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出産後、出血がダラダラと止まらなくなって……【無痛分娩体験レポート・後編】

2018.01.03

無痛分娩、わたしの場合

昨年6月に第二子を無痛分娩で出産した、ライターの小田原みどりさん。
出産の痛みは嫌、というシンプルな理由から無痛分娩を選んだといいます。
実際に体験してみると、調べただけではわからなかったことがたくさん見えてきます。「母子ともに健康」という言葉の重さを感じたそう。

前回、計画出産がうまくいかず、いったん自宅待機になった小田原さん。後編をお送りします。

やっぱり、痛みに耐えなければいけなかったの?【無痛分娩レポート・前編】


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いよいよ無痛分娩スタート

そして、再び入院日。

カテーテル挿入、麻酔テスト、導尿。先週同じことをしたばかりなので、ドキドキすることなく終了。カテーテルや点滴の違和感にも多少慣れ、比較的ゆっくり眠れました。

そして翌日。再び早朝に起床し、7時から促進剤スタート。3回目ということで肝心のタイムスケジュールは記録していないのですが(おいっ)、前回と違い比較的早い段階で陣痛が始まり、午前中に麻酔の投与が始まりました。

子宮が収縮しているのは感じるので「そろそろ来るな〜!来た来た来た〜!」というのは分かるのですが、痛みは全くなし。親知らずを抜く時、痛くないのに抜かれる感覚がわかるのと同じです。ただ、子宮口が順調に開かなかったため、助産師さんや先生のグリグリが数回ありました(麻酔がなければ相当痛かったと思う。そのくらい思いっきりグリグリされた)。

そのかいあってか、夕方から一気にお産が進み20時前には子宮口10cmとなりました。第一子の時は子宮口が10cmになるまで本当に辛かったのですが、今回は陣痛室にあるテレビで優雅に家族と広島カープの中継を見ていました(大差をつけて勝っていたのでとても気分がよかった!)。

本来であればめっちゃ痛いであろう時に、大好きなカープ中継。しかも勝っている! パパや娘とも普通に会話できている! あの痛みを感じずにこのまま笑顔で出産しちゃっていいの〜?? 無痛分娩最高!!!!これこそずっと私が思い焦がれていたお産だよ〜と思っていました。

いっぽう、前回陣痛に耐える雄叫びを聞いていたパパは「本当に痛くないの? 医学の力はすごいね。」と信じられないようすで私を見ていました。私があまりにも楽そうなので、サポートすることは何もない、と思っていたそうです。

「あと30分もしたら赤ちゃんに会えますよ〜。」という助産師さんの言葉とともに助産師さん、産科の先生、麻酔科の先生と分娩室へ。

陣痛の痛みを感じずに分娩室に行ってよいのかしら?なんて思っていました。分娩室にもテレビがありましたが、イルカが泳いでいる映像がひたすら流れていたので、「カープは見れないんですか〜?」なんて余裕ブッこいていました。

分娩台に乗っかっていよいよ準備完了! いきむタイミング分かるのかな? うまくいきめるのかな? と思っていましたが、陣痛が来るタイミングはバッチリわかったのでそれに合わせていきむことはできました。が、2日くらいお通じがなかったので出ますよね、アレが。

前回は陣痛が弱い時に1週間便秘をしていることを思い出してあわてて浣腸をしてお腹の中はスッカラカン。だからおそらく何も出てなかったはずだし、それどころではない痛みだった。しかし、今回は無痛。

心に余裕があったので助産師さんの一挙一動がわかり、明らかにお尻を拭いているのがわかりました。パパは立会を希望していましたが、直前になったら呼びますって言われていたのはこのためかと思いました。そんなことを考えられるくらい冷静だったので、それが恥ずかしくて恥ずかしくて思いっきりいきむことができませんでした。

そんなこんなで上手にいきむことができず、体力はどんどん消耗していきました。

疲れてくると恥ずかしさなんか忘れて、産むことだけに集中しました。でもなかなか赤ちゃんが出てこない。お腹を思いっきり押されたりしましたが、それでも出てこない。

最初のうちは陣痛の痛みがなくてラッキーと思えていたけど、お腹を押されたりいきむのがだんだんとしんどくなってきてやっぱりお産は楽なものじゃないと感じはじめました。どうやっても出てこないので最終的には吸引分娩をすることになり、結局分娩室に入ってから一時間で第二子を出産しました。

第一子の時は比較的早い段階で私の横に連れて来てもらえたのに、2人目はすぐに保育器の中。

一瞬横に連れて来てもらえたけど、再度保育器の中に戻って麻酔科の先生(新生児ケアの資格もお持ち)と助産師さんが囲んでいる。ちょっと深刻そうに見える。そういえば泣き声も聞こえない。たまにアラート音が聞こえたりして、不安でたまらなくなる。

先生によると、分娩室に入ってから予想以上にお産に時間がかかってしまい、それが赤ちゃんに負担になってしまったとのこと。

「ちょっと元気がないけど、命に別条はないから」と言っているけど、ちょっとってどのくらい? 妊娠直後の私を不安にさせないため嘘をついているんじゃないか? 本当は……なんて疑心暗鬼になっていました。

私は産科の先生に傷の縫合をしてもらいながら「ちょっと出血が多かったけど、大丈夫?」と言われていましたが、私はどうでもいいから赤ちゃんは大丈夫???とずっと思っていました。

その後、回復室に戻り「赤ちゃん、大丈夫だからね」と助産師さんが少しの間だけ赤ちゃんを連れて来てくれて、家族4人で写真を撮ったりしました。夜遅かったのもあって、家族は生まれたばかりの赤ちゃんに会って帰って行きました。そして赤ちゃんは再び保育器へ戻されてしまいました。

大量出血で救急搬送!

産後の興奮で疲れているのに眠れず1人でテレビを見ながらボーッとしていると、分娩室から陣痛に耐えるお母さんの声が聞こえました。頑張れ!と思うと同時にその声を聞くとやっぱり私は無痛分娩でよかったと思いました(ちなみにこの方10分くらいで出産されていました!)。

その後私は興奮状態もおさまってきて、ウトウトしていたらジョロっと何か出たのです。あれ?おしっこ? でもさっき出血が多いって言っていたし、念のため……と思って助産師さんを呼ぶと、出血でした。

この時ウトウトではなく深い眠りについて、出血に気づかなかったらどうなっていただろうと思うと今でもゾッとします。

その後同じようなジョロっとした感じの出血が数回あり、先生がエコーをして処置をしてくれても止まりません。心拍数も120前後をいったりきたり。助産師さんが何度も「気持ち悪くない?」と聞きに来てくれるようになり、「もしかしたら、止血や輸血のため救急車で大学病院か市民病院に行かなきゃいけないかも」と。

気持ち悪くもドキドキもなかったのですが、「救急車」という言葉で「え? 私っていまそんなにヤバイ状態? もしかして死ぬの?」と不安になり、深夜1時、急遽パパに再びN産婦人科に来てもらいました。

原因は、弛緩出血とのことでした。

出産後、本来子宮は一気に収縮するそうなのですが、収縮が悪いと血がダラダラと止まらないそうなのです。パパが来てくれて安心したものの、出血は一向にダラダラと止まらない。

出産で1200ml出血し、その後さらに600ml出血。合計1800ml出血し、意識ははっきりしていましたがこのまま出血が止まらないと輸血が必要になり、それだとN産婦人科ではもう診られないということで、長女を出産した大学病院へ救急車で搬送されることになりました。生まれたばかりの赤ちゃんが心配だったけど、助産師さんたちの「大丈夫」という言葉を信じて救急車に乗りこみました。

初めての救急車だったら気を失っていたかもしれませんが、訳あって4回目。でもそのおかげ?で、緊張することなくさらに心拍数が上がることなく大学病院に到着しました。娘出産時に破水した時と同じ通用門を通り、あ〜懐かしいな〜なんて思っていたら、薄々は予想していたけど、なんと娘を出産した分娩室に運ばれました。

意識ははっきりしていたので、「ただいま〜。なんか懐かしいな。まさかここに戻ってくるとは……。痛いのが嫌で無痛にしたのに、また大学病院か……」と考えていました。運ばれてすぐに診断を受けると「あれ?出血止まっていますね……」。なんと救急搬送されている間に止まっていました……! 嬉しい!けど、それなら救急車乗らなくてよかったじゃん……。でも運ばれたし仕方ない。

止血していたものの、輸血が必要かどうか調べるために血液検査をしました。また、エコーを見るとまだ子宮が戻りきっていないので、万が一また出血してはいけない、ということで看護師さんが2人交代で約2時間ずっとお腹をマッサージしてくれていました。

出産という大仕事を終え、よく考えたら24時間ほぼ無睡。看護師さんがマッサージをしながら側にいてくれる。私、死ななくていい、と下半身に何もつけず股をひろげて安心して眠りにつきました。長くていろんなことがありすぎた1日がやっと終わりました。

検査の結果、輸血の必要はなく、1800ml出血したにしては元気だったのですが、運ばれたのが土曜日の3時だったため、いろんな事情で大学病院には月曜日まで入院することになりました。

その間、赤ちゃんはN産婦人科で助産師さんがお世話してくれていました。生まれたばかりの時、元気がなく心配だったのですが、家族が交代で赤ちゃんの方にもお見舞いに行ってくれて、元気そうだったよ、ミルク飲んだらしいよ!という報告で「生きているなら良かった!!!!」と安心しました。

本来であればいち早くおっぱいを飲ませたかったのですが、それもできずだったので大学病院入院中は搾乳機でおっぱいに刺激を与え、転院後に少しでも早くたくさんおっぱいをあげられるように用意していました。

「母子ともに健康」という言葉の重さ

大学病院での入院中特別な処置はなくトイレ以外はずっとベッドの上だったのでとにかく時間が経つのが遅かった。早く赤ちゃんに会って抱っこしたいのにそれができなくて辛い。そして何もすることがないから色々と考えてしまいました。

赤ちゃんの都合ではなく、無痛分娩にして痛みに耐えることを避けた罰なのだろうか? 赤ちゃんが出たいタイミングまでまち、自然に産むべきだったのか? 産んでしまったからどうしようもできないけど、自然分娩だったら赤ちゃんももう少し元気で、新生児とラブラブな入院生活を送れていたのかな? そんなことがずっと頭の中を駆け巡っていました。たった2日間の入院が1週間くらいに感じました。

月曜日のお昼過ぎにやっと大学病院で「もう大丈夫」というお墨付きをもらって、N産婦人科へ戻り、ゆっくり赤ちゃんを抱っこしておっぱいをあげることができました。

やっと会えて嬉しい気持ちとお産が大変で疲れさせてしまったことと産後すぐ別々になって申し訳ない気持ちが交錯していましたが、とにかく我が子が可愛かった。

無痛分娩で陣痛の痛みはなかったけれど、2人目も1人目も同じだけ可愛く、かけがえのない我が子でした。

「母子ともに健康」。有名人の出産のニュースや、出産報告でよく見聞きするこの言葉。今回の出産で改めてその言葉の重さを感じました。

元々計画していた日に陣痛が来なかったため出産できず、陣痛がきて無痛分娩で出産できたかと思いきや大量出血で救急搬送……。

一番初めに決めた計画日に出産したかったし、こんな経験はしたくなかった。ただ、この経験がなければ今回のレポートは「痛みを感じない無痛分娩って素晴らしい!」「痛いのが嫌な人におすすめ!」「日本でももっと普及してほしい!」というだけだったと思います。

無痛分娩は確かに素晴らしい技術だったし、おすすめだし、もっと一般的なお産方法の一つになればいいなと思います。

でも、やっぱりリスクがあることを忘れてはいけないし、このように大量出血を経験して正直怖い思いをしてしまった以上、声を大にして「みんなも無痛分娩にしようよ〜」とは言えません。

とはいうものの、もし3人目を出産となるとできればまた無痛分娩がいいなと思っています。だって一度あの痛みを知って、その痛みなしで産めることを知ってしまったら、笑顔でいきんでこんにちは赤ちゃんがいい。

でも、もしまた……と思う気持ちがあるのも事実です。まぁ、パパは今回の大量出血で、もしママが死んだら……と思ったみたいで、今後、無痛分娩は絶対にダメと考えているんですけどね。

子どもを授かることは奇跡の結晶で、子どもを産むことは人生の一大イベントで楽しみなこと。

残念ながら母子双方にとって100%安全なお産方法はない。だからこそ、それぞれのお産の方法やリスクを十分に理解して自分が本当に望む方法で出産でいるようになればよいと思いました。

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小田原みどり

2014年生まれの女の子&2017年生まれの男の子のママ。現在は夫婦の地元である広島で子育て中。
でも近い将来パパの転勤があり帯同の予定。
小さな弟への寵愛が激しい3歳の娘は、難しいお年頃。先輩ママたちの「毎日怒ってばかりだよ〜」な日々とはこれか!を痛感中。

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