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「持続可能な社会を目指す」という考えを保育の現場に。国内唯一の保育園に見学へ行ってきました!

2019.05.31

突然ですが、皆さんは「SDGs」と言う言葉を知っていますか?
読み方は「エス ディー ジーズ」と読みます。

「持続可能な開発目標」の事を言い、Sustainable Development Goalsの略称で2016年から2030年までの国際目標です。SDGsは持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っていて、日本の企業でもSDGsを意識して積極的に関わる企業が多く存在しています。
ただ、日本での認知度はまだ低く、これから何処に、どのように参入していくかが課題ともなっています。

大手企業では積極的に取り組みが行われていますが、社会の認知度はまだまだ低いSDGs。

都内で目黒を中心に保育園を運営している、「アソシエ・インターナショナル」さんが、絵本ナビさんと共同して絵本を選書し、このSDGsを保育の現場に取り入れていると聞き、その様子を見学してきました。(なんと、日本の保育の現場でSDGsを取り入れているのは、アソシエさんだけだとか…)

柿の木坂

SDGsを担当しているのは、菊池あすか先生。アソシエに入社する前は、小学校の教員だったとのこと。主に低学年を担当することが多く、低学年で学んだことがその後の学力や生活力に大きくつながっていく姿に感動し、同時に幼児教育の在り方に興味を持ち、「これからの未来を担う子どもたちの手助けをしたい!そのためにもっと勉強をしたい!」その思いから今に至るそうです。

SDGsを保育の現場に取り入れて行くにはどうしたら良いのか悩んだ末に今回のような17のゴールの中の1つをテーマにした「絵本」を選び、子どもたちへ伝えていくことを考え出した菊池先生。絵本は絵本ナビさんと共同で選書しました。今回は2回目ということで、「子どもたちがどのような反応をしてくれるのかが気になる…」と不安と期待半分を持ちながら、保育室へ…。

菊池先生が、SDGsがどうしてこれからの未来に向けて大切なのか、「導入」の部分の話を始めると、今まで騒いでいた子どもたちが、真剣な表情で、絵に描かれている意味を一生懸命読み取って、自分の言葉で表現しようとしていました。

17のマークも子どもたちがわかりやすいように、「色・形」で構成されているので、字がわからなくても4・5歳の子は経験値も高いので図形を見て「こうじゃないか?」「あぁなんじゃないか?」と先生にダイレクトに質問をぶつけていたのが印象的でした。

写真2_紙芝居

子どもたちからの直球の意見を否定したり遮ったりすることなく、1つ1つ菊池先生が丁寧に受け止めることで、子どもたちは認められたことに対して満足感を抱き、マークと本当の意味を結びつけ、「(この先生から)学びたい!」と前向きな姿勢を見せていたのも印象的な姿でした。

私の横にいた子は、目標14の「海の豊かさを守ろう」のマークを見ながら先生が話していた海の魚や海を生活の拠点として生きる生物が、餌と間違えてゴミを食べてしまい、苦しむ姿を想像したのか、「かわいそう…」と悲しい顔をしながら先生のお話に更に耳を傾けて、どうしたら良いのかを考えようとする姿が見られました。
子どもは、自分が世界のどの位置に今現在いるのかわからない子が多いと思います。

だからこそ、自分が過ごしている世界では見えない姿・見えない場所・見えない現象に、教育者から少しのヒントを与えられることで、想像し、今いる環境に感謝をする。自ら体験して学ぶ。
大切なことですよね。

写真2_マーク

今回は、目標12「つくる責任・つかう責任」についてのワークショップでした。教材となる絵本では「水道の水」の出しっぱなしの例が挙げられていましたが、歯磨きをする時に「もったいない!」と大人が話しても、子どもは「どうしてもったいないの?」とその意味がわからないかもしれません。しかし、コップ18杯の水が無駄になると知ったらどうでしょうか?5歳になると数の概念がしっかりと分かります。1杯と18杯。どちらが多いのかもわかります。実際に「歯磨きの時に水を止めれば18杯のお水が節約できるよ。」と絵本を読み上げると、「え〜!もったいない!!」と四方八方から聞こえてきました。
これが、0歳〜2歳のクラスの子に対してSDGsの意味を伝えるとなるとその意味を感じ取ることは難しいかもしれません。年齢に合わせた教育・環境を用意し、無理なく進めていくことが、子どものやる気を引き出すことに繋がるんですよね。

写真3_絵本 水道の水

その他にも、紙の使い方・電気の使い方、空き箱の使い方…など、目標12の「つくる責任・つかう責任」を達成するために大切なことが、子どもたちは絵本を通してしっかりと意識できたようです。
(余談ですが、保育園には家庭から不要な箱や牛乳パックなどの廃材をあつめるリサイクルボックスが用意してありました。きちんと絵本と連携しているところがまた、素晴らしいですね。)

ワークショップが30分をかけて終了すると、認定証が一人ひとりに配られました。

写真4_認定証画像

認定証の裏には17のマークが書かれています。認定証をもらうと早速じっくりと見入っていました。SDGsを知った子どもたちは、町や買い物に出かけた時などに自らこのマークを見つけたり探したりするのでしょうね。

保育室には、絵本ナビさんに監修された「こどもえほんだなSDGsセレクト」が設置されています。本棚にはSDGsのマークがついた絵本が並んでいました。認定証を見ながら「このマークは、こういう意味があるんだ…」と子どもが学びながら読む姿を想像すると、「絵本は子どもの教科書」と言う本来の意味も同時に学ぶことができるような気がしました。

写真5(絵本背表紙)

今後の抱負を菊池先生に伺ってみると、栄養士さんとも共同に考えて「食育」を通してSDGsを学べるようにしていきたいと話していました。1年をかけて各園を周りテーマに合わせて複数のワークショップを行うそうです。SDGsという言葉と意味を浸透させてほしいですね。
そして、子どもだけでなく、保護者の皆さまや保育士さんにもこのSDGsの目標の意味をしっかりと理解していただき、世界共通の17の目標を意識しながら保育をしていくことが、子どもの育ちを左右させていくことも感じました。アソシエのSDGsの視点を取り入れたワークショップや食育は、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」に合致します。未来の担い手である子どもたちに、地球人として大切なマインドを育てていく。それが行動となり、やがて持続可能な社会の担い手となる。子どもたちと共に過ごす時間の中で、大切なことを丁寧に伝えていく。日本だけでなく、世界を視野に入れた保育観を持つことが、子どもの多様性を更に育てるような気がします。

HANAKOママWEBをご覧になっている方々も、是非これを機会に「SDGs」について興味を持っていただけると幸いです。

http://www.associe-international.co.jp/recruit/blog/

kawanishi_keito

河西景翔(かわにし けいと)さん・子育てアドバイザー
小学生の頃から保育士を目指し、中学から保育園でのボランティア活動を通して、日本音楽学校に入学し、保育士・幼稚園の資格を取得。平成14~26年まで、保育士・幼稚園教諭として現場で働く。
現在は、セミナーを開催したり、ウェブマガジン・ブログを通し、子育てに悩むママに向けて、子育てに関する情報を発信。「子育て中のママと、共に悩みながら最良の道を切り開く」を念頭において、日々奮闘中。