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【桜蔭中学・合格ママの体験記】受験生は8時に寝てはダメ?自分の甘さを認識した保護者面談

2019.06.14

この連載は…
娘が、女子御三家と言われる名門私立中学・桜蔭に合格したママの体験記です。当初は中学受験なんてまったく視野に入っていなかった親子が、なぜ最難関に挑戦するにいたったのか。その軌跡をたどります。


眠る

8時に寝てはダメですか?

お受験とはほど遠い、ほのぼのした低学年クラスでの授業が終わり、いよいよ4年生に。学年は上がったものの、「受験」というのを娘はイマイチわかっていませんでした。「受験」という言葉と「試験を受けて公立中学には行かないで遠い学校へ行く」という知識くらいしかなく、のんきなのは変わりませんでした。けれども3年通った塾に愛着があり、「辞める」という選択はまったく考えていないようでした。

私自身は、大変なことになりそうだとは思いながら、往生際が悪く「まだどうなるかわからない」と考えていました。「一旦塾を辞めて、6年になって『やっぱり受験したい!』と言い出したら困る」という消極的な理由で続行することにしました。

それまで国語と算数の2教科でしたが、4年生からは理社も加わりました。先生も女性の先生一人で教えていましたが、それぞれ専任の先生が担当し、全員男性の先生になりました。

教室も20人ほどの子どもたちが一人ずつ机と椅子にすわって、前にある白板を見ながら授業を受けるという、学校と同じ形式に変わりました。算数国語と受けてから、最後の時間に社会か理科を1時間と合計3時間受けます。時間も遅くなり、今までは6時には終わっていましたが、授業のある日は8時を過ぎました。

この「8時まで授業」というのがうちにとっては大問題。ハードルが高くて高くて。「続くのかな」と心配でした。

なぜなら、娘は一日を全力で過ごし、夜は夕食を食べたらスイッチが切れたように即寝るという子だったからです。しかも、外遊びが好きで、小さいころから日が暮れるまで遊んでいるのが定番。習い事があっても日が明るいうちは公園に行ってしまうほどで、帰ってきてから大急ぎでご飯を済ませ、8時にはバタンと寝るという生活でした。ひどい時はごはんを食べながら寝てしまうということも。エンジンが切れるとテコでも起きない、眠りの深い子でした。

案の定4年生の授業が始まってからは帰りに迎えに行くころには眠そうで、不機嫌。ブーブー言っているところお風呂を先に入れて、いったん目を覚まさせて、夕食。ごはんを食べたら即寝るという、塾のある日は、スーパーあわただしい日になりました。

慣れない生活に一学期の終わりには娘も私もヘロヘロ。
夏休み前にあった塾の保護者面談で先生に相談することにしました。

クラス担任の先生は、本校から来たベテランの算数のY先生。娘はそれまで算数が好きではありませんでしたが、Y先生になってから「算数が楽しい!」と言い出し、成績が上がっていきました。

Y先生は冗談を交えながらもわかりやすく、スピード感のある授業をされていて、ほかの子たちにも人気がありました。娘より2つ下の男の子がいらしたので、「お父さん」のような先生でした。親しみやすく安心感がありました。

私もそんなY先生だったので、初めての保護者面談でしたが、それほど緊張はしませんでした。保護者面談では、まず成績について説明されました。あのころ、娘の成績は中の上くらいだったと記憶しています。

「4年生の夏休みの終わりにクラス分けのテストをします。真面目に授業は受けていて、宿題もしっかりやっているので、テスト前にはむずかしい問題も含めて総復習して上のクラスを目指してみてください」というようなお話でした。「もう能力ごとのクラスに分かれるのか……。シビアだな」と思いながら、「はい、がんばるように言います」と答えました。それから「矛盾してるかな」と思いながら、「あの、8時より前に帰してもらえることはできませんか?」と聞きました。

先生は「???」という不可解な顔をされたので、焦った私は続けさまに「うちの子は8時に寝ないとダメなんです! 今までそういうサイクルでやってきたので無理なんです! なんとかなりませんか?!」と早口で言いました。先生は少し沈黙されてから「お母さん、8時に寝たい!という受験生は日本にはいませんよ」と静かにひと言。私は恥ずかしくなり、「受験とはそういうものなのか・・・・・・」と自分の甘さをはっきり認識したのでした。

つづく

葉月なつ
フリー編集者・ライター。空気を読みすぎて流されやすい、ブレブレな19歳の長女と、生まれた時から「俺は俺」という「俺道」を突き進むマイペースな12歳の長男を持つ2人の母。長女が3歳まで出版社勤務。0歳児から長女を保育園へ預けフルタイムで働いていたが、長女が精神的に不安定になり、長女が3歳になったときに退社。以後専業主婦となり、パート勤務のみで家中心の生活。家族の理解を得て、昨年フリー編集者・ライターとして再スタート。

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