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【現役保育士・てぃ先生スペシャルインタビュー後編】「子どものしあわせと同じくらい、自分のしあわせを考えて」

2019.04.13
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4月18日に発売される新刊『きょう、ほいくえんでね…!!』発売を記念し、スペシャルインタビューをお届けしています。(前編はこちら
後編では、ママ・パパが保育園に預けるときの気持ちのやり場や、保育士という仕事の現状について伺いました。

子どもには「楽しそうに働く親の姿」を見せてあげたい

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———今の季節、子どもを保育園に預けることに罪悪感を覚えて、辛い気持ちで過ごしているママたちも少なくないと思うんです。

お子さんは大切ですし、我が子ですからお気持ちはわかります。
でもね、これだけははっきり言えるのですが、『預けられてかわいそう』と感じている子はいないんです。
保育士は、『保育』のプロです。ただ預けるというのではなく、自分ひとりや家庭内だけではできないような、より良く育てる場に子どもを任せる、一緒に育ててもらうという気持ちになってみるのはどうでしょう。

パパ、ママだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんなど、いろんなひとが育児の関わる中で、保育士も同じひとつのサークルに入って、一緒に育児をしていると思ってもらえたらうれしいですね。

親はどうしても、『まずは我が子のために』と考えると思うんです。
もちろんお子さんは大切です。でも、それと同じくらい親御さんの人生も大切だと僕は思います。
子どものためを思う気持ちはすばらしいことですが、そのせいでパパ・ママが犠牲にならないでと伝えたい。自分自身のしあわせ、ハッピーになる気持ちを大事にして欲しいと思います。
自分に余裕がなくなって、育児ノイローゼになったり、パパとしなくていい喧嘩をしてしまったり……それは悲しいことです。

なんだったら、子どもよりもまず、自分がしあわせかどうかを考えるくらいでもいいのかもしれません。親がしあわせになって、そのしあわせを子どもにプレゼントする、わけてあげるくらいのイメージでいるほうが、うまくいくんじゃないでしょうか。
子どもも、親がしあわせそうだったり、楽しそうにお仕事をしていたら、きっとうれしいですよね。

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———その言葉は、保育園に預けていることを罪悪感に感じているママたちにとって光が差しそうですね。
先生は、保育士としての毎日に、やりがいをどんなところに感じているのですか?

よく、保育士のやりがいは子どもの成長……なんて聞きますが、もちろんそれもありますが、毎日の小さな積み重ねがやりがいにつながっている気がします。パパ、ママと変わらないんじゃないでしょうか。
日々の子どもたちとの関わりで、うれしいことや面白いエピソードがあったり、あの子はこうだけどこの子はこんなふうに接したらうまくいくとか、昨日と今日とでは同じやり方でいかなかったり、試行錯誤しています。
20人クラスなら20通りの子どもの個性があって、毎日がパズルみたい。それがスパッとはまると、やったー!ってなりますね。それをまた、まわりの職員たちと共有しながら、小さなやりがいを重ねています。

手づくりの愛情より、保育そのものに時間をかけられる現場改革を

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———保育士、というと待遇面などいろいろとニュースにのぼることも多い昨今ですが、てぃ先生はどうお考えですか?

問題はいろいろあると思います。でも、ただお給料をバーンとあげたら解決するかといわれたら、そうではないと思うんです。
僕が考えたいのは、仕事量の見直しです。
手作りのお誕生日カードや、色画用紙でかわいく飾る壁面構成(※)、古いフォーマットのままの書類、お遊戯会の手づくり衣装など、本当に今、それが必要なのかな?と見直すときに来ている気がします。
時間や保育士の数にゆとりがあって、余裕があるからこんなのを手づくりにしてみよう!なら、すばらしいと思うんです。
もし、お誕生日カードが市販のもので、そこに先生たちが寄せ書きをしたものだったら、愛情不足になるんでしょうか? 壁面構成がカラーコピーになったらどうでしょうか。パソコンやプリンターがない時代の昔の流れがそのまま残っていたり、まだまだ現場で使いこなせる人が少ないことも、問題かもしれません。
手づくりの愛情もわかりますが、うまく使い分けながら、一番は保育そのものに時間を割けたほうが保育の質も変わってくる。そういうことに目を向けられたらいいですよね。

※保育士による室内を飾る絵や工作など。

———てぃ先生から読者のママ、パパたちへメッセージをお願いします。

先ほどの話と重なりますが、まずは本当に、ご自身の人生を大切にしてください!
「こんな叱り方しちゃったんです」「本当はもっとこうしたいのに」と悩むこともあるかと思います。でも、もっと良くしたい、こうしたいと思っている時点で、子どものことを心から考えているし、その時点で花マルです!
子どものことをきちんと考えているんだって自信をもってください。
今の自分の環境でベストを尽くせていたら、それでいいと思うんです。ダメな親なんてひとりもいないし、もし自分をそう思うのなら、その時点で誰かと比べているわけですから。

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———最後に、もうすぐ発売になる新刊『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』に込めた思いを聞かせてください。

育児をしている中で、イライラしたり、ストレスを感じたときにエピソードを読んで、「そういえば、うちの子もこんなかわいいところあるじゃん!」って思ってもらえたらうれしいです。さっきはこんなことでイライラしちゃったけど、でもこんないいところもあるよね、ということに気づいてもらえたら。
自分の子どものかわいいエピソードを探したくなるし、少し余裕があれば1行でもいいから書き留めておくようにしたら、いつか振り返ったときにいいかもしれませんね。

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4月18日発売!
『保育士てぃ先生のつぶやき日誌 きょう、ほいくえんでね…!!』(マガジンハウス刊)

★男の子(3歳)との会話―
園児「せんせい! そこで ころんだこがいた」
先生「教えてくれてありがとう。どの子?」
園児「…ぼく…」

子どもたちの素直で笑っちゃうような会話や、
成長や感性の豊かさにウルっとくるようなこと……
毎日、保育士のまわりで巻き起こる個性たっぷりのエピソードと、
てぃ先生の子育てワンポイントテクニックを一冊にまとめました!

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てぃ先生
関東の保育園に勤める男性保育士。子どもの日常をつぶやいたTwitterが好評を博し、フォロワー数は46万人を超える。Twitter原作のマンガ『てぃ先生』(KADOKAWA)シリーズは20万部を突破、著書である『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)は15万部を超える大人気作に。 現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」としても活動。名前の読み方は「T」先生。
撮影○森山祐子 取材・文○藤沢あかり