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自動車を見て「ワンワン」……、うちの子大丈夫?【コドモのコトバ】
2018.01.22 by Hanakoママ Hanakoママ

先生おしえて 自動車を見て「ワンワン」……、うちの子大丈夫?【コドモのコトバ】

気になってはいるけれど、実のところよく分かってない…。 そんなアレコレについて、ずばり教えてもらう「先生おしえて」のコーナー。

心理言語学の研究者、広瀬友紀さんによる子どもの言葉の話、今回は自動車を見て「ワンワン」、という子どもの頭のなかで起こっていることを解説します!


その言い間違えには理由がある!
今月のテーマ /「ワンワン」=「犬」って、どうやって理解するの?

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犬を見かけて、「ワンワンだよ!」と赤ちゃんに語りかけたら、以降、他の動物はもちろん、走る自動車まで「ワンワン」と指さすように。どうやら間違って言葉を覚えてしまった!?

これって子育てあるあるエピソードですよね。英語でも、doggieと言いながらクマもウマもクッキーモンスターも指さす例が報告されています。

「なぜ全部ワンワン?」と言いたい親御さんに、逆に質問です。

「ワンワン」って言われてそれが「動くもの」を指すのか、「動物一般」「特定の種類の動物」「お隣のポチ限定」なのか、どうやって分かれっていうの?

子どもは、周囲の人間がその言葉を使っている状況を経験しながら、その語が何を意味するかを学んでいきます。

だけどその語が、対象のどの側面・範囲を指すのかは、最初からピンポイントにはわかりません。「ワンワン」=動物一般、のように意味の範囲を広く捉えすぎた場合を「過剰拡張」といい、巷には報告例があふれています。

つまり、あって当たり前のことなのです。子ども達はやがて間違いなく、徐々に意味の範囲を狭めて正確な理解にたどり着きます。

例えば、次の日ネコを見かけてお母さんが「ニャンコだよ」と言ったら、「あ、ワンワンじゃない動物もいるんだ」という具合に、「ワンワン」の指す範囲を限定していくのです。

「ワンワンじゃない動物もいる」→「ワンワンの指す範囲はもっと狭いのだ」という推理力、あえて教わらなくてもどの子にも備わっているのがすごいですね。

逆に、狭く捉えすぎてしまう場合(過剰縮小)は? あるにはあるのですが、あまり報告されません。

子どもが「ワンワン」は隣のポチ限定だという信念のもとそのポチを指して「ワンワン」と言ったとしても、その間違いは傍から見てもわからないですから。

「ポチだけじゃないんだあ!」という気づきの瞬間は、稀少です。ぜひ目撃できますよう!

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広瀬友紀

ひろせ ゆき〇東京大学大学院総合文化研究科教授。
心理言語学、特に人間が言語を理解するしくみを研究。
2017年8月より8カ月間の在外研究で、ハワイ大学に滞在中。
小2男子の母。著作に『ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密』(岩波書店)。

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