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カリスマ塾講師に聞く!中学受験をさせるなら、覚悟を決めて。今から知っておきたい中学受験のイロハ

2019.06.12

第1回 中学受験の現状

中学受験

今からでも中学受験についてアンテナを張っておこう

ハナコママ読者のみなさん、こんにちは。このコラムを読んでくださっている方の多くは保育園ママかと思いますので、中学受験というよりは、小学校のことほうが目下の関心事なのかもしれませんね。でも、中学校受験をするとしたら、受験塾の入塾は3年生の2月が最適と言われています。もちろんその前から準備しておくご家庭も少なくありませんし、案外あっという間にその時は来てしまいます。

今から少しずつでも「中学受験ってどんなものかな?」とアンテナを張って、ぜひ選択肢を広く持ってもらえたら嬉しいです。

私は、25年以上にわたって、塾講師として高校受験・中学受験の指導を行ってきました。御三家と呼ばれる学校にも多くの合格者を出してきた実績はありますが、合格が全てではなく、「受験を通してより豊かな人生を生きる力を身につける」ことを目標として、お子さま一人ひとりに合った理想の教育を心がけてきました。

こうした経験をもとに、中学受験とは何か、子どもの将来のために親は何をするべきかといったことをお話ししていきたいと思います。

中学受験者数の割合は上昇傾向に

さっそくですが、中学受験をする子どもの数は増えているのでしょうか。
文部科学省の平成30年度学校統計揺籃によると、私立中学に進学した全国の子どもの数は、2015年から2017年の3年間、ほぼ8万人の横ばい状態。しかし、子どもの数は減っていますから、中学受験率自体は上がっています。

以下は、森上教育研究所が2018年4月20日に発表したもの(https://www.inter-edu.com/article/morigami/morigami_180420/)で、首都圏の小学6年生100人のうち、何人が受験をしたかを示しています。これによると、中学受験者数は2008年をピークに下がり始めています。2008年といえば、リーマンショックがあった年。経済不安から、中学受験率が大きく低下したと思われます。

しかし、2015年から増加に転じて、2019年には約14%の子どもが中学受験をしていることがわかります。14%というと、30人クラスで4人ですが、東京23区に限ると、この比率が逆転し、8割以上の子が受験をするという学校も少なくありません。入試のある2月はもちろん、1月も、受験を控えている子は登校しなくなり、学校に来ているのは受験をしない数人だけ、という学校もざらにあると聞きます。

グラフ

ICT、英語教育など、未来志向の教育が私立校の人気を後押し

今、景気は回復傾向にあると言われていますが、終身雇用や年功序列がくずれ、年金もあてにならない。近い将来には、AIに仕事を奪われるかもしれないという不安もあり、多くの人が、経済不安を抱えているはずです。それなのになぜ、中学受験熱は再び高まっているのでしょうか。

子どもに中学受験させる理由は、公立校よりも教育の質がいい、学校ごとに教育理念がしっかりしている、子どもの個性を伸ばしてくれる、施設・設備が充実しているなどが、これまでの定番でした。
しかし最近では、上記に加え、タブレットや電子黒板などICTを活用した授業の充実、英語教育や留学制度の充実、アクティブラーニングなど時代のニーズに対応した新しい授業を採り入れているなどを挙げる人も増えています。

将来の先行きが不安だからこそ、思考力、判断力、表現力といった、「新しい時代を生き抜く力」や、ICT、英語教育に力を入れている私立中学の人気が高まっているのです。

中学受験をさせるなら、覚悟を決めて

ただ、いくら人気だからといって、安易に中学受験を選択するのはおススメしません。
中学受験をすると決めたら、3年間という長い期間、合格に向けて勉強をしなければなりません。小さな子どもにとって、3年間の受験勉強は決して楽なものではありません。正直言って、12歳の子どもがやりきる課題としてはかなりハードなものです。また、その間の塾の費用も年間60万~100万円と高額です。しかも、ひとたび中学受験をすると決めたら、「みんなに言ってしまった手前、カッコ悪い」「ここまでお金をつぎ込んだのだから」などの理由から、簡単にはやめられないものです。

私は、「中学受験は親子でできる最後の共同作業」と考えています。ハードな受験勉強だからこそ、どう乗り越えていくのか、親が、塾がどうサポートするのかが大切です。

目標を見誤らず、正しいやり方をすれば、必ず親子にとって大きな成長をさせてくれるのが中学受験です。

「中学受験は、時間とお金の無駄だった」と後悔しないためにも、最初の心構えが肝心です。次回はそのことについて、お話ししたいと思います。

小澤珠美さん

小澤珠美さん

学生時代に元文部科学大臣・下村博文氏が主宰する学習塾で、アルバイトで塾講師を始める。大学卒後、15年大手進学塾、株式会社早稲田アカデミーで高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、女子の算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2010年に独立し、2013年に市ヶ谷に移転。2018年春より、働くパパ・ママを応援するため民間学童保育・放課後スクールMOCOPLA(モコプラ)を四谷に開設。2019年春、自立を育む学びの場(学習塾、プログラミング教室、アルゴクラブ、英会話)C redo久が原オープン。また一般社団法人 日本青少年育成協会認定 準上級教育コーチ・PM級トレーナーとして、パパ・ママの笑顔、その先にある子どもたちの笑顔を支援するため、教育コーチングをベースにした「子育てセミナー」「ワークショップ」などを開催。また公立・私立中学校PTA、地方教育委員会、新宿区男女共同参画課等から保護者向けコーチングセミナーを受託。

著書:中学受験超成功法『ママは楽しく息を抜く』(ギャラクシーブックス)
共著:『輝く女性起業家16人:未来を創る~私たちが選んだ道』(カナリアコミュニケーションズ)

取材・構成○石井栄子