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小学校入学準備・6PTA役員はこうして選ばれる。小学生ママ10人に聞いたリアルエピソード【小学校ってどんなところ?・6】

2019.01.07

子どもが小学校に上がる前に知っておきたいこと
PTAはいる? いらない?~【後編】

Six beautiful women drinking coffee and chatting in cafe

PTAって大変なの? どうやって選ばれるの? 仕事と両立できるのかしら…。そんな不安をお持ちの保育園ママたちのために、身近な小学生ママたち10名にPTAについて聞いてみました。

入学したら卒業まで自動的にPTA会員に

PTAについて、大前提として知っておいてほしいのは、子どもが入学したらその日から卒業まで、保護者は全員PTA会員になるということ。PTA会費も支払わなければなりません。アンケートによるとPTA 会費は子ども1人につき、年間数千円程度。

もちろん、「私はPTA会員にならないし、会費も払いません」と言うこともできると思いますが、実際には難しいでしょう。

PTA主催の行事もあるし、入学時や卒業時にPTAからお祝い品をもらうこともあり、学校にいる限り、PTAと無関係ではいられないからです。しかも、そういう催しを子どもたちも楽しみにしています。

PTA役員はこうやって選ばれる

そして気になるPTA役員の選び方ですが、アンケートを見る限りでは、どこの学校もあまり変わらないようです。

まず、新学期が始まって最初の授業参観懇談会のあとに、保護者たちが残って、クラス委員と副クラス委員、専門委員、校外委員の4名を決めます(前年度の終わりに希望を聞くという場合もある)。専門委員は、後に参加するPTA会議で、広報委員、文化委員などの委員に割り振られます(委員の名称は学校により異なります)。これらの委員は、いわゆる平(ヒラ)の役員で、これとは別に会長、副会長、書記、庶務などで構成される本部役員というものがあります。本部役員は、前年のクラス委員から選ばれる場合もあれば、毎年新たに選出される場合もあります。

ところで、役員の選出方法についてPTAの会則には、互選(=お互いの中から選挙で選ぶ)または、立候補と書いてあることが多いです。が、そうすんなりとは決まらず、ジャンケンやくじ引きで有無を言わさず決める場合も多いようです。また、「名簿順で役員を全員がすることが決まっている」学校もあります。

筆者の経験では、ヒラの役員に関しては、低学年のうちは、案外立候補をする人もいてすんなり決まることが多かったです。「委員になれば学校に来る機会が増え、子どもの様子も見られるから」と、友達とあらかじめ「いっしょにクラス委員と副委員をやろう」と示し合わせて立候補するというパターンもありました。

私の感触で言えば、クラス委員くらいなら、それほど大変でもないし、クラス委員になったおかげで先生と親しくなれたり、クラスのママたちとも仲良くなれるので、1度くらいなっておいて損はないと思います。

問題は、本部役員です。責任も重く、会議などの拘束時間も長いので、なかなかやりたいという人が出ない。かといってくじ引きで適正のない人に当たっても困る…。

「匿名で、この人はと思う人の名前を書いてPTA本部に提出し、候補にあがった人には会長から直々に依頼がくる」というケースも聞いたことがあります。なんだか内部告発みたいで、選ぶほうも選ばれる方もちょっと嫌な感じがしてしまいますね。

PTA役員の仕事って?

仕事内容は、クラス委員であれば、クラス内の親睦会を企画・運営すること、全校のPTA会議に出席し、会議で決まったことをクラスに伝達することが主な仕事。
広報委員なら年数回の学校の広報誌の制作。文化委員なら年1、2回の音楽会や講演会の企画・運営。校外委員は、通学班のとりまとめやパトロールなど。
その他、ベルマーク集め、廃品回収、園芸係、バザーなどさまざまな係を分担しています。

本部役員は、PTA会議を開催し、さまざまな行事について進行や分担を決めたり、学校内の問題解決に取り組んだり、予算の管理や、地域行事に参加したりするほか、自分の学校だけでなく、学区や市区町村単位のPTA会議・行事にも召集されます。仕事との両立はかなり難しいかもしれません。

PTAをやってよかった点、悪かった点

すったもんだの末PTA役員が決まったら、引き継ぎを経て、実際の活動がスタートします。今回アンケートに協力してくれた10人のうち、役員経験者は7人。仕事との両立は大変だったことと思いますが、意外にも経験者全員が「やってよかった」と答えています。

その理由は、
「学校の様子がよくわかり、先生方の業務の多さがわかった」(新宿区・K・厚生委員を経験)

「他の学年のママと知り合うことができたし、噂話も含め、学校のことをいろいろと知ることができた。6年時は、卒業までの盛り上がりを他のママと共有できた」(品川区・まみお・クラス役員と卒業対策委員を経験)

「学校、先生、保護者などの(噂の範囲も含めますが…)いろいろな話を聞くことができる。先生と顔を合わせる機会が増えるので子どもたちの情報が入りやすい」(板橋区・男子ママ・ポイントオリエンテーリング委員、推薦委員を経験)

「校内で活動することが多いため、学校の様子がよくわかり、地域のこと(危険箇所、避難場所など)を知ることもできました。またママ友もたくさんできました」(神奈川県・ひなママ・広報委員・学級委員・校外委員を経験)

「PTAの役員の人と密にやり取りをするなかで、学校のことを教えていただく機会もあったし、違う学年に知り合いも増えた」(豊島区・M子・行事リーダー)

「知り合いが増えた。学校以外の行事などを知ることができた」(北区・MY・副会長を経験) 

などの声がありました。以下の3つに集約できるでしょうか。

・学校や地域の様子がよくわかる
・先生への理解が深まる
・ママ友ができる

印象的なのは、ひなママさんの次のコメント。     
「学級委員の時は、子どもの授業時間を2コマ使って、レクリエーションを企画しなければいけないのですが、あるママの発案で『紙飛行機大会』を行いました。その場で作った紙飛行機の飛行距離を、ルールにのっとって競い、クラスごとに得点を積み上げていきます。子どもたちは大興奮! 先生も参加保護者も大いに盛り上がりましたし、運営しているわたしたち役員もとても楽しかったです」

どうせやるなら、思いきり楽しんでしまったほうが親も子も楽しい!という好例ではないでしょうか。

また、「委員の長は、大変と思われがちですが、会議時間を自分の都合で設定したり、自分のやりたいようにできるので実はラク」(広報・教養保険委員を経験)という声も。どうせやるなら、会長や委員長を買って出るのも手ですね。

よくない点は、「ちょっとしたことでいちいち集まったり、全員の賛否をとったり、進行がもたもたしていた」(まみお)、「大きな不満はないが、保護者同士の付き合いがわずらわしい場面もあった」(男子ママ)、「土日の行事への参加、拘束時間が長いこと」(MY)「学年が変わるごとに委員も入れ替えになるので、最初のうちはやり方がわからず仕事の仕方が非効率的」(K)などがありました。

PTAなんかいらない?

「なり手がいない」「拘束時間が長い」「無駄が多い」など、悪名高きPTAですが、それでもPTAはあったほうがいいと答えたママは、10人中6人。3人は「どちらとも言えない」、「ない方がいい」と答えた人はわずか1人でした。

あったほうがいい理由は、
「親として学校と関わる機会はたくさんあったほうがよいと思うので。もし行事やPTAがなければ授業参観とクレーム入れるときしか関われない」(まみお)

「基本的に、すべては自分たちの子どものため。これに尽きる。行事や見回りなど、全て子どもたちの安全や楽しみのためにやっている。一部の保護者に負担がかかるということさえ避けられれば必要なことだと思います」(男子ママ)

「時代に合わない、仕事が忙しいなどの理由から、ないほうがいいという意見は理解できるのですが、どんどん簡素化する社会の中で、子どもの学校を中心にした保護者活動はある程度はあったほうが地域とつながれる。煩わしく思える保護者のつながりも、何かあったときに子どもをサポートすることに結びつくと思います。ただ、ひと昔の専業主婦が多かった時代のスタイルで今後も続けるのは難しい」(ひなママ)

などの意見がありました。

「すべては子どものため」というのはまさに親たちの共通の想いでしょう。また、一見煩わしいようでも、PTAのような活動があるから、地域とつながれるし、普段は付き合いのないママたちとも知り合いになれ、お互いさまの精神で子どもを共に育て合える。こういう“面倒な”付き合いがなくなってしまうと、世の中は殺伐としたものになってしまうのかもしれません。

負担を減らす、仕事内容を透明化、必要以上に不安をあおらない

改善策についても聞いてみました。

「『やれることをやれる人がやる』というPTAに変わっていけばいい」
「スカイプを使うなどして、家からでも会議に参加できるようにする」(無名)
「父親がもっと参加するべき」(まみお)
「会議を減らす。最初から作る前提になっている学校新聞の発行有無を検討する。学校紹介が必要なら、ブログを作って限定公開にして、見たい人だけが閲覧するスタイルにしてもいい。毎回同じような記事を作るのは無駄な気がする。行事の参加は全員参加ではなく公募制にするなどして、個人の負担を軽くする」(ひなママ)
「本部役員の仕事内容を透明化することで、無駄な不安をあおらないようにする。拘束時間の短縮など」(MY)

PTAを継続していくためには、無駄を減らし役員の負担を減らすことが必須のようです。

ただ、
「できることをできる人ができる時に、ということを、どこの学校でも言われており、その都度、適切な活動ができるよう改善していると思います」(K)
という声もあり、すでにPTAは、負担を減らす方向に変わりつつあるようです。

また、一方でこんな意見も。

「あまり合理的になるのもPTAではないのかも(業者に頼めばいい、みたいになってきそう)。ママ同士でごちゃごちゃ言いながら進める感じもあたたかくて良いので」(まみお)

持続可能なPTAのあり方を前向きに、かつ気楽に考えよう

難点はあるものの、あったほうがいいと答えてくれた人が多かったのは、なんだか救いのような気がします。

最後に、多くのママの気持ちを代弁しているのではと思われる意見を2つ紹介します。

「全校生徒数が少ないため、全員が何かやらないといけないという空気があってピリピリもしていますが、冷静に考えると、小学生になってしまうとママ友もできにくいし、学校の先生と話をする時間も個人面談以外はないので、PTAのような、保護者が集まって一緒に何かをする活動はいいなと思います。先生とのパイプができると、何かと聞きやすいし、言いやすいということもありますし。手をあげてもいいなと思うのですが、引っかかるのはやはり平日の活動が結構ある、ということかな」(M子)

「最近はPTAに対してネガティブなイメージを与えるニュース・記事を多く目にしますが、それもどうかと思っています。無理なく参加でき、有意義で、保護者も楽しめる(少なくとも苦痛ではない)PTAのカタチがあるはずです。たとえば週末に父親が集まる、パパPTAがあってもいいと思います(年2回くらいで限られた活動をするのであれば)。それぞれが子どものためのPTAという大前提からはブレず、前例にとらわれない“ラクなPTA”のあり方を前向きに考えていかれればいいと思います」(ひなママ)

それから、こんな意見もありました。

「実際やってみると、楽しいことが多いので、『やりたくない』『PTAって大変そう』と思っている人たちに、なぜそう思うのかを聞いてみたい」

ひなママさんも指摘しているように、先輩ママやSNS、ニュースなどの情報が、PTA=大変というイメージを植え付けている感は否めません。役員経験者が、「楽しいこともたくさんあるよ!」ということを伝えていくことも大切ですね。

あとは、これに尽きるかもしれません。

「『あの人委員やってないよね』といった他の保護者の目を気にしてやるより、子ども達のためだというのをまず考えれば気楽にできると思います」(男子ママ)

ishiisan

石井 栄子(いしい・えいこ)

3児のママとライターを両立してン十年。『Hanakoママ』では3歳〜5歳向けの「3・4・5」を担当。ようやく子どもたちの手が離れ、趣味に飲み会にと羽を伸ばし中。今ハマっているのはオンライン英会話。もう英語で話しかけられても怖くない!のがささやかな自慢!

Photo by Natsuko Toida


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第五回 PTAは負担が大きい。それでも「なくなれ!」とは言いきれない理由

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