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1歳半~2歳半がわかれ道! 専門家に聞く、むし歯菌を攻撃する「オーバルゲン」とは?

2019.04.16

子どものむし歯というと、過敏になっているママも多いのではないでしょうか。

今回、「オーバルゲン」という成分が何やらむし歯に良い効果を出してくれると聞きつけ、雪印ビーンスタークの山村研究員にお話しをうかがってきました。

毎日気を付けてはいるものの、ママたちの悩みのタネである子どものむし歯。

オーバルゲンにはどんな働きがあるの? そもそもオーバルゲンって何? をお届けします。

オーバルゲンとは? どんな働きをするの?

歯ブラシ

――オーバルゲンという成分はあまり聞き慣れないのですが、簡単に言うと何でしょうか?

オーバルゲンは“食べられる抗体”と言われています。

抗体とは“カラダを守る働きを持つもの”。つまりオーバルゲンはむし歯の原因菌であるミュータンス菌から“歯を守ってくれるもの”とも言えます。

母乳は抗体を子どもに渡すことができるものとして知られていますが、ニワトリも卵に抗体を渡すという同じ働きがあります。

ニワトリの体内に病原菌の酵素を入れることで抗体を作ることができ、そのニワトリが産んだ卵には抗体が含まれるという仕組みです。

オーバルゲンはその卵の卵黄を粉末にしたもの……食べられる抗体ということなんです。

――では、オーバルゲンの働きとはどういったものでしょうか。

オーバルゲンは、ミュータンス菌の働きをおさえてくれます。

歯の表面に付着するミュータンス菌は“プラーク”という細菌のかたまりを作ります。

歯と歯ぐきの間にできる歯周ポケットは、そのプラークによって菌が増えやすい環境になってしまいますが、そこでオーバルゲンの登場です!

オーバルゲンに含まれる抗体が、ミュータンス菌を減らしてプラークが作られるのをおさえてくれるというわけです。

「1歳半~2歳半、そこを乗り越えるだけでも違います! 」

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お答えいただいた雪印ビーンスターク 山村淳一氏

――オーバルゲンには種類があるんですね。

オーバルゲンにはDCやPGといった種類があります。PGは歯周病に効果があり、むし歯に効くのはオーバルゲンDCです。

タンパク質の一種なので、熱に弱く胃や腸で消化されるという欠点はありますが、錠剤にするときは熱を加えずに製品化できるので生の抗体が入ったまま食べることができるというメリットがあるんですよ。

――お腹の中ではなく、口の中で効果が出るんですね。

口の中というのはタンパク質を分解する消化酵素がないので効果を発揮してくれます。

さらに、だ液と混ざると抗体が活性を持つようになって口の中にいるむし歯菌に結合し、その働きを弱めるというわけです。

――特に効果の出やすい時期などはありますか?

小児歯科の領域では、むし歯菌に感染しやすい時期というのがあって、それが1歳半から2歳半という1年間なんです。

これは、奥歯が生え始める時期なんですね。また、しっかりと咀嚼ができるようになってくる時期でもあります。奥歯の作りというのはギザギザしていて複雑な分、やはりむし歯ができやすくなるんですね。

そこさえ、というわけではありませんが、1年間で歯磨き習慣を付けてその期間を乗り切るだけでもその後の人生が違ってくると言っても過言ではありません!

――それは、重要な時期ですね。 では、一生のうちにむし歯にならない人はいますか?

います! 現に増えています。

6~7年に一度、国が調査をしてるのですが、30~40年前というと調査対象の約8割はむし歯だったんです。しかし最近の調査では、15歳でむし歯が全くないという方が半分もいるんです。

その背景には、歯磨き習慣の広まりのほかにもフッ素入りの歯磨きの普及が関係していると思います。

――じゃあ、近い将来むし歯ゼロの時代がやってくるのでしょうか。

そうです。 私たちはまさにそれを目指しています。

一番感染しやすい1年間を乗り越えれば、ほかの善玉菌が口に住みつくのでミュータンス菌が入ってきてもなかなか定着できなくなります。

3歳くらいまでにむし歯がなければその後の人生でもむし歯になる確率が低くなる、と言われるのはそのためです。

――親が知っているか知らないかというのは大きいですね。

そうなんですよ、うちの子にはまだ早いではなくて、頑張らなきゃいけない時期というのが分かってきているので、ぜひ頑張って欲しいですね。

オーバルゲンDCを毎日摂り入れる

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――雪印ビーンスタークのタブレットにはオーバルゲンDCが配合されているんですね。

ハキラは日本で初めて、そして現在も唯一オーバルゲンDCを配合しています。

オーラルケア商品にはキシリトールや乳酸菌配合など色々ありますが、オーバルゲンDCの特徴はむし歯菌であるミュータンス菌だけを狙い撃ちしてくれるところが特徴です。メカニズムが明解なんです。

――ミュータンス菌を除去してくれるということですか?

まずは働きを抑えて、最終的には除去することが目的です。
こまかく言うと、むし歯ができるときミュータンス菌はエナメル質にガチャッと足場を作って接着するのですが、オーバルゲンDCはその接着を邪魔します。そしてどんどんミュータンス菌が付かないようになってきて、だんだんと減ってくるというわけです。

――オーバルゲンを摂取する場合は歯ブラシの前後だと後の方が効果的ですか?

歯科の先生はそう言いますね。むし歯菌が付いてプラークができてくるとオーバルゲンが奥に入り込むことができないので歯ブラシは欠かせません。ブラシでむし歯菌などの汚れを取り除いてからオーバルゲンを摂る方が良いと思います。

――形状にも特徴がありますね。

誤嚥防止のためのドーナツ型ですね、これは小児科医からの助言もありこの形状になりました。

パッケージの注意事項には、小さく割ってから食べさせてくださいと書いてありますが、噛んだり割ったりすることで効果が変わることはありません。

なるべく長い時間、口の中にキープすることをおすすめしています。

――オーバルゲン自体、味はあるんですか?

あります。卵黄なのでカスタードとかカステラみたいな、おいしい味ですね。

タブレットにすると、カタチを作るためにマルチトールとかキシリトールなどの甘味が入っているので、さらにお菓子っぽい味になりますね。

――オーバルゲンは、歯磨きと一緒で毎日続けないと意味がないものですか?

一日置きで食べるなどの試験をしたわけではないのですが、メカニズムを考えると「食べることで口の中は汚れるので、歯磨きをしてオーバルゲンを摂る」というサイクルを毎回した方が効果は出やすいと思います。

大人も一緒に口腔ケアするのがおすすめ

ケア

――1歳半からオーラルケアが有効だということですが、大人もケアするべきでしょうか。

年代にも違いはなく、お母さんお父さんもぜひ一緒にケアするのがおすすめです。ほかには妊婦さんなどもホルモンの影響で歯ぐきが弱ってくることもあるらしいので、ケアするのはおすすめですね。

ひとつ気を付けて欲しいのは、オーバルゲンは卵黄を使った成分ですので、卵アレルギーの方には注意していただきたいです。

――むし歯というと甘いものが思いつくんですが、気を付ける食べ物は甘いものだけで大丈夫でしょうか?

やはりミュータンス菌の一番のエサになるのが砂糖なので、まずは砂糖に気を付けることが大事ですね。

あとは、酢も注意です。口の中が酸性になるので歯が削れやすくなります。あとはでんぷん質や歯にくっつきやすいものなども注意ですね。

また歯科医が書いた論文で面白いのがあって、人類は砂糖を食べ始めてからむし歯が広まったというものがあります。穀物だけを食べていたときはそうじゃなかったらしく、サトウキビとかてん菜糖などを食べ始めてからむし歯が広まったそうです。

――化石などから分かるんでしょうか! 面白いですね。やっぱり砂糖には注意が必要ですね。

あとは、果汁やイオン飲料にも糖分が多いので注意ですね。脱水など必要なときには重要ですが、注意したい飲み物です。

余談ですが、だ液のpHの調査から、だ液は実は歯の衛生にとって大事なものだということがわかりました。

一般的に、食事を摂ると一度口の中が酸性に偏るんです。それはむし歯菌の喜ぶ状態なんですね。

でも、だ液が出ることで口の中は中性に戻っていくことが分かりました。

だ液には抗菌成分が入っていることもあり、実際、常にだ液に満たされた状態の下の歯の方が、そうでない上の歯よりもむし歯になる割合が低いと言われているんですよ。

――だ液がそんな役割を! 子どもは寝てるときなんかには口を開けて、朝になると乾燥していることもあるので気を付けたいです!

ケア

――最近は「大人と同じお箸やスプーンは使わない」「食べ物をふ~ふ~しない! 」というのはもはや常識になっていて、大人からの感染でむし歯になるということはだいぶ周知されてきていると思います。

大人からのむし歯菌が感染しなければ、子どものむし歯は防ぐことができるということでしょうか?

子どもの口の中には、むし歯菌はいません。

そして、「むし歯菌」と甘いものなどの「エサとなる食べ物」の両方がなければむし歯にはなりません。

極端に言えば砂糖をいくら食べてもむし歯菌がいなければむし歯にはなりませんし、むし歯菌がいてもうまくブラッシングができていれば、同じくむし歯にはなりません。

注意したいのは感染は大人からだけではなく、同じおもちゃを共有したり同じスプーンを共有することでお友達からの感染もあり得ることですね。

――保育園など目の届かないところでもあり得るということですね。……ということは、やはりしっかりとブラッシングをすることが重要ですね。

最後に、磨き方で大切なことがあれば教えてください。

歯医者さんに行って検査用のラムネを使ったりして磨きムラを見てもらうのは良いかもしれませんね。

利き手の外側ばかりを磨いてしまう傾向があるので、仕上げ磨きの時には利き手の内側を意識したり、また、利き手とは反対側を注意して磨いてあげると良いでしょう。

あとは鉛筆持ちでコントロール良く、軽めに磨くのがポイントですね。

歯のケアは早すぎるということはありません!

ブラッシングしたりオーバルゲンを摂るなどして子どもたちに歯をキレイにする習慣をぜひ付けてあげて、世の中からむし歯をなくしてしまいましょう。

歯ブラシ

歯は一本でも欠けると、食べるのが不自由になる、見た目に影響する、うまく発音できなくなる、骨格や姿勢が悪くなるなどたくさんの支障が出てきます。

分かれ道の1年間はママやパパにとっても大変ではあると思いますが、できるだけ意識することで子どもたちの未来に良い歯をプレゼントしてあげたいですね。

取材・文◯木村一実