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特集:液体ミルクを考える日本初、液体ミルク販売スタート!「アイクレオ 赤ちゃんミルク」体験会に行ってきました

2019.03.25

2019年3月5日、江崎グリコから日本初の乳児用液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」の販売が通販サイトでスタート。そして3月11日、いよいよ全国の店頭で順次販売開始となりました。

店頭販売当日、ベビーザらス 錦糸町店でおこなわれた「アイクレオ 赤ちゃんミルク 体験会」にお邪魔してきました。

日本初の液体ミルクの使い方、実際に飲んだ赤ちゃんの様子、そして液体ミルクの普及に尽力してこられた乳児用液体ミルクプロジェクトの代表理事 末永さんのコメントをなどをお届けします。

ついに解禁!日本初の液体ミルクって?

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今回、3月11日に店頭販売をスタートした乳児用液体ミルクは、江崎グリコ「アイクレオ 赤ちゃんミルク」。「アイクレオ バランスミルク」(粉ミルク)を愛用しているお母さんたちにもなじみのある、ピンクのパッケージで登場です!

販売開始の当日、体験会の会場を訪れるとテレビ・ネット・雑誌などたくさんの取材が殺到していて液体ミルクへの注目度や期待度がうかがえました。

開発から2年「市場に出すのが使命でした」

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店頭に並ぶ液体ミルク

江崎グリコが液体ミルクを開発するきっかけとなったのは、2016年4月に起こった熊本地震でした。

度重なる余震、ライフライン復旧の困難。そんな中、生命の危機におびやかされる災害弱者の赤ちゃんの報道を知ることになります。

赤ちゃんの栄養源である母乳や粉ミルクは、災害が起こるとさまざまな理由で与えることが困難になり、結果、赤ちゃんが命の危険にさらされることになります。

災害時は、ストレスでお母さんの母乳が出にくくなったり、粉ミルクを作るためのきれいな水の確保が容易にできなかったり、また日中に震災が起こった場合などは仕事中のお母さんと保育園などに預けられた赤ちゃんが離れ離れになるなど、母乳を与えることが難しいさまざまな状況が起こりえます。

このような状況にいる赤ちゃんたちに何とかミルクを届けることはできないか、そんな思いが開発のきっかけだったそうです。

そして、開発を始めてから2年。「商品を一日も早く市場に出すことが使命」との思いで商品開発を進め、ついにこの日発売に至りました。

液体ミルクのメリットとは

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では、液体ミルクはどのような点でメリットがあるのでしょうか。

・粉ミルクと同様、新生児から飲ませることができる。
・調乳済みのため、すぐにあげることができる。
・常温で与えることができる。
・常温で長期保存できるため、備蓄できる。

など災害時にはもちろん、外出時や夜間の利用などさまざまなシーンでの活用が期待されます。

日本初の液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」の形状・特徴とは

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内容量は125ml、希望小売価格200円(税抜)。ストローとセットになった紙パック仕様で、開封から授乳までは約10秒!

付属のストローは、よく見られる紙パックジュースのストローより短めです。

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ストローの先には、ストッパーが付いており、このストッパー部分が隠れるようにさし込みます。

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さし込んだあと、手前に少し戻すように引いて穴をふさぐことでミルクがこぼれるのを防ぎます。

世界中の液体ミルクを見ても、最も使われているパッケージが紙パックだそう。持ち運びが楽なため外出時にも便利で、折りたたんで捨てることができ手軽な上、備蓄などにも対応できる点などがメリットです。

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また、母乳に近い栄養成分を目指して作っているため原料のひとつひとつにこだわりがあります。

例えば、塩分の摂りすぎで身体に水分がたまりやすくなるのを避けるため、母乳と同程度の塩分量におさえている点など、赤ちゃんの繊細な身体に優しい仕上がりになりました。

そして、事前のアンケートなどでお母さんたちも気になるという声が多かった「色」。

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(左)アイクレオ 赤ちゃんミルク(右)海外製の液体ミルク

海外製のある液体ミルクと比較してみると、「アイクレオ 赤ちゃんミルク」との違いがよくわかります。

製造工程で液体ミルクが茶色くなってしまうのは、ミルクをパッケージに入れてから殺菌をするときに熱を加えるため起こる現象で、栄養などに変化はありませんが、お母さんたちにはどうしても気になる部分でした。

「アイクレオ 赤ちゃんミルク」は、殺菌をしてから紙パックに詰めるためミルクの白さをキープ。安全なものを納得して与えたいというお母さんたちの気持ちを大切にしてくれた点が嬉しいですね。

「アイクレオ 赤ちゃんミルク」の正しい使い方

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では次に、授乳までの約10秒をご紹介します。

1、赤ちゃんミルクと消毒した哺乳瓶を準備
2、手を洗い、よく振ったあと、ストローのストッパー部分が隠れるようにさし込み、手前に少し戻して穴をふさぎます
3、ストローをまげて、赤ちゃんミルクを哺乳瓶に注ぎます
4、哺乳瓶に乳首を付けて、授乳スタート!

授乳までの時間が今までの約10~15分から約10秒になったという変化は大きいですね!

「アイクレオ 赤ちゃんミルク」使用上の注意点は?

注意点は、

・水などで希釈せずそのまま与える
・飲み残しは与えない
・開封後はすぐに飲ませる
・ミルクを飲む量はその都度加減する
・紙パックのまま、電子レンジには使用しない

などです。

栄養面や衛生面に関係するため、十分に注意して与えてください。

ベビーが試飲。3人のママやパパにインタビュー

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赤ちゃんの反応は?と言うと、やはりお母さんのお膝の上でご機嫌な様子の赤ちゃんが多かったです。ミルクが気になって手を出す赤ちゃんに「待ってねー!」とコミュニケーションが生まれたり。

また会場ではゴクゴク飲む赤ちゃんがほとんど。中には、口に含むけれど初めての味を受け付けない赤ちゃんもいましたが、“お腹がいっぱいだったから”や“いつもと違う哺乳瓶や乳首(ニップル)だったから”という理由も関係していたようです。

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ママたちの様子は、ストローをさし込む際に紙パックを押してしまい中身が少し飛び出たり、哺乳瓶に入れる際に泡が立つこともあったのが気になりましたが、少しのレクチャーで簡単に取り扱うことができていました。

試飲会終了後、3組のママやパパに感想をおうかがいしました。

【1人目】

―――液体ミルクはいつ知りましたか?
生まれる前は知りませんでした。ニュースで災害の時とかに使ったというのを見て、海外ではコレが主流なんだというふうに出ててそれで知りました。

―――周りのママと液体ミルクの話になったりはしますか?
やっぱり売っていないというのもあって、話題にのぼったことはありませんね。
知らないので、便利さとかもわからないし、こちらからも話すこともなかったですね。

―――今日参加されて、実際に手に取っていかがでしたか?
便利でしたね。
来週、飛行機での旅行に行くので、機内でさっそく使ってみたいと思いました。
機内で作るのは結構きついなと思っていたので間に合ってうれしいです。

―――普段は、粉ミルクですか?
混合です。
お出かけの時はミルクを使ってるので、荷物も減って助かります。

―――ミルクは決まったメーカーをお使いですか?
とくにこだわりはないです。
今はキューブ型のを使ってますが、何でも飲んでくれるので液体ミルクも大丈夫そう!

―――今日もたくさん飲まれましたか?
今日は、使い捨ての哺乳瓶で、乳首(ニップル)がいただいたやつだったのでちょっと違和感があったみたいで。
でも普段はアイクレオの粉も飲んだりしてるので、乳首部分さえいつものやつに変えれば飲んでくれそうな気はします。

―――ほかのママから、先ほど質問で「授乳室などで自販機で売って欲しい」というような意見が出ていましたが、何か要望とかありますか?
ん~……量ですかね。
今マックス飲めば200mlくらいなので、1本の125mlだと足りないし、2本にするには余っちゃうと思うので。
色んなサイズを出してもらえると、うれしいですね。

【2人目】

―――液体ミルクはご存知でしたか?
赤ちゃんが生まれる前からもメディアなどで存在は知っていました。

―――ママ友との会話には液体ミルクの話は出てきますか?
SNSでつながっているママ友などとは、ネットで情報を知って気になるね、便利だね~という話はしていました。

―――ミルクは普段ママが作りますか?
はい。ほとんど。

―――じゃぁ預けるときなどは、調乳は結構心配だったりしますか?
そうですね、メモリを少し超えちゃったとか、お湯の人肌の温かさが難しいとか。
でも、自分でもメモリ超えるとかはやりがちなので……。

その点、これはもう125mlって決まってるから間違えないし、あげやすいですね。

―――内容量はいかがですか?
この子の月例だと1本じゃ全然足りないですね。でも2本にするにしては多いのでもったいないなと思いました。

―――どういったシーンで使いたいと思われますか?
ちょうどもうすぐ旅行に行くので、その時に使えるなと思ってます。

【3人目】

―――調乳中というとどういった状況が多いですか?
基本的にキッチンまでは連れていって調乳はしないし、熱湯とか使うので目の前でミルクを作るってことは100%なかったですね。
やっぱり泣いてるのを「待っててね~」という感じですね。

―――じゃあやはり液体ミルクが登場したことで、これから変化すると思いますか?
それはもう違うと思います。
ただ、普段使いするには少しお値段が高いと思うんですけど、お出かけの時にはぜひ使ってみたいと思いますね。

―――お子さまは美味しそうに飲まれていましたね。
うちはどのメーカーでもわりと飲んでくれるので、今日も最初はゴクゴクいってました。
ただあまりお腹が空いてなかったので、残しちゃったんですが……。お腹がすいていたら絶対全部いけると思います。

―――これからの液体ミルクに期待することは何かありますか?
やっぱり粉ミルクだと荷物が多くなるので、液体ミルクだったら荷物が断然少なくなるというのが魅力的ですね。先ほどの液体ミルクの自動販売機を作る案は賛成です。ぜひ作って欲しいですね。

お値段に少し躊躇するという意見や量にもっとバリエーションが欲しいという意見、そして授乳室などに自動販売機を作って欲しいという意見など、さまざまでしたが皆さんそろって液体ミルクの使用には前向きでした。

実際に使用したママたちの声もどんどん取り入れていって欲しいですね。

乳児用液体ミルクプロジェクトの末永さんに聞く。プロジェクトのこれから

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「特集:液体ミルクを考える」の中で、以前、インタビューをさせていただいた乳児用液体ミルクプロジェクト代表理事の末永恵理さんにも、今回の販売スタートすることについてお話しをうかがいました。

液体ミルクが日本で普及するように、署名活動やロビー活動など尽力されてきた末永さん。今回の販売は、どういったお気持ちなのでしょうか。

―――「いよいよ」でしょうか「やっと」でしょうか……液体ミルクが日本のメーカーから、日本で販売されました。今の率直なお気持ちをお聞かせいただけますか。

本当に「いよいよ」という感じで、感慨深く思っています。
4年前に液体ミルクのオンライン署名を始めたときは、一人でお客さまセンターへ電話するよりは、友人分も集まれば良いかなという気軽な気持ちで始めたので、ここまで長く関わるとは思っていませんでした。

しかし署名の反響が大きく、またメーカーにとっても法的基準が無いことが大きなハードルになっていることを知り、誰もやる人が居ないとせっかく署名が集まったのに広まらず、そのまま何年も経ってしまうのはもったいないと、手探りですが推進活動を始めることにしました。

署名に集まったひとりひとりの声が署名の数として可視化され、SNSやメディアで取り上げて広がることで、国とメーカーを動かしてくれたと思います。

これまで応援してくださった皆さんにお礼を申し上げたいと思います。

―――法改正があり、日本での製造が発表されるなど2018年は液体ミルクについての動きが活発だったと思います。お話を聞かせていただいた昨年から今までの、プロジェクトの活動経過についてお聞かせください。
また、販売になったこれからのプロジェクトとしての役割の変化、新たな計画などがあれば教えていただきたいです。

熊本地震が起こった2016年からは、液体ミルクに関する認知が広がったこともあり、「まずは液体ミルクの製造基準を作って欲しい」という国へのロビー活動を中心にしてきましたが、2018年はその活動の成果が実った年でした。

その時点ではどの国産メーカーも、はっきりと参入を明言されていなかったので、海外からの輸入についても可能性を探ったりしていたのですが、9月には北海道地震があり、東京都が被災地に差し入れたフィンランド製の液体ミルクが使われなかった事例もあり、どういうものだか知られていない状態では、なかなか非常時に使えないのだなと改めて分かりました。

11月にグリコさんが上市予定の発表を出され、その反応の大きさに国産でだれもが知っているブランドから出ることの安心感を改めて感じました。

そして、いよいよ日本初の発売となりましたが、まだ液体ミルクの製品性や使い方が充分周知されているとは言えない状況です。

例えば、液体ミルクは常温のまま温めずに飲ませても大丈夫なのですが、「ミルクは人肌」というイメージが強いため、そのあたりも世間に浸透していく必要があります。

また、保存料は使わず、超高温で滅菌して保存性を高めていることももっと知られて良いと思います。

せっかくの良い製品がうまく定着できるよう、もう少しだけ活動を続けていきたいと考えています。

―――液体ミルクのさらなる普及、そして定着のために活動を継続されるということ。引き続き、注目させていただきたいと思います!

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今回の体験会では、実際に授乳中のママパパたちがミルクの準備から授乳を体験されました。

その時に印象的だったのが、お母さんのミルク準備の様子をひざの上で赤ちゃんが笑いながら見上げていたシーンでした。

泣かせながら待ってもらうのが当たり前だった調乳作業は、激変しそうです!

災害時や緊急時はもちろんですが、外出時、夜間の授乳など育児の負担軽減や、パパや祖父母に預けるときなどこれから乳児用液体ミルクがどれだけ普及していくかがとても楽しみです。

(記事の中のお写真は全て掲載ご了承済みです。)

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取材・文/木村一実