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「早くしなさい!」とせかしてしまうママに伝えたいこと【小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て・5】

2018.12.03

話題の書籍『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』を
ウェブで一部公開します!

発売3か月で4刷の書籍『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』が話題です。著者は、慶應義塾大学医学部小児科で医師、教授として活躍され、日本小児学会の会長も務める高橋孝雄先生です。

Hanakoママウェブでは、この書籍の出版を記念して、本の一部をウェブで公開することになりました。

子どもとお母さんの「代弁者」である高橋先生の言葉は、きっと子育てに迷いを感じたときに、寄り添ってくれるものになるはず。遺伝子が持つ神秘的なエピソードは、子育てにプレッシャーを感じているママの気持ちを軽くしてくれそうです。

高橋先生のインタビューはこちら:https://hanakomama.jp/topics/58740/


(書籍『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』 第二章より)

「早くしなさい」と言いすぎない。子どもから考える力を奪います。

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ちいさな子どもは好奇心のかたまりです。着がえの途中でもおもちゃが目に入ったら走っていって遊びはじめます。窓の外で音がしたらそっちに気をとられて動きが止まります。

大人と子どもでは時間感覚がまったく異なって当然です。お出かけ前だったりすると、おかあさんのイライラは最高潮に達して「も~っ、早くしなさい!!」と声を荒らげてしまいがちです。でも、子どもにしてみれば、なぜ叱られるのか、なぜママは怒っているのか、理解できないと思うのです。

子どもは母親から「お出かけするから、着がえてね」と言われたかもしれませんが、何時までに身支度して、何時何分に家を出て、駅まで歩いて電車に乗って……という段取りは知らされていないでしょうから。たとえ知らされていたとしても、子どもは大人の決めた時間どおりには支度もできませんし、そのつもりもありません。ですから、あらかじめ時間配分を考えて、スケジュールに余白をつくるような工夫が必要なのです。

そもそも、おかあさんが「早くしなさい」と子どもを急き立てるシーンは、実はおかあさん自身の段取り不足の結果なのです。耳が痛いでしょうか。

早くしなさい! が口ぐせのお母さんは、きっとせっかちな性格。実は「せっかち」か「のんびり」かという個性も遺伝子である程度決まるものなのです。子どもが成長すると、せっかちなおかあさんそっくりになるかもしれません。それは「早くしなさい!」と言われて育ったせいばかりとは言えないのです。

とはいえ、せっかちはあながち悪いことではありません。機動力があって、スピード感に富み、問題解決能力も高いひとなのですから。

ただし、せっかちな子育ては別問題です。あまりにもこと細かに指示を出し続けると、子どもは自分でものを考える余裕がなくなるからです。「宿題まだやっていないの? 早くしなさい」「また散らかして。早く片づけなさい」。「早く! 早く○○しなさい」を言い続けていれば、やがて子どもは、おかあさんがうるさいから、反射的に「さっさと片づけちゃおう」ということにもなりかねない。それでいいですか? 聞き分けがよくて、着がえにも時間がかからない。おりこうさんな子どもにも見えますが、誰かが声をかけないと動けないようでは将来、困ることも出てくるでしょう。
 
現代社会では「時短」が美徳と考えられがちですが、子どもの気まぐれな行動につきあう時間は、とても豊かで濃いものだと思いませんか?

いつもせかせかしてしまうのが自分でもイヤなら、たまには「もっとゆっくりやってみようか」とわざと時間をかけるのも、子どもにとってはちょっとした驚きで、楽しいひとときを演出することになるかもしれませんよ。ゆっくりスローモーションで着がえてみるとか、いつもより時間をかけてごはんをゆったり食べるとか。子どもに安心感をあたえたいと思うのなら、ためしにまばたきをゆっくりしてみるとか。まばたきが多いと相手に威圧感や不安感を抱かせるものです。意識的にゆっくりと瞼を閉じて、ゆっくりと開ける。鏡の前で試してみてください。

【次回に続く】

高橋孝雄(たかはし・たかお)
慶應義塾大学医学部 小児科主任教授。医学博士。専門は小児科一般と小児神経。1957年、8月生まれ。1982年慶応義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務、ハーバード大学医学部の神経学講師も勤める。1994年帰国し、慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍している。趣味はランニング。マラソンのベスト記録は2016年の東京マラソンで3時間7分。別名“日本一足の速い小児科教授”。
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『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』
高橋孝雄 著
マガジンハウス
定価:1,404円 (税込)

https://magazineworld.jp/books/paper/3013/


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