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肌の研究者に聞いた!赤ちゃんの肌は大人よりも強いの?ケアのヒント
2019.02.27

肌の研究者に聞いた!赤ちゃんの肌は大人よりも強いの?ケアのヒント

肌の研究者に質問!赤ちゃんの肌は大人よりも強いの?ケアのヒントも!

Mother is applying cream to the baby boy which helps to maintain skin leg hydration, Skincare and moisturizing cream concept

春めいた雰囲気が出てきましたが、まだまだ乾燥は気になる季節。

赤ちゃんの肌はとってもデリケートといわれますが、乾燥しやすいの? 大人と比べてどう違うの?

肌について長年研究している株式会社資生堂 グローバルイノベーションセンター細井純一さんにお聞きしました。

肌に備わる「肌免疫」のことや、肌の免疫力が赤ちゃんと大人とではどう違うのかについてのお話も!肌のこと、ちょっと詳しくなりましょう!

赤ちゃんの肌は乾燥しやすいの?

まず気になるのは、赤ちゃんの肌は大人よりも乾燥しやすいのかどうかということ。細井さんは、次のように話します。

「乳幼児の肌は乾燥しやすいです。赤ちゃんは一日ごとに大きくなっていますよね。分裂を繰り返しながら、新しい皮膚を作り続けているのです。ですから、頑丈な皮膚でおおわれると、成長の邪魔になってしまうため、赤ちゃんの肌はデリケート。バリアー機能が弱いので、いろいろなものが侵入しやすく、一度に大量に入ってしまうと、炎症を起こしたり、免疫が誤った記憶をして、アレルギーのもとになったりします。
ですから、スキンケアが大切です。国立成育医療研究センターの皮膚科の先生たちは、新生児期からのスキンケアによって、アトピー性皮膚炎のリスクが軽減することを世界で初めて発表しています」

赤ちゃんは「肌免疫」が強い?

そして細井さんによると、肌の強さに関連して、「肌免疫」についても知っておくといいます。

「肌免疫とは、肌本来が持つ防衛機能のことです。肌には、細菌やウィルス、アレルギー物質などの異物から肌を守る機能が備わっています。肌において、その免疫システムの司令塔として働くのが『ランゲルハンス細胞』と呼ばれる樹状細胞で、このランゲルハンス細胞には、異物を排除する機能と、紫外線や乾燥などの刺激への反応を鎮静化する機能の2つがあります。このランゲルハンス細胞の働きを強化し、常に最適な数に保つことで、肌は健康な美しい状態でいられるのです」

赤ちゃんの肌は、大人の肌と比べて、肌免疫が強いのでしょうか? それとも弱いのでしょうか?

「赤ちゃんは、お母さんのおなかから外界に出てきて、いろいろなことを学びながら育っていきます。その体の中では、免疫細胞たちが、すべての物質について、排除すべきものか、反応しなくてよいものかどうかを学んでいきます。つまり乳幼児の免疫は、多様性に富んで、新しいものに反応する力が強いです。大人になると、それまでに学んだ特定のものに対しては十分な準備ができて強くなっていますが、新しいものに対する応答性が鈍くなっています」

赤ちゃんの肌は、大人とは違う強さを持つようですね。

ママが赤ちゃんの肌のために取り組むべきことは?

そんな赤ちゃんの未知なる肌。大人とは異なるケアが必要になりそうです。具体的に、赤ちゃんの肌を守るために、ママはどんなことに取り組めばいいでしょうか? 細井さんは次の3つを挙げます。

1.スキンシップ

「一番大切なのは、お母さんと赤ちゃんとのスキンシップ。すると、お母さんと赤ちゃんの両方が安心して、どちらもストレスが減ります。ストレスというのは、想像以上に免疫力を低下させるのです」

2.丁寧な洗浄と保湿

「赤ちゃんは、特にスキンケアが大切です。丁寧な洗浄とその後の保湿を心がけましょう。食べ物などで汚れやすい口の周りにも注意です。免疫学習中の赤ちゃんには、いろいろな体験をさせることも大事です。種類の多い食べ物、ペットや自然との触れ合いが免疫系の幅を広げます。とはいっても、無理のない範囲で、安全を意識しながら行ってください」

3.昼夜リズムの維持

「赤ちゃんに昼夜のリズムができてきたら、そのリズムを維持してあげましょう。リズムの変化は、免疫のみならず、体のいろいろな機能に負担となります。これはお母さんにとっても言えますね。働きづくめの方は、ゆっくり休むことも大切です」

赤ちゃんの肌を守るには、直接の肌へのケアはもちろん、スキンシップによるストレスケアや生活リズムからのアプローチも必要になるようです。日々のケアのヒントにしてみてくださいね。

[教えてくれた人] 株式会社資生堂 グローバルイノベーションセンター研究員 細井純一さん 
東京大学医科学研究所で学位取得後、米国NIH環境健康科学研究所において3年間、がん抑制遺 伝子の研究を、またハーバード大学のCBRCにおいて4年間、皮膚免疫の研究を行う。その後、資生堂グローバルイノベーションセンターに入所。皮膚と心、全身との関係について研究を続けている。
取材・文〇石原 亜香利