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0歳のころから、娘の結婚式を想像しては泣いている【新連載・室木おすしの「娘へ。」】

2018.04.09

新連載が始まります!

イラストレーターで、3歳と1歳の双子の女の子のパパ、室木おすしさんによる育児イラストエッセイ。「娘への想い」を毎回アツく綴ります。


私、イラストレーターを主にしております、室木おすしと名乗る者です。

3歳の娘と1歳の双子の娘の父でして、今回こちらにコラムを書かせてもらうことになりました。

娘が将来結婚などして(しなくても)離れていってしまうことに今の段階で恐れおののいておりまして、0歳のころから、何かするたび、ああ!今の瞬間を、娘の結婚式に思い出そう!と、結婚式の時に思い出す娘素材集を頭の中にコツコツと作っているのです。

この連載はその素材集の中から、よりすぐりの娘をチョイスして、せっかくなので娘の結婚式でスピーチとして娘に読んでいるような体でお送りしようかと思っております。

どうぞみなさま祝福してください。

ああ…結婚式が始まる。

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「また公園行こうね」【第1通目】

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ゴホン。

皆様、本日は娘たちの披露宴にご出席いただきましてありがとうございます。

新婦の父の、ベンジョンソンです。(やや笑いが起きる)

私の個人的な希望でお時間を取らせていただき申し訳ございません。娘に手紙を書いてきました。

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娘へ。

2歳の頃、私に言った言葉を覚えていますか?

「また公園行こうね」
です。

たわいもないような言葉だと思うかもしれないけど、私はこれが泣けるほど嬉しかった。

あなたが2歳の頃、妻が次女と三女の出産で長めに入院していたことがありました。

静岡の妻の実家に預かってもらっていたあなたはみるみるうちにおばあちゃん子になり、たまにそちらへ泊まって二人で寝ると、必ず夜中に目を覚まし「ばぁーちゃぁーん!」と誘拐犯でも見るように号泣するので、毎度精神を少なからずやられました。

必死でおばあちゃんのところへ行こうと襖を開けようとする娘を、おばあちゃんはもう寝てるから!と(本当は義母の寝室に夜中に行くのが気まずかったから)大人の力で遮る私は、本当に誘拐犯にでもなったような気がしたものです。

そんなある日、久しぶりにたくさん公園で遊んだ日がありました。

大人の目から見るとクソ面白くなさそうなしょぼい滑り台をあなたは何度も何度も滑っては笑っていました。

階段を上がるだけでめちゃくちゃドヤ顔するので、私もその度、「ええ…!そんなことできるの?すごい…!」とたじろぐ演技をしたものです。

あなたが楽しそうなので私もとっても楽しかった。

そしてその次の日です。

朝食を食べていた私の膝におもむろによじ登ったあなたは冒頭の言葉を言いました。

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あぁ~って思いました。

長く離れて生活していたので、お父さんのこと、死んだボラと同じような感覚で捉えていたのではないかと思っていたから、あぁ~嬉し~!!って。

ホロリ来てしまった涙を、義理の母と父に気づかれないよう、指で拭いたもんです。

今度は父さんから言わせてください。

私がヨボヨボのじいさんになったら、また公園に連れて行ってください。(大ウケ)

【続く】


薄暗い披露宴会場にスポットライトの私。完全に号泣だ。

懐から取り出した手紙は1000枚をゆうに超え、来場者をざわつかせている。

今日の終電は間に合わないと思ってくれ。

しかしどうだろう。

よく考えてみたら、

まだ娘は3歳でした。

心の披露宴はまだまだつづく。

001-illust-05プロフィール

室木おすし

イラストレーター、漫画家。長女と双子の次女・三女の父。
悲しみゴリラ川柳家元。オモコロネットラジオ「ありっちゃありアワー」パーソナリティ。
雑誌やWEBで記事や漫画の執筆をしたり、広告でイラストやGIF動画を作成したりと日々あくせく。
夜泣きのひどい次女の抱っこには定評があり、2018年には生春巻きが好きだという自分の側面にはたと気づいた。

「娘へ。」連載一覧