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「ドイツで産むか、日本で産むか」家族会議で決まった結果は…!?【初めて尽くしのドイツ生活】

2019.07.12

この連載は、

ひょんなことから、25歳にドイツで駐在妻となったゆとり世代の筆者が初めての結婚生活・妊娠・出産・子育てを、初めての海外生活で、泥臭く奮闘した「初めて尽くしのドイツ生活」を記した体験談。

リアルなドイツ生活や子育てについてはもちろんのこと、「優雅」と言われがちな駐在という立場にいる苦悩や、外から見た日本の「本当にこれでいいの?」と感じる疑問や違和感を綴ります!

子どもだけじゃない、自分のキャリアやライフスタイルを見る視野が1度でも広がり、1mmでも深まるきっかけになれば幸いです。


出産は一大イベント。日に日に大きくなるお腹と、エコー写真のわが子。
きたるXデーに向けて心の準備を整えて…とはいえ、初めてのお産となると、誰しも不安を抱えるものではないでしょうか?
どんなお産にしよう?どこの病院がいいの?産後はどうしたら?などなど、考えて決めることは山ほど。

わたしの場合は、まず「ドイツで産むか、日本で産むか」を決めるところからスタートしました。

【家族会議をはじめます】

家族会議

つわりが落ち着いた頃、家族会議が行われました。

議題『ドイツで産むべきか、日本で産むべきか』

主人「日本で産む方がいいんじゃないか?」
わたし「日本で産みたいです。」

家族会議、終了!カンカンカンカン(ゴングの鐘)

……
それだと、200字も満たさずにエッセイが終わってしまうので、詳細を記載します。

夫婦で一番大事にしていたのが、「不安を最小限にしたい」ということ。ドイツ語がわからないと困ったときに助けを求めにくくなるし、その反面、日本ではその心配はなし。
さらにメリットとして、産後に家族のサポートを受けられることも大きかったです。前々回でつわり生活についてお伝えしましたが、「頼れる身内がそばいにいない不安感」はストレスでした。
夫婦二人ですべてのアクシデントを対処しなければならず、片方が倒れると残った一人に負担がかかるのは想像に難くありません。実際に、わたしがつわりで主婦業を担えないとき、それを補うのは主人だけでした。仕事終わりに、妻の看病と家事を行います。
たまたま主人の仕事が繁忙期に入る前で比較的ゆとりがあったこと、理解ある上司Sさんのサポートのお蔭で乗り越えられました。
未経験の子育てをドイツで、夫婦二人だけでスタートすることは、安定した家族運営を危うくするのでは。と考えました。
…要は、自信がなかったのです。

ただ、日本で出産を決めると新たな問題と決めなければならない事案も生じます。
・分娩予約の為に、一時帰国が必須。
・妊娠34週までに帰国をしなければならない。
・そのための渡航費の負担。
・ビザを失効させないため、日本滞在は半年以内まで。
・主人の立ち会い出産がスケジュール上厳しくなる。
・生後何か月でドイツに戻るか?
・こどもと二人でドイツに帰ることになるのか?
・こどもとのドイツ生活をソフトランディングするには、何が必要か?

これらの問題は、ドイツで産んでいたらどうだったのでしょうか。

【ちなみにドイツで産むとこんな感じ】

ドイツ出産

ドイツで出産を経験した友人に、「ドイツで出産するってどうだった?」と聞く機会が多くあったのでご紹介します。

1.ドイツ語の問題
分娩予約の手続きや、医師からの重要な伝達事項等は日本人通訳さんを通して、やり取りをしていたそうです。
ただ、分娩室で陣痛が来て、お産の場面になるとドイツ人の医師と助産師さんと意思疎通を取らなければならず、特に助産師さんは英語が堪能ではないこともあり、ドイツ語オンリー。

2.出産方法
ドイツは無痛分娩を妊婦が選べる医療環境が整っており、メジャーなお産方法として捉えられているようです。というのも、友人が2人目、3人目をドイツで出産した際に「自然分娩が良い」と伝えたら、ドイツ人医師に大変驚かれたとか。
もちろん、お産の進み具合によっては医師の判断で、自然分娩に変更されるようです。

3.ドイツ産後の生活といえば「Hebamme」
ドイツでは、「産後は慣れ親しんだ自宅で、なるべく早く体を休めたほうがいい。病院よりリラックスできるでしょ?」という感覚が強く、産後は早ければ3日で退院をすることも。
なので、日本の病院で教えてもらう母乳育児や赤ちゃんのケア方法等は、退院後に「Hebamme(ヘバメ)」と呼ばれる助産師さんから教わり、自宅に来てサポートをしてくれます。産後すぐに、自宅に見知らぬ人が来るのはもしかしたら少しストレスになるのかもしれません。
ただ、はじめての育児を慣れない土地はじめる際に、赤ちゃんの状態確認や母乳や夜泣きのことなど、悩みを聞いてくれる存在が近くにいるのは心強いのでは。
最長8週間、36回までの来訪は、公的保険の範囲内なので、自己負担はゼロ。ちなみに、デュッセルドルフという土地柄、日本人Hebammeさんもいらっしゃいます。日本人のお母さんたちは、日本語または英語を話せる人を探してお願いしているようです。

4.ドイツの病院生活
病院生活で一番印象に残ってるエピソードのなかで、日本人お母さん方から聞くのが「なにかあったら、自分で助産師さんなり医師に主張しなければいけない」ということ。日本では、看護士さんが定期的に病室に来てくれ、体温を測ったり、「体調はどうですか?」と様子を聞きに来てくれます。その時に、要望や相談の話ができますが、ドイツでは聞きに来てくれることはなく、困ったり、してほしいことがあったりしたら自己申告。はじめは、とても戸惑うようです。

【立ち会い出産がしたい】

立会い出産

これらをふまえた上で、友人たちがドイツで産んでよかったと共通して答えた理由が、「旦那さんの立ち合いができたから」とのこと。
駐在家族の苦悩ではあるのですが、日本で産むことを選択すると、赤ちゃんとお父さんとの対面が遅くなるデメリットがあるのです。
航空会社の規定では、生後8日以降であれば赤ちゃんを飛行機に乗せることは可能ですが、なかなかそこに踏み切れないのが本音。せめて新生児期を過ぎてから…とわたしは考えていました。
でも、主人と一緒にお産を経験したい。という気持ちが残っていたわたしは、主人に伝えました。「無理だと思うけど、可能なら立ち会い出産したい」と。
そして、主人は例の上司のSさんに相談することに。

「妻が日本で出産をするので、立ち合い出産のために、2週間ほどお休みをいただきたいのですが…」
と、主人がSさんにたずねたところ、

「問題ないよ。了解。この時期だね。出張をいれないようにしておこう。ところで、あの件だけど…」とSさん。
あっさり立ち会い出産のための有給休暇の許可が下りたのだとか。

こうして、会社の方々のご理解のお蔭で、日本での出産にむけて準備を進めることができました。
分娩予約のための一時帰国も済ませ、里帰り出産までの期間、わたしはようやくドイツ生活に向き合う余裕ができてきました。

次回へ続きます。

河井あやね

Hanako 新米ライター。国際色豊かな大学を卒業するも、在学中は留学せず、そのあと広告代理店に勤務。
25歳でドイツ駐在生活をスタートし、20代後半を国外で過ごす。本帰国後、ドイツと日本のギャップを感じつつ、それさえも楽しもう。をモットーに天真爛漫系2歳児(娘)を育児中。



第1回 25歳、新米駐在妻。陸の孤島で感じた孤独感
第2回 「主人からきたLINE」が決め手だった。ドイツ駐在についていくか、日本でキャリアを積むべきか。
第3回 はじめての苦難。まさかつわりで手の甲に点滴を打つことになるとは…
第4回 「無理だ、外に行けない」薬すらもらいに行けない私。そこで夫の上司が言った言葉とは…?
第5回 「あなたの権利を尊重するから私の権利も尊重してね!」ドイツで学んだマインド

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