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はじめての苦難。まさかつわりで手の甲に点滴を打つことになるとは…【初めて尽くしのドイツ生活】

2019.06.14

この連載は、

ひょんなことから、25歳にドイツで駐在妻となったゆとり世代の筆者が初めての結婚生活・妊娠・出産・子育てを、初めての海外生活で、泥臭く奮闘した「初めて尽くしのドイツ生活」を記した体験談。

リアルなドイツ生活や子育てについてはもちろんのこと、「優雅」と言われがちな駐在という立場にいる苦悩や、外から見た日本の「本当にこれでいいの?」と感じる疑問や違和感を綴ります!

子どもだけじゃない、自分のキャリアやライフスタイルを見る視野が1度でも広がり、1mmでも深まるきっかけになれば幸いです。


突然ですが、
みなさんは点滴を打ったことはありますか?

肘の内側に細い針を打ち、ポタポタとゆっくりと点滴が落ちていく記憶があるのですが、

まさかドイツに行って、
「あなたの血管見つけにくいわね」と、点滴を打たれるとは思いませんでした。
しかも、手の甲に。

【食べるものがない…つわり生活のはじまり】

ポテト

ドイツに渡り、悠々自適な新婚生活を始めよう!となんて思っていた矢先、
新しい命が宿ったことがわかった我が家は、
はじめての苦難にぶつかります。

それは、つわり。

はじめは温かい食べ物が受け付けられなくなり、湯気が立ち上り日本人の心とも言われる味噌汁の香りで吐き気をもよおします。

そして、ご飯を食べられなくなり、常にエネルギー切れ。主人を送り出した後は、ソファに横たわることしかできませんでした。トイレとソファの往復で、トイレとお友達に。

まずは食べられるものを。とも思いますが、悲しいかな、ここはドイツ。
Wurst(ソーセージ)もPommes(フライドポテト)はくどくて口に合わないし、「ごめん、晩御飯を買ってきてほしい…」と主人に頼んでみるものの、ドイツでテイクアウトできるものはDöner Kebab Teller (バターライスの上に、スライスされたケバブが乗ったトルコ料理)か、インドカレー、またはピザ。
美味しいはずなんです。でも、食べた後に吐き気がして、胃が消化し栄養にするまで至ってくれない。
日本食も手に入りますが、唐揚げや餃子などの揚げ物や胸焼けがするものばかり。日本のお惣菜屋さんが恋しい…。

ケバブ

唯一、食べられたのがスーパーで売っているカットパインでした。
「うさぎのほうが、よっぽどマシなご飯を食べているだろうな」とぼんやり思いながら、シャクシャクとパインを食べる妊婦。

これでは、まずい!と思い、
「口から栄養が取れないなら、直接体に入れれば良いのでは?」と冒頭の記憶にたどり着きます。

【予約が必須。ドイツの病院事情】

予約

幸いにも、駐在先のデュッセルドルフは日本人医師の内科や産婦人科があります。

ただ、日本とは違い「予約制」。
当日に連絡をしても、空いていなければ午後の時間を指定されたり、急でなければ明日でもいい?と聞かれることもあります。ここで「あっ、わかりました。明日でもいいです…」と日本的謙虚さを発揮してしまっては、後回しに。

さらに、「ドイツ語で予約ってどう取るのだろう?」という言語の問題も。
産婦人科へ検診の予約をした時は、受付が日本人の方だったので日本語で予約を取れましたが、今回予約を取る内科では、電話の向こうが日本人とは限りません。ドイツ語は諦め少ない英語ボキャブラリーを駆使して、電話をかけます。
(ちなみに、産婦人科は決まった曜日しか日本人医師が勤務しておらず、今回は緊急のため内科へ)

日本人医師にかかる患者は日本人が多いこともあり、有難いことに受付の人も日本人対応に慣れています。いち早くこの辛い状態から解放されたい一心で「予約を取りたい」と英語で伝えると、「何時なら空いている」と応答があり、詳細は直接医師に伝えることにして、予約完了。

【いざ病院へ】

ドイツ駐在_つわり

そこは白くて清潔感のある診察室。デスクを挟んでわたしが椅子に腰掛けると「今日はどうしました?」と先生。

つわりで食事が取れないことを伝えると、
「いま何週?」
「6週です」
「あ〜あと4〜5週くらいは続くわね〜」と笑う先生。
「まだそんなに続くんですか?」と絶望的な気持ちに。

先生からの質問は続きます。
「いつこちらに来たんですか?」
「えっと、この間の春です」
「まだ来たばっかりね〜。えっと…年齢が25歳?!あらぁ、まだ若い。これからじゃないですか〜」
陽気な先生だなぁとぼんやりと思いつつ、少し気分が明るくなった気がします。

ゲッソリとしているわたしを見たからか、先生は「点滴を打ちましょうか。」と提案してくれ、「ぜひ!」と。

そして、よろよろと診察台に横になると、白いヒジャブを被ったムスリム看護師さんが近くに来ます。「おお、めちゃめちゃ美人さん」と思わず彫り深いお顔立ちの看護師さんに見惚れつつ、看護師さんはわたしの腕に駆血帯を巻きつけ、肘の内側から血管を探そうと試みます。

…なんだか、困った様子のムスリム看護師さん。すぐに先生を呼び戻します。

パタパタと音を立てて戻ってきた先生も左腕、右腕とわたしの血管を探すも
「あなたの血管見つけにくいわね。」と一言。手の甲に点滴を打つことに。

これが、普通なのかな?と思いつつ、のちに日本の病院で「わたしの血管って見つけにくいですか?」と聞くと「普通だと思いますよ?」と日本人看護師さんに言われたのは、先生には言わないでおこう。

必要なビタミン類やミネラルに加え、吐き気どめが混ざった点滴が体内へ。こうして、つわりが落ち着くまで、週2回の点滴生活をすることになりました。

陽気な先生や点滴生活に救われた妊娠期。
実はその裏には、あるトルコ系ドイツ人との「出会い」がわたしたち夫婦を支えてくれていました。

次回に続きます。

河井あやね

Hanako 新米ライター。国際色豊かな大学を卒業するも、在学中は留学せず、そのあと広告代理店に勤務。
25歳でドイツ駐在生活をスタートし、20代後半を国外で過ごす。本帰国後、ドイツと日本のギャップを感じつつ、それさえも楽しもう。をモットーに天真爛漫系2歳児(娘)を育児中。



第1回 25歳、新米駐在妻。陸の孤島で感じた孤独感
第2回 「主人からきたLINE」が決め手だった。ドイツ駐在についていくか、日本でキャリアを積むべきか。

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