子どもの味覚センサーは大人より鋭い! 子どもの味覚、どう育てる?
「ママ、これおいしい!」「これ、変な味がする…」お子さんのちょっとした味についての発言に驚いたことはありませんか?
実は子どもの舌は大人よりも“味覚センサー”が優れているのだそう!
大人よりも敏感な舌だと知ると、毎日の食事の味付けがちょっと気になるところ。そこで今回は、子どもの味覚や幼児食の味付けのポイントを専門家の方に伺いました!
子どもの味覚は大人より敏感?
味を科学的に研究する“味博士”の鈴木隆一先生によると、舌の上にある味覚を感じるたくさんのセンサー「味蕾(みらい)」は生後約3ヶ月目からできはじめ、およそ10,000個に成長。そして大人になるにつれてその数が減っていき、20~30代には7,500個、60代以上になると3,000個にまで減少するのだそう。つまり子どものほうが大人よりも味覚をより感じやすいということ!
そこで森永製菓が、子どもと大人の味覚の違いを知るために街頭調査を実施。動画では、森永のビスケットを大人と子どもに食べてもらい、大人と子どもそれぞれに感想を聞いています。
実際、ビスケットに少量しか入っていない酸味を小さい子どもが言い当てるなど、子どもの味覚の鋭さが検証されています。
幼児食の味付けはどうすれば? 幼児食アドバイザーに聞きました!
子どもの味覚が大人より優れていると知ると、気になってくるのが、普段の子どもの食事の味付け。味覚を育てることも大事な2~3歳の時期、どんなことに気を付ければいいのでしょうか?
幼児食アドバイザー認定講師を務める母子栄養指導士で、管理栄養士の隅弘子さんに、幼児食の味付けのギモンについて伺いました!
Q1・2~3歳の幼児食の味付け、どうすればいい?
A 幼児食期は、いろいろな食材や味を体験させ「おいしい」という気持ちを育みたい時期です。
味覚が敏感で、消化能力が未発達な子どもにあわせて、素材の味やうまみをしっかりと学習しながら味覚の幅をつけていくことが大切。塩分や脂肪のとりすぎは内臓に負担をかけてしまうため「うす味」が基本です。
Q2・味覚が優れているってどういうこと、どんな味付けにしたらいいの?
A 一般的に、幼児は大人と比べて味蕾の数が多いと考えられることから、単純な味を感知する力は高いため、大人が「おいしい」と思う味付けだと濃く感じます。
調味料などを使用する際には控えめにすることが大切。砂糖や塩加減といった単一な味だけで調味するのではなく、味と味の相乗効果のおいしさを経験させましょう。
一緒にうま味を利かせることで繊細な味覚の子どもにも喜ばれる味付けになります。
Q3・幼児の味覚を育てるには?
A 子どもの味蕾にしっかり味を感じさせるためにも「よく味わう=もぐもぐする(よく噛む)」という食べ方の支援を。
咀嚼能力を鍛えるとともに、唾液と食べ物がからまり、口の中で味わう時間が長くなることで味覚力も鍛えられます。
Q4・子どもは酸味や苦味に敏感と聞いたけれど…
A 酸味や苦味は経験によって食べられるようになる味。一緒に食べる大人が「おいしいね」「これはすっぱいね」「ちょっとにがいかな?少しずつ食べていくと、“にがみさん”とも仲良くなれるね」「食べられたらかっこいいね」などとコミュニケーションをとりながら食べることで、味覚のトレーニングにつながりますよ。
もう一つ、経験によって獲得していくのがうま味。離乳食から引き続き「だし」の存在をうまく活用するとよいでしょう。
だしのうま味は繊細な味覚の持ち主である幼児の食事の味付けの基本。とくに和食の「かつおぶし」や「こんぶ」「にぼし」などに含まれるうま味のおいしさを、幼児食期にたくさん経験させたいですね。
Q5・子どもが甘いものばかり欲しがる…どうすればいい?
A 子どもは甘いものが大好きですね。「甘味」は五味の中でも生きていくために必要なエネルギーの味、つまり生まれながらに好む味なのです。
3食と補食(おやつ)の時間でしっかりと“げんき”を保てるエネルギーを補う食リズムをもたせるようにしましょう。
これらの時間にしっかり食べさせないと甘いものばかりを求めてしまうこともあります。
常に“げんき”でいるためにも食事からの糖分を摂ることを大切にし、甘いものはコミュニケーションの一つとして囲んでほしいものです。
甘いものといっても砂糖由来の甘味なのか、素材そのものの甘味なのかによっても体への影響は異なります。『補食(おやつ)はお菓子』という構図に縛られず、炭水化物を多く含むおにぎり、ふかしいも、果物などの食材で甘さにも広がりをもたせましょう。
大人よりも味覚を感知する力に優れている子ども。幼児期は、うす味を基本として味付けを工夫しながら、いろんな味を経験させ、味覚を育んであげたいですね。
管理栄養士/日本こども成育協会食専科ディレクター/母子栄養指導士(幼児食アドバイザー認定講師)
「ママが元氣でいることがこどもの元氣の素」として食をキーワードに日々の「不安・不満」の「フ」をとる思考を伝えている。親子カフェにて食スクール開講、その他幼児食セミナー開催、子育て支援施設にて食事相談を担当。一児のママ。
http://mamaful.com
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000016324.html