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子どもがしあわせな人生を歩むために。親が授けたい3つのチカラ【小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て・9】

2018.12.31

話題の書籍『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』を
ウェブで一部公開します!

発売3か月で4刷の書籍『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』が話題です。著者は、慶應義塾大学医学部小児科で医師、教授として活躍され、日本小児学会の会長も務める高橋孝雄先生です。

Hanakoママウェブでは、この書籍の出版を記念して、本の一部をウェブで公開することになりました。

子どもとお母さんの「代弁者」である高橋先生の言葉は、きっと子育てに迷いを感じたときに、寄り添ってくれるものになるはず。遺伝子が持つ神秘的なエピソードは、子育てにプレッシャーを感じているママの気持ちを軽くしてくれそうです。

高橋先生のインタビューはこちら:https://hanakomama.jp/topics/58740/


(書籍『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』 第三章より)

「共感力」「意思決定力」「自己肯定感」3つのチカラが子どもをしあわせに導きます

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子どもにしあわせな人生を歩んでもらいたい。親なら、誰もがそう願うものです。そのために授けたいことは、誰かの気持ちに寄り添える「共感力」、あらゆるシーンで自分のことを自分で決める「意思決定力」。さらに、生まれてきてよかった、自分は自分でいい、と感じる「自己肯定感」の3つ。ひとのしあわせを守る、三つの勾玉のようなものです。これらがあれば、子どもたちはどんな苦境にも、さまざまな困難にも立ち向かっていけるだろうと思います。

「共感力」は「あの人、共感力があるな」と、相手にも感じ取りやすく、だれかを幸せにできる素敵なチカラです。「うちの子、成績はぱっとしないけれど、友だち思いで、共感力が高いかも」「もう少しお友だちのこと、自分のことのように考えてほしい。あの子はまだまだ共感力、育っていないのかな」と感じることはありませんか。さらに、自分でも実感しやすいものです。「あの人の考え、共感できるな……」という場面もしばしばあるでしょう。

「意思決定力」は文字通り、自分で考えを決めるチカラ。結果や成果にあらわれることが多いため、自覚しやすいチカラです。「やり遂げた! 自分で決めてよかった」「失敗したけど、自分で決めたのだから悔いはない」「いいと思ったのに失敗だったな。今度は別のやりかたにしよう」など。子どもが達成感を味わうためにはなくてはならないチカラです。また、はたからも見えやすいチカラです。「わがままで困ったと思うことも多いけど、自信をもって決められるところはすごいな」「日常のささいなことでも、うちの子はなかなか決められないみたいだな」などと思うことはありませんか。
 
「自己肯定感」は、もっとも主観的なものです。ひとと比べたり、評価したり、数値化することはできません。3つのチカラの中でも唯一、〝力〞ではなく〝感〞と表記されます。自尊感情と呼ぶこともあるようです。英語でも同じニュアンスをもって、セルフエスティームと表現されます。

たとえば、共感力や意思決定力を持っていたとしても、ほんとうに自己肯定感の高い状態にあるのか、自己肯定感にあふれた人生をおくっているのかは、本人にもわからないのかもしれません。ましてや、はたからただ見ているだけでは感じ取ることはできなくてあたりまえ。子どもの自己肯定感を、親はどのように感じ、汲んであげればよいのでしょうか。

「生まれてきて良かった」

そんな感覚が、自分の自己肯定感を感じ取っている瞬間なのかもしれません。

共感力と意思決定力が、育児環境や教育環境によって育まれていく部分が大きいのに対して、「自己肯定感は生まれつき遺伝子に組みこまれているのではないか」と。ぼくはそんなふうに感じています。

【次回に続く】

高橋孝雄(たかはし・たかお)
慶應義塾大学医学部 小児科主任教授。医学博士。専門は小児科一般と小児神経。1957年、8月生まれ。1982年慶応義塾大学医学部卒業。1988年から米国マサチューセッツ総合病院小児神経科に勤務、ハーバード大学医学部の神経学講師も勤める。1994年帰国し、慶應義塾大学小児科で、医師、教授として活躍している。趣味はランニング。マラソンのベスト記録は2016年の東京マラソンで3時間7分。別名“日本一足の速い小児科教授”。
2018-9784838730131-1-2

『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』
高橋孝雄 著
マガジンハウス
定価:1,404円 (税込)

https://magazineworld.jp/books/paper/3013/


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