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小学校入学準備・11親野智可等さんに聞く!どうやったら子どもが勉強をするようになりますか?(前編)【小学校ってどんなところ?・11】

2019.03.18

うちの子、小学校に上がってから、ちゃんとやっていけるかしら……何かと不安なママたちのために、お届けしてきたこのコーナー。
今回は、「勉強の習慣をつけさせるには?」「家庭学習は1日どのくらいさせればいいの?」「中学受験は?」「習い事は?」など、お勉強に関する悩みについて、教育評論家の親野智可等さんに聞いてみました。

小学校ってどんなところ

「勉強しなさい」は百害あって一利なし

――ズバリお聞きしたいのですが、かしこい子に育てるにはどうしたらいいのでしょう。

「勉強しなさい」と言わないことですね。

「勉強しなさい」と強いられたり、「どうして勉強しないの」と叱られたり。このような経験が続くと、子どもは勉強=不愉快なものと認識し、それが「勉強嫌い」につながってしまうのです。

子どもは嫌いなことはやりたがりませんから、結局、勉強が苦手になってしまう。それをまた叱られ、「勉強ができない自分はダメなんだ」と、自己肯定感が下がってしまう。

結局は、お母さんの「勉強をしてほしい」という気持ちが逆効果を産んでしまうのです。

自己肯定感が低い子は、「どうせ自分はダメなんだ」と思って新しいチャレンジをしなかったり、失敗するとすぐあきらめる子に育つ傾向があります。

逆に、自己肯定感が強い子は、「自分はできる!」と信じることができるので、新しいチャレンジを恐れないし、たとえ失敗してもあきらめずに再チャレンジすることができるのです。

辛い勉強よりも、遊びが学びになる=楽勉(らくべん)がおすすめ

勉強が好きな子にするためには、勉強が「楽しい」と感じられるようにしてあげることが何より大事です。そこで、オススメしたいのが楽しく遊んでいるうちに自然に勉強ができてしまう「楽勉(らくべん)」です。

たとえば、リビングに絵や写真がきれいな図鑑や、百科事典、学習まんがを、たくさん置いておくと、自然に手に取りますよね。それをばらばらと見るだけで、勉強になります。

もしお子さんが、星の図鑑を熱心に見ていたら、外に出て一緒に夜空を眺めたり、プラネタリウムに連れて行ったりして、知識を深めてあげるといいでしょう。

そうやって、子どもが「面白いな」と興味を持つものを、できるだけ広げておくことが、後の学びにつながります。

たとえば、幼児期に星のことを見聞きした経験がある子は、小学校に入ってから、星座について学ぶようになったときも、「あ、あのときにお母さんと星を見て楽しかったな」というように、楽しかった記憶とともに興味がわいて、勉強に取り組みやすくなります。

私はいろいろなことに興味を持つことは、頭の中に「知識の杭」を持つことだと考えています。川に杭を立てておくと、流れてきたものが引っかかるように、頭の中にたくさん知識の杭を立てておくと、いろいろな情報の中から、関連した情報が知識の杭に引っかかる。そして、どんどんその知識がたまっていく。知ると楽しくなって、もっと学びたくなる。

そういう状態を、幼児期につくっておくと、小学校に入ってからも、自然と勉強が好きになっていきますよ。

最初のハードルを下げて、勉強にとりかかりやすくする

――小学校に入ると、宿題もあるし、さすがに遊んでばかりもいられません。子どもが自発的に家庭学習をするようになるには、どうしたらいいでしょう。

だれでも多かれ少なかれ、「勉強っていやだな」と思うもの。
であれば、最初のハードルを低くしてあげることをおすすめします。

たとえば、小学校1年くらいのお子さんなら、学校から帰ったら、ランドセルを放り出してすぐに遊びに行くということも多いと思います。

そのとき、遊びに行く前に、ランドセルの全部の中身を広くて浅いハコに出させます。全部出せば、筆箱や教科書、プリントなど宿題に必要な物も出ます。

遊びから帰ってくると、ハコの中に目に見える形で全部出ているので、手に取りやすくなります。また、やるべき宿題の量がある程度わかって、「これだけやればいいんだ」と見通しが立ちます。

プリントがランドセルにはいったままだと見通しが立たず、「やらなければ」という気持ちだけが重くのしかかってきます。時間がたつにつれて、不安が膨らみ、よけいやりたくなくなるのです。

家に帰ったら、ランドセルの中身を全部出す。
たったこれだけのことで、「宿題をしなさい」とがみがみ言わなくてすむようになった、というお母さんもいます。ぜひだまされたと思って試してみてください。

こんな方法もあります。

本物のアナログ時計の横に紙で描いた時計の絵を貼ります。その模擬時計の針は勉強開始時刻を指すように描きます。特に大事なのは長い針です。そして、「時計の長い針がここにきたら勉強を始めよう」と言っておきます。本物の時計と模擬時計がセットであると、子どもは時間を意識して行動するようになります。

また、あるご家庭では、勉強開始時間になると音楽がかかるようにしていました。これを続けていると、お子さんは音楽がかかると条件反射的に勉強を始めるようになったそうです。曲は子どもに決めさせるといいでしょう。自分で決めた曲だからがんばらなければと思うものです。

後編に続く

親野智可等さん プロフィール

教育評論家。公立小学校で23年間教師を務めた経験をもとに、執筆や講演活動を行っている。メールマガジン「親力で決まる子供の将来」は、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位。『「叱らない」しつけ』(PHP文庫)などベストセラー多数。

HP  http://www.oyaryoku.jp

ishiisan

石井 栄子(いしい・えいこ)

3児のママとライターを両立してン十年。『Hanakoママ』では3歳〜5歳向けの「3・4・5」を担当。ようやく子どもたちの手が離れ、趣味に飲み会にと羽を伸ばし中。今ハマっているのはオンライン英会話。もう英語で話しかけられても怖くない!のがささやかな自慢!

Photo by Natsuko Toida


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