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子育て中からできることは? 「老後の資金」の作り方

2018.12.29

「老後資金」ってどのくらい必要? 素朴なギモンを解消しよう

Save money in the glass jar.

今は子育てで精いっぱい。教育資金、生活費のことばかりが頭をよぎりますが、将来の夫婦の老後資金について考える必要が出てきているようです。人生100年時代、長い老後に備えて、すでに毎月コツコツためている30~40代夫婦もいるのです。

今回は、KDDIが主催したイベントに登壇した、ファイナンシャルプランナー飯村久美さんに、老後資金の素朴な疑問を伺いました。老後資金といわれてもよくわからないママでも、大丈夫。今、何をすればいいのか、老後資金とは何か、初歩から教えていただきました!

老後資金ってどのくらい必要?

老後資金とは文字通り、老後の生活のために備える資金のこと。老後資金はどのくらい必要で、毎月どのくらい貯めていればいいのでしょうか。飯村さんは次のように話します。

「老後資金がどのくらい必要になるのかは、夫婦2人が老後を迎えたときにどのくらい収入があるのか、またどんな生活を送りたいかによって変わってきますので、一概にいくらとは言えません。

平均的なデータで見てみましょう。総務省の家計調査をみますと、年金を受給している夫婦の毎月の家計は、平均約6万円が赤字になっています。つまり、毎月約6万円、預貯金から取り崩して生活していることになります。60~90歳の30年間で計算すると、6万×12ヶ月×30年で合計2,160万円必要になるということです。つまり、今現在の平均的な水準でみると、2,000万円ほどはリタイア後の生活費として準備しておく必要があるということです。

また、毎月の生活だけではなく、旅行に行ったり、医療や介護の予備費、また、持ち家であればリフォームなどの費用も必要になるでしょう。人それぞれどのような老後生活を送るかによって変わってきますが、ざっくりと+1,000万円程度の余裕資金を見積もるのであれば、先ほどの2,000万円にプラスして、老後資金は3,000万円必要ということになります。ただし、これは平均的な目安に過ぎないので、大事なのは、自分たちがどんな生活を送るのかによって老後資金は変わってくるということです」

老後資金は30~40代の子育て中から備えるべき?

老後資金の具体的なところが見えて、なんとなくイメージがついたでしょうか。でも、目の前の子どもの教育費や家族の生活費だけでも精いっぱいの中、老後のために今からためていくというのは、なかなかむずかしいものですよね。それでも貯めていったほうがよいのでしょうか。

「バランスが大事です。現役時代にお金をたくさん使ってしまうと、“老後貧乏”になってしまいます。老後資金は、現役のうちでしか貯められませんので、教育費や目先の生活費を確保しながらも、少しずつ無理のない範囲で貯めていきましょう。老後資金の目標額を決めて、その目標を65歳までに達成するには毎月どのくらい貯めていけばいいのか計算します。お子さんに教育費がかかるうちは少ない額になりますが、お子さんが独立すると、そこからしっかりと貯められます。また早く始めれば始めるほど、負担は少なくてすみますので、一ヶ月1~2万円でも、無理のない金額で積み立てていきましょう」

30~40代のママたちは、実際、老後資金を貯めているのでしょうか?

「やはり働いている方は関心が高く、貯めている方は多いですね。ただ、それが老後資金のため、という方はまだまだ少数派です。ただ漠然と“将来のために貯めている”という方はとても多いです。しかし、人生100年時代には、しっかりと老後にも目を向けて、現役の収入があるうちに老後資金を貯めていきたいですね」

定期預金では貯められない?

「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」について、確かに最近よく耳にするけれど、投資ってむずかしそうだし、なんだかリスクも高そう……と思うかもしれません。一般的な定期預金の積み立てでは老後資金は貯められないのでしょうか?

「定期預金は金利が0.01%程度で、ほんのわずか。3年後くらいに必要になるお金であればいいですが、10年以上先であれば、投資信託のほうが有利です。ただ、投資は、投資に充てた資金の額が、当初の購入価格よりも下回ることはない、という『元本保証』がありません。ですから、次の3つのポイントを守りながら、実施していくことが大切です」

1.長い期間運用する
2.投資先を分散させる
3.毎月コツコツ積み立て投資していく

飯村さんによると、国が個人の資産形成を応援していて、「iDeCo(イデコ)」や「つみたてNISA」には税の優遇制度があるそうです。そういう制度を利用すると、税金がお得になるので、積極的に検討しましょう。
貯金というと、定期預金などをイメージしていた方は、少し視野を広げてみる時期が来ているといえそうです。特に最近では、「auのiDeCo」のようにスマホアプリ上で手軽に資産運用ができるサービスも登場しています。

老後資金を貯めるために行う第一歩

少しでも老後資金を捻出するために、日頃から気を付けるべきことはあるでしょうか。飯村さんにアドバイスいただきました。

無駄遣いはないかを意識するところから始めてみる

「老後資金を貯めるために、急におこづかいをカットしたり、食費を減らしたりする必要はありません。それよりも、ダラダラ支出をせず、価値のあるお金の使い方なのか、そうでないのかを意識しながらお金を使ってみることが大切です。確かに老後資金はゆとりがないと貯めることになかなか意識が向かないものですが、ものを買うときに、無駄遣いかどうかを意識するところから始めてみるだけで大きく変わります」

収入を増やすのも大事

「コツコツためるというと、どうしても節約、つまり支出を減らすことばかり考えてしまいがちですが、収入を増やすのも大事です。働く余地があれば、収入を増やすということも考えたいですね」

老後資金を貯めるのは、早い時期から始めるほど楽になることが分かりました。そして今、国が推奨している制度も出てきているので、それにうまく乗って老後資金をためる方向で検討してみるとよさそうです。

[ 教えてくれた人 ]飯村 久美さん 
日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー。FP事務所アイプランニング代表。金融機関在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得後、FPとして独立。2006年、FP事務所アイプランニング開業。これまでの家計診断は1000世帯。ファミリー世帯や女性の幸せなマネーライフをサポートしている。テレビをはじめとするメディア出演歴多数。著書に「子どもを持ったら知っておきたいお金の話」(中経出版)「ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法」(アスコム)などがある。
http://www.fp-iimura.jp/
取材・文〇石原 亜香利