マザーズの『イベント託児』を取材しました ママなのに?いえママだから! 観劇をもっと楽しもう!
子どもを預けて、いざ夢の世界へ!
最近めっきり舞台やコンサート、美術館に出かける機会が少なくなったママのみなさん。子どもがまだ小さいから、ママだからしかたがない…なんて諦めていませんか?
ここ数年、劇場や美術館のフライヤーの片隅に“「託児サービス」あります”という文字を見かけることが増えました。とはいえ、そのほとんどは(事前申し込み制・有料)とあるだけで、電話番号以外の情報はとくになし。子どもを預けて観劇する、ということだけで少し罪悪感を抱きがちなママにとって、状況がよくわからないまま子どもを託すのは、かなりの勇気が必要かもしれません。
そこでこの託児サービスについて、実際の託児の様子を取材してきました!
保育園より手厚い!? 託児室を覗いてみると…
お邪魔したのは、国立劇場の託児室。今日は1歳7か月の女の子、2歳10か月の男の子、5歳&8歳の兄弟、そして10歳の男の子の5人の予約が入っているとのこと。3名の保育士さんがスタンバイしていました。
この託児サービスを運営しているのは、株式会社マザーズ。劇場や美術館内の託児室や近隣の施設で、保育の予約受付から託児業務の一切を請け負います。30年前に会社を立ち上げた、社長の二宮可子さんにお話を伺いました。
子どもができた途端、レストランにも出かけられない。これってなんなの? の憤りがきっかけでした。
都内でOLとして働いていた二宮さん。20歳で結婚してからも仕事は続け、いわゆるDINKS生活を楽しんでいましたが、出産したとたん、どこにも出かけられなくなったことに衝撃を受けます。
「その頃は、赤ちゃんを預けて母親がひとりで出かけるなんてとんでもない!という時代。現在70歳になる夫は“子どもの世話をするなんて男の沽券に関わる”と信じている世代で、預けることはできませんでした。上司へのお中元を買うから、というような大義名分があってようやく、自分の親に子どもを預けて街へ出かけられるような状態でした」(二宮さん)
当時すでにベビーホテルは存在したものの料金は高く、何より不幸な事故も続いていて不安。ベビーシッターも同じく高額で、自宅に入ってもらうことにも抵抗があったといいます。
子どもが4歳になったころ、そんな状況に業を煮やした近所のママたちと一緒に、託児サービスの事業を思いつきます。
「劇場内の託児ルームに預けることができたら、二人でお出かけのふりをして外出できるし、観劇中に何かあってもすぐに駆け付けることができる。すごくいいアイデアじゃない?と盛り上がりました」
そして子どもが小学校に入学したのをきっかけに、本格的に始動。
「最初はどこに営業に行けば良いのかわからず、まずはホールへ片っ端から連絡して話を聞いてもらいました。主婦のお遊び企画だな、とか、演劇やコンサートに行きたいんだったらガキなんて産むな、なんて言われたこともあります」。
それでもくじけなかった二宮さん。やがて「託児サービスあります」の文言をちらしに入れてくれる主催者があらわれ、少しずつ少しずつ、輪が広がっていく。
「地方から依頼を受けたときは、東京から保育士さんが向かったこともあります。いは全国で約200名の保育士さんと契約しています」(二宮さん)
保育士さんはもちろん全員が有資格者。公募はせずクチコミによる他薦もしくは自薦で、応募者すべてに二宮さんが自ら面接しているといいます。ちなみに取材当日の保育士の金山幸子さんも、自身の子どもが0歳のときに託児サービスを利用し、その手厚さに感激して自ら問い合わせたとのだとか。
「0歳児にはマンツーマンで保育士さんがついてくれるので、すごく安心できました。日曜日にも利用でき、夫婦で観劇などして過ごせる時間は、とてもありがたかったです」(金山さん)
いまでは全国の100近くのホールや劇団、団体などから依頼をうけ、1か月に100件以上の託児を運営している。
「子育てで大切なのは、ママが笑顔でいること。ママが楽しい時間を過ごせることは、子どもにとっても一番幸せなことだと思います」(二宮さん)
まずは私たちママ自身が楽しい時間を過ごすために、もっともっと積極的に行動してもいいのかもしれません。