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カリスマ塾講師に聞く!親の心構えが重要?!中学受験を選択するにあたり夫婦で考えるべきこと。【今から知っておきたい中学受験のイロハ】

2019.06.26

第2回 中学校受験をする親の心構え

家族

なぜ中学受験を選択するのか、ビジョンを明確に

公立よりも質の高い授業をしてくれるから、高校受験をしなくていいから、将来が不安だから、など、子どもに中学受験をさせようと考える理由は人それぞれだと思います。受験勉強をスタートするにあたり、ぜひ、ご家庭の軸となるものを共有しておきましょう。

中学受験をする理由、中学受験を通して子どもに何を学んでほしいのか、どんな成果を手に入れてほしいか、合格をゴールとするのではなく、その先の大学、就職、もっと先の人生まで考えて、明確なビジョンを描き、それを家族で共有してからスタートしてほしいと思います。

なぜなら、前回も書きましたが、中学受験に合格するためには、小学生の子どもにとって、かなりハードな課題をこなさなければなりません。最初のビジョンがしっかりしていないと、途中で勉強が嫌になったり、親のほうも、「この選択は間違っていたのだろうか」と悩むことになりかねないからです。

まずは夫婦で共話し合うこと

なぜ、わが子は中学受験をするのか。まずは夫婦で確認することをおすすめします。
最初から意見が同じというご家庭はむしろ少数派。意見が異なっても、諦めずに時間をかけて話し合いましょう。

中学受験で大変なのは子どもだけではありません。受験をするのは小学生なので、まだまだ親のサポートが必要です。それに費やす時間、精神的な負担、そしてお金もかかります。だからこそ、「何のために受験をするのか」という明確なビジョンが必要なのです。それがあれば、少々の困難があってもぶれることはありません。大人がぶれなければ子どももがんばれます。逆に、大人がぶれたのでは、子どもも力を発揮できないでしょう。

中学受験をする目的として、よくあるのが「将来ある程度のレベルの学校に進学させたいので、早くから受験対策をしてくれる中高一貫校に行かせたい」というもの。

しかし、大学合格が人生のゴールではありません。これからは、いい大学、いい会社に就職しても将来が安泰とは限らないというのはみなさんもお気づきのこと。大学よりももっと先の子どもの人生を考えたときに、どんな子どもになってほしいか考えてみましょう。そのためには、どんな学校がわが子にふさわしいか、わが家の教育方針と近いのか、という視点で、学校を探しましょう。

その軸がないと、ブランドや偏差値に振り回されてしまい、本当に子どもに合った選択ができません。実際、苦労して難関校に合格したものの、校風が会わず、保健室登校や不登校になってしまったという例は枚挙にいとまがありません。悩まれる場合は、ふり幅を大きく、いろいろな学校をご覧になることがおすすめです。

夫婦で決めたビジョンを子どもと共有する

夫婦で軸を決めたら、それを子どもとも共有しましょう。「お父さん、お母さんは、あなたの将来をこんな風に考えている。だから、いっしょにがんばろうね」と、子どもと話しましょう。この時点で、子どもがやる気になれないなら、無理強いすることはありません。時間を置いてもう一度話してもいいし、やはり中学受験はしない、という選択をしてもいいと思います。要は、家族全員が一致団結できるかどうかです。

考えてみれば、親子で何かに向かっていっしょにがんばる機会ってなかなかありません。もし、家族でしっかりビジョンを共有し、共通の目的に向かってともにがんばろうと思えるのなら、中学校受験は、親子の絆を深め、親子共々成長できる、最高の機会です。

中学受験をしている子をみて、「あんなに勉強をさせられてかわいそう」という人がいますが、本当にそうでしょうか。子どもたちは、中学受験を通じて、勉強だけでなく、さまざまなことを手に入れています。できなかったことができるようになる喜び、がんばれば到達できるんだという達成感、人とのつながりなど、得ているものも大きいのです。

中学受験を「ただ辛かった」思い出にしないために

ところで、「中学受験をして第一志望校に合格できなければ、地元の公立中学校に通わせばいい」とお考えの親御さんもいるかもしれません。が、私は、併願校も含めた受験計画をしっかり立てて、第一志望でなくても勉強をやりとおした成果としての合格を、一つでも手にすることをおすすめしてます。

というのは、「中学受験で失敗した」という挫折感は、親が思っている以上にお子さんの心にいつまでも残るからです。

私は多くの受験生をこれまで指導してきましたが、高校受験のときに今ひとつがんばれないお子さんは、かなりの確率で中学受験で失敗を経験している(もしくは失敗したと感じている)ことに気づきました。「どうせ私にはできない。あのとき(中学校受験)のときもだめだったから」というお子さんが少なくありません。

この子にとって、中学受験は「ただ辛かった」という記憶と、挫折感だけが残ってしまい、その後のチャレンジ精神まで奪ってしまったのです。

中学校受験で第一志望に合格できるのは、全体の20%程度と言われています。多くのお子さんは併願校(第二志望以下の学校)に進学するのが現状なのです。でも、そのことを、「ご縁のある学校に合格できたのだ」と前向きにとらえることで本人も楽しく通えるし、実際にそういうお子さんをたくさん見てきました。

仮に、併願校に合格したけれど公立校に進むという場合でも、合格した学校と公立校という選択肢があり、それを本人が選んだのと、「公立しかなくて公立」というのとでは雲泥の差があります。次の高校受験を想定した3年の過ごし方にも大きな影響を及ぼすでしょう。

では、次回は、私立中高一貫校にはどんな学校があるのか、公立の中高一貫校、最近人気が高まっている大学附属校についてお話ししようと思います。

小澤珠美さん

小澤珠美さん

学生時代に元文部科学大臣・下村博文氏が主宰する学習塾で、アルバイトで塾講師を始める。大学卒後、15年大手進学塾、株式会社早稲田アカデミーで高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、女子の算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2010年に独立し、2013年に市ヶ谷に移転。2018年春より、働くパパ・ママを応援するため民間学童保育・放課後スクールMOCOPLA(モコプラ)を四谷に開設。2019年春、自立を育む学びの場(学習塾、プログラミング教室、アルゴクラブ、英会話)Credo久が原オープン。また一般社団法人 日本青少年育成協会認定 準上級教育コーチ・PM級トレーナーとして、パパ・ママの笑顔、その先にある子どもたちの笑顔を支援するため、教育コーチングをベースにした「子育てセミナー」「ワークショップ」などを開催。また公立・私立中学校PTA、地方教育委員会、新宿区男女共同参画課等から保護者向けコーチングセミナーを受託。

著書:中学受験超成功法『ママは楽しく息を抜く』(ギャラクシーブックス)
共著:『輝く女性起業家16人:未来を創る~私たちが選んだ道』(カナリアコミュニケーションズ)

取材・構成○石井栄子