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子どもに関するルールはどうやって決める?【コレクティブハウスで子育て・5】

2019.03.09

この連載は……

コレクティブハウスに暮らすライターで小2男子のママ、吉田ひとみさんが、コレクティブな子育てについて綴ります。


第5回 ルールは話し合って変えていく

コレクティブハウスでは月に1回、定例会という集まりがあって、暮らしのなかで気になることを話し合います。基本は全員参加で、議題はいろいろです。大掃除の日程や係を決める、といった事務連絡的な内容から、とても細かいルールについて話す場合もあります。

たとえば、コモンスペースのドアノブは何で拭くのか、について。

共有のコモンスペースの掃除は、持ち回りで当番を決めているのですが、ある定例会で「ドアノブはどの雑巾で拭いたらいいか」について質問がありました。手で触れるものだから、床をふく雑巾では汚い感じがするし、ガラスをふく雑巾で拭いてしまっていいのか。あるいは、ドアノブ用に新しく雑巾を1種類増やしたほうがいいのか。

それぞれの意見を出すうちに、気づけば雑巾の種類で30分以上話していてびっくり、ということがありました。暮らしに関する感覚には人それぞれの価値観があって、細部までピタッと意見が合うのは難しい。ひとつの結論を出すのは時間もかかるし意外と大変ですが、意見を出し合うプロセスって大切なのかな、とも思います。ちなみにこのときは、きれいな雑巾であれば、ガラス用でも新しいものを下ろして使ってもいいのでは、といった結論になったような気がします。

定例会では多数決で決めることはせず、話し合いのなかでなんとなく流れを決めて、いったん試してみよう、となることが多いです。それが定着しなかったり、不具合があったときにはまた話し合い、になります。

補正定例会
定例会の議長や記録係は持ち回りで。特定の人が仕切ってまわしていく、ということはなく、みんなが当事者になるように、順番に担当します。

子どもに関することが定例会で話し合われることもあります。

コレクティブハウスは、基本は賃貸マンションなので、人の入れ替わりもけっこうあります。それに伴って子どもの人数が変わることもあるし、住んでいる子どもたちもどんどん成長していくので、子どもに関する問題も、そのときの人数や年齢などによって、気になるテーマも変わっていきます。

たとえば、太郎が保育園に通っているころは、またがって乗るコンビカーで廊下を暴走したり、乗りっぱなしで片付けない子どもたちがいる、ということが問題になり、コンビカーをどうするかについて話し合いがありました。

コンビカーは全面禁止にしてほしい、という意見はなかったのですが、遊んでもいいけれど、壁に激突したり、曲がり角でぶつかったりしそうで怖い、といった意見や、片付ける場所をきちんと決めたほうがいい、という声があり、その結果、廊下にスピードを落とさせる狙いで「横断歩道」が作られたり、上手に片付けられるように「駐車スペース」が作られました。

横断歩道については、できた直後は子どもたちも面白がって止まっていましたが、わりとすぐに忘れられていった気が……。でも、暴走してはいけない、というルールについては子どもたちとも共有できたように思います。

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当時小学校高学年のお姉さんたちが、工夫して作ってくれた駐車場。コンビカーのキャラクターに合わせて、駐車位置をわかりやすく決めてくれました。

最近出たテーマは、力の強くなってきた小学生男子の廊下での遊び方について。以前のルールでは、危なくないオーボール(赤ちゃんが遊ぶようなやわらかいボール)のようなものは廊下で投げてもいい、としていたのですが、小学生男子にかかると、オーボールでもかなりの勢いがついてしまう。そんなことで、ボールは全面禁止にしましょう、ということになりました。

定例会で話し合われたものの、大人から一方的に押しつける形にならないように、男子たちにもオーボールを投げてもらって、やっぱり小学生の力では強すぎるよね?ということを納得してもらったうえで決めました。ボール禁止となってからは、廊下で遊びたくなってしまうと、「風船」でバレーボールをしてみたり、タオルを投げてみたりと、彼らなりの工夫?で遊んでいます。

この「ボール禁止」についても、子どもの数や年齢、周りの大人がどう感じるか、子どもたち自身からの意見がでてきたときなど、将来的にまたルールを変更することがあるかもしれません。それはそのとき住んでいる人たちがみんなが納得すればいいのでは、と思っています。

そもそも、マンションの共有部分で子どもが自由に遊んでいること自体、ふつうは考えられないこと。かなり寛容に見ていただいているなあと思います。

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廊下にリビングを作ってくつろいでいてもいいなんて!

今後、太郎が高学年、中学生になってきたら、たとえばコモンスペースでPCを使っていいか、ゲームで遊んでいいか、といった問題や、コモンスペースで試験勉強をするときの使い方について、外から友達を連れてきてもいいか、といった問題などが予想されますが、今から考えても仕方ないので、それが必要な状況になったとき、きちんと話し合いができる関係を作っておくことが大切なのかなと思います。

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コモンルームにテレビは置かない、というのがいまのルール。でも、大晦日だけは例外で、その日はテレビをコモンに持ち出して、帰省していない人はみんなで紅白を見よう!というのがここ数年の行事になっています。子どもたちもこの日は「早く寝なさい!」と言われないので、思う存分テレビを満喫しています。

コレクティブハウスでの子育てについて5回にわたってご紹介しましたが、今回で最終回です。まだまだ数の少ないコレクティブハウスですが、ファミリー世帯には本当にメリットがいっぱい。仕事をしながらもなんとか子育てできているのは、本当にこの暮らしのおかげだと思っています。

吉田ひとみ
ライター。コレクティブハウス入居のきっかけは、夫に「面白そうだよ」と誘われたこと。ちょっと面倒くさいかも、自分には合わないかも……、と思っていたものの、気づけば入居12年目に突入。途中、息子も生まれました。いまではここの暮らしなしでは生活がまわりません。よく作るミールのメニューは「シンガポールチキンライス」。
※この記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。

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