娩の事故をよく目にするようになりました。

正直どうしてこのタイミングで……と不安にもなったけれど、それらのニュースがどうしても無痛分娩のリスクばかりピックアップしているように思えて、やっぱり「産みの苦しみを良しとする」風潮があるから
かな……と思っていました。
でも、リスクより「痛いのは嫌」という気持ちが強かったので、無痛分娩をやめようとは思いませんでした。

でも、もちろん心配もあって。

N産婦人科には麻酔科の先生がいるから大丈夫。
初診時に「無痛分娩Q&A」の資料をもらったから大丈夫。
麻酔科の先生からリスク一つ一つについて説明があったから大丈夫。
リスクが起こるパーセンテージは低いから私は大丈夫。
私も赤ちゃんも絶対に大丈夫。

と自分に言い聞かせていました。

計画予定日に出産できないなんて!?

出産に向けて、仕事の調整、美容院まつげエクステ、友人とのランチ、長女の幼稚園見学、家族3人での時間、娘と2人デート。これでもか!というくらい予定を詰め込み、冷蔵庫の中のものを消化し、入院の日を迎えました。

6月13日 入院初日

12:00 娘と昼食
13:00 娘を義実家へ
13:30 自宅でシャワー(産後翌日までシャワー禁止のため)
15:30 N産婦人科到着
16:00 診察
17:00 手術着に着替え、背中(腰のあたり)に麻酔をしカテーテル挿入

N産婦人科で無痛分娩をしたママ友から一連の流れを聞いていたものの、背中に管? 痛かったらどうしよう! とかなり緊張していました。

多少の違和感はあったものの無事にカテーテルが入り、実際に麻酔を流し込み効き具合のテスト。数分おきに保冷剤をつま先、ふくらはぎ、外もも、内もも、足の付け根、へその下に当てられました。最初は冷たかったのがだんだんと鈍くなっていき、足の付け根まで感覚がなくなったところで導尿し、準備完了。

18:15 豪華な晩御飯
N産婦人科は料理が豪華なことで有名。入院中の楽しみの一つでもありました。でも、いくら豪華な晩御飯でも1人だとサクっと食べてあっという間にごちそうさま。その後、カープ中継を見たりパパや娘とテレビ電話。

23:00 消灯。
翌日5:40起床予定なのに背中にカテーテルが入っているという、なんとなくの違和感や点滴の注射で寝返りが打てない。そしてなにより緊張してなかなか眠れない。

6月14日 入院二日目

5:00 起床。本当はもう少し眠りたかったけど目が覚めてしまう
6:00 陣痛室へ行く
7:00 豪華な朝食とほぼ同時に陣痛促進剤の点滴開始
8:15 パパと娘が来てくれる。この頃3分間隔でお腹の張りが始まる。だけど痛みはなし
11:50 豪華なお昼ご飯を少し食べたところで張りとともに痛みが出始める
12:10 軽い生理痛のような耐えられる痛みだったけど、急激に陣痛がきて麻酔の効きが間に合わなかったらいけないので(これもママ友のアドバイス)、麻酔スタート! 麻酔は定期的に自動で点滴に流し込まれる仕組みになっていましたが、万が一痛みが強くなったら回数やタイミングに制限はあるものの自分で増量できるようになっています。以後、麻酔科の先生が定期的に麻酔の効き具合の確認をしに来てくれました。

13:00 張りとともに来ていた痛みを感じなくなり、下半身に保冷剤をあてられても触れる感覚はあるのに冷たさは感じなくなりました。子宮がギューーーーッと収縮する感覚は分かるのに痛みが伴わない。

14:00 定期的に来ていた張りが少なくなる。モニターを見ても陣痛の波がだんだんと穏やかになっていくのが素人目でもわかる。

15:30 張りがなくなる。先生もこの日は難しそうと判断。促進剤がなくなるまでに陣痛が再びおきなければ、この日は中止になることが決定。

17:00 陣痛が戻ることなく促進剤終了。その後診察。バルーンをいれて翌日陣痛が起きやすくなるようにする(すぐに出てきてしまう)。

18:00 1人豪華晩御飯&カープ中継(カープ負ける)。万が一夜中に陣痛きたらどうしよう、翌朝先生が来るまで麻酔できないよな〜夜中に陣痛だけは来ませんようにと願いつつ就寝。

ここまで読むと、え?計画予定日に出産できないなんてあるの?促進剤打っても陣痛来ないことなんてあるの?と思いますよね。あるんです。

私は計画していた日に出産できませんでした。

先生に翌日に仕切りなおしと言われたときに私が一番気になったのがお金のこと。N産婦人科の出産費用は経産婦の場合約50万円。この費用は国から42万円支給されるので、実際の支払い金額は約8万円。

さらに無痛分娩はこれに12万円かかるので合計支払い金額は約20万円です。決して安くありません、いや高い。20万円の出費は我が家にとってかなり痛手。

でもこの12万円を払ってでも私は無痛分娩がよかったのです。パパの許せない一言に対しての意地みたいなものもあったと思います。また、一人目の大学病院での出産の支払い金額は24万円だった(個室利用)ので、それより安い金額で食事も豪華で無痛だからいいじゃん!というのもありました。

ただ、うまくいかなくて翌日もだと12×2=24万円?? 産まれなかったのに……と心配になって先生に恐る恐る聞いたところ「1出産につき12万円だから、今日ダメだったからといって費用が増えることはないよ。」とのこと。安心しました。

6月15日 入院三日目

6月14日と同じスケジュール。ただ一つ違うのは全く陣痛の波が来ず、麻酔投与もなし。

「37週4日or5日での出産が早かったんだね、こういう時のために金曜日を空けているからまた来週の金曜日に仕切りなおしだね。」とのことでカテーテルを抜いて自宅に強制送還。

2日連続で朝から夕方までたっぷり陣痛促進剤を打ったのに陣痛こないってどういうこと?冷蔵庫の中空っぽにしてきたのにまた買い物してまた料理?1週間家事するのが面倒すぎる。

そういえば2日前のお昼過ぎからシャワーを浴びていない。そして翌日朝までシャワーを浴びられない。イライラモヤモヤしながら出産後過ごす予定だった部屋の片付けをし荷物をまとめました。

自宅に戻ると、娘はとっても喜んでくれたけど、入院・出産に向けて心も身の回りも準備してきたし、家族も予定を調節してきてくれたのに……自然にくる陣痛や破水を待ち、赤ちゃんの出たいタイミング待たなかったのがいけなかったのか……。

いろんな思いが湧き出てきて気持ちが追いつかず恥ずかしながら泣いてしまった。でも、泣いたらすっきりした。

再入院までの約1週間、財布を落として免許証・クレジットカード・健康保険証の再発行という、泣きっ面に蜂、な出来事があったり、娘の習い事の送迎に行くと「なんでいるの??」「かくかくしかじかで……」というやりとりがあったり……。

だけど、ママ友には入院中の娘が心配でたまらないと伝えていたので、「娘ちゃんとの時間が増えてよかったね、今はそういう時間なんだよ。」と言われて、娘のことが心配だったので少しだけど水入らずの時間が増えてよかったと思えるようになりました。

【後編に続く】

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小田原みどり

2014年生まれの女の子&2017年生まれの男の子のママ。現在は夫婦の地元である広島で子育て中。
でも近い将来パパの転勤があり帯同の予定。
小さな弟への寵愛が激しい3歳の娘は、難しいお年頃。先輩ママたちの「毎日怒ってばかりだよ〜」な日々とはこれか!を痛感中。

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