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【3歳からはじめる性教育⑥】小学校にあがる前に知っていてほしい防犯のこと

2019.09.10

そもそも、性教育の最終目的は「性犯罪から子どもを守ること」。

今は、保育園や幼稚園までママが送り迎えしていますが、小学生になると通学はもちろん、子どもだけの時間がぐーんと増え、一人の世界が広がります。

学童保育に入れなかったり、入れたとしても2、3年生になると嫌がったり。「◎◎ちゃんちに遊びに行く」「◎◎公園に行ってくる」といっても、「それどこ?」ということも少なくありません。

シリーズ最終回では、もっとも気になる”防犯”について、性教育アドバイザーののじまなみさんに伺いました。

のじまなみ

「子どもの行動範囲がどんどん広がっていくなかで、性教育は、子どもを安心して送り出すための親にとっての安心材料の1つでもあります。子どもたちは『これは危険なんだ』と教わっていればわかりますが、知らないと『ふーん』としか思わない。性教育は何かあったときに逃げる察知信号になるのです」

留守番や一人で遊ぶ時に身を守るお守りとして、知識を与えておくことが大事だとのじまさんはいいます。

ある学校で、学童から一人で帰っている女の子が、家の鍵を開けた瞬間、後をつけてきた男の人に、肩にポンと手を置かれて「触らせて」という事件がありました。

「それを知ったママ友が娘さんに、『もし知らない人から触らせてって言われたらどうする?』と質問したんです。そうしたら娘さんは『触らせればいいんじゃない?』と…。触らせることで、その後何をされるかわかっていない。そのお母さんは頭を抱えていました。その先にどういう未来があるのかイメージすることをさせておかないと、子どもたちは次に何が起こるかわからないんです。親としては、逃げて、何かあっても自分に相談してほしいじゃないですか。冷静に判断するためには、『こういうことがあるんだよ』と教えておけば、その後の対応ができるけれど、知らないと悲しい目に合うのは子どもたちなんです」

のじまさんの長女も、小学4年生のとき、塾に行く途中で露出狂に遭遇したといいます。

「小学校に入ると、市の防犯登録で近所の危険情報が送られてくるんですよ。『刃物男がきました』とか。それで、露出狂についても情報が入ってくるので『春になると脱ぎたい人が増えてくるんだよ。そういう人に”ちっちゃい”とか言ったらダメだよ、襲われるから。逃げるんだよー』って世間話のようにしています。なので露出狂の存在も当然知っています」

そのため、いざ会ったときも「あ、これは変質者だ!」とわかり、隣のスーパーに逃げ込んで、店員さんに「さっきそこの公園で露出狂が出ました。警察と、学校と、塾と、お母さんに電話をしてくれますか?」とお願いしたそう。

「もし、露出狂について知らなかったり、その対応を知らなかったら、逃げたまま、怖くて、また襲われたらどうしようと不安になる。それで塾にも行けなくなって、親にも言えず、『なんで塾に行かないの?』と怒られたり。普段から話ができれいれば、また出会ったらどうしようとか、名前を知られたらどうしようとか、怖がらずに対応ができます」

小学校になると防犯ベルも配布されますが、のじまさん曰く「基本的に防犯ベルはあまり役に立ちません。防犯ベルの電池交換している人をほとんど見たことない(苦笑)。だからいざというときは鳴らないし、学校では『逃げるときは荷物は置いて走りなさい』と教えているんです。でも、防犯ベルは普通ランドセルについている。つまりあれはお守りでしかないですよね」。

学校の行き帰りに限らず、一人でお出かけするときや遊びに行くとき、不審者にいつ会うかわかりません。

「子どもは第六感がすごく働きます。でも、それは『これはダメなことなんだ!』って知っているときだけ。そのためにも、今すぐ命の教育、身を守る教育、あななたちは素晴らしいんだよっていう教育を三位一体で始めてほしい。それが最終的に、性犯罪から自分を守ることにつながります」

性教育は、小学校、中学校、高校、その先もずーーっと子どもたちの財産になる、一生ものの教育。

のじまなみ

「性の話をするのは、すごく難しいと思います。でも、やってみて後悔したっていう人は一人もいません」

親子の会話を増やすためにも、子どもに愛情をいっぱい伝えるためにも、自分の身を守れる子になるためにも、何かあってから後悔するより、まず一歩踏み出してみてください!

のじまなみ
性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。性教育にオープンな父のもと、長崎県で生まれ育つ。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。子どもたちが危険な性の情報に簡単にアクセスできることに危機感を抱き、2016年、同協会を設立。年間5000人以上のママたちに性教育の大事さを伝える。著書『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)はベストセラーに。中1、小4、4歳の三姉妹の母。

とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会
https://pantsu-kyoshitsu.com
撮影○土佐麻理子 取材・構成○吉田理栄子