働くママの生命線。小学校入学前オリエンテーションでの最大の成果【シンガポール・タイガーママに囲まれて・2】
なにはともあれグループチャット
エマがもうすぐ入学する小学校のオリエンテーションに行ってきました。シンガポールの小・中学は1月から年度が始まります。今の保育園から同じ学校に行くお友達はいません。新しい世界への船出に、ちょっと緊張気味のエマ。不安だらけのママ。
子どもを教室におき、親は講堂で説明会です。これがちょっとしたカルチャーショック。校長の挨拶が終わるやいなや「車での送り迎えの心得」の説明に移り、延々と続いたのです。この道路で停車して子どもを待つな、学校前は渋滞するので早め登校を、などなど。学校と親との間で、この車問題がいかに深刻なのかがひしひしと感じられました。
シンガポールのいわゆる「現地校」は基本的にはすべて公立です。ところが家が近い生徒を優先して入学させる方針こそあれ、はっきりした学区の境界はありません。人気のある小学校には遠くから通う子も多く、送り迎えの車が周辺の道路に渋滞を引き起こすのです。レベルが高く、エリート校と呼ばれる学校になると、行列している車がベンツだBMWだと、1000万円級の高級車がぞろり。初めてみたときは唖然としました。
エマのいく学校は、レベルは普通ですが、キリスト教で女子校、というのを好んで遠くから来る人がいるのかもしれません。うちは公共バスなので、関係なし!
それはさておき。今回のオリエンテーションの最大の成果は、もうすぐ小1ママのグループチャットに潜り込めたことです。説明会のあと、制服や体育着をどこで何枚買えばいいのかも分からずウロウロしていたところ、運よく数年前に引っ越したもとご近所さんに遭遇。ワッツアップ(シンガポールではLINEもありますが、こっちが断然人気)のチャットルームに招待してもらいました。
仕事もあって忙しい親にとって、グループチャットは情報交換の生命線です。私など初の子育てで事情がわからぬ親にとってはとくに貴重な存在。5年通った保育園の間もかなり助けられました。
オリエンテーションが終わっても、「入学の心得」資料を読んでも、小学校は未知の世界。「髪型の決まりは?」「バッグは自由らしいけど、何のガイドラインもないの?どこで買えばいいの?」聞きたいことは山盛りです。
情報過多で疲れることもありますが、小学校でもチャットにお世話になる日が続くことまちがいなしです。
谷 繭子(たに・まゆこ)
1995年、航空会社での仕事を辞め、シンガポールに移住。
翌年日本の新聞社の現地支局に就職する。
残業の多い仕事を続けながら、6歳の一人娘をマレーシア出身でエンジニアのイクメンパパ、小学校や学童の先生方、インドネシア人強力ヘルパーさんとみんなで育てている。