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おっとり男子の野球生活中学受験と少年野球はどこまで両立できるのか。【スポ少ってこんなです 9】

2019.08.08

この連載は…

子どもが大きくなったら参加させてみたいチームスポーツ。ここでは少年野球チームに所属している長男の日常を通して、活動や雰囲気、保護者の当番などについてお伝えしています。


どんどん強くなる。あと1勝で、リーグ3位!

野球

秋シーズンにはなかなか勝利できなかったチームが、じわじわと強くなってきたのはキュウヤ6年の春のことでした。

まずピッチャーが安定して速い球をビシビシ投げ込めるようになり、守備陣もがっちり守れるようになりました。バッティング強化のおかげで、ヒットを打つことも多くなり、チャンスに強いチームになってきました! 練習の成果と子どもたちの意欲が噛み合って、勝敗数で争う地区リーグでも、上位のポジションが狙えるようになってきたのは喜ばしいことです。

唯一気になるのは、先制点を取れない試合の時のメンタル。先に相手チームが得点を重ねると、突然しょんぼりしてしまって声が出なくなります。バッターボックスでは「打つぞ」という気迫が感じられず、守っていても、「もうダメ」感が漂います。そして流れのままに負けてしまう。高校野球みたいにピンチから「さよならホームラン」でドラマティックに勝利! なんてなかなかなないんですよね。

それでもシーズン後半、諦めずに強い相手に立ち向かい、1点でも勝ち取ろうという粘り強さが確実に育ってきました。強豪チームに奇跡的に勝利できれば次もぜったい勝ちたい!とモチベーションも上がります。

監督・コーチたちも熱心で、試合のある時の集合時間は朝6時台なんてこともよくありました。早朝から日がとっぷりと暮れるまで、大好きな野球を思う存分楽しめる幸せ。11歳前後の子どもたちの心と身体の成長は著しく、クタクタになって帰って来ても翌日はエネルギー満タンで、毎日元気いっぱいでした。

さて、気がつけばあと1勝で地区リーグで入賞!というところまできたキュウヤの所属チームですが、ここでシビアな問題に直面します。

それは「野球以外のすべてを捨てる覚悟」…というと大げさですが、週末は野球以外のことはほぼ何も出来ない生活についての悩みでした。

野球をやっている限り、リーグに参加しているチームの特に高学年は、他の習い事や家族とのお出かけを両立させるのは難しくなってきます。

キュウヤの周りでもスイミングや剣道、ピアノやボーイスカウトなどを卒業する子が増えていました。週末のキャンプや小旅行、夏休みの帰省も試合のスケジュールを考えた上でやめてしまう家庭も。

善し悪しはともかく、ひとつのことに集中して力を注ぐというのはそういうことなんだと思います。ただ葛藤があるのは確かです。

キュウヤの場合は、中学受験塾との両立についてでした。

進学したい私立中があり、4年生から大手塾のひとつ、日能研に通塾していたキュウヤ。授業は主に週3日、平日の放課後にあり、復習テストや模試は週末に行われていました。ただ日能研では週末のテストは平日の空いている日に振り替えることができ、なんとか続けてこられました。

キュウヤ自身も野球をやっているお陰かダラダラせず、隙間時間を使って学習してきたこと、目指す中学は御三家レベルの難関校ではなくその抑えになるくらいの偏差値の学校ということで、両立はそこまでキツくはなさそうでした。

しかし小5の冬に上位クラスに上がり、応用的な授業や、グループディスカッションのプログラムが追加されると、負担が一気に増えてきました。

大好きな野球を辞めることは考えられない。受験も諦めたくない…。

受験

キュウヤの意志は固かったので、私は塾のカリキュラム一覧を眺め、スタッフさんに相談しながら、授業やテストの参加・不参加を選択していきました。すべてのカリキュラムを受講するのは無理でした。この時、塾が状況を理解し、子どもの性格をわかった上で、柔軟に対応してくれたことはありがたかったです。

チームには同じように、ほかにも野球1本に絞れない子たちがいました。
「子どもは色々な経験を積んだ方がいい」という雰囲気があり、フル参加できないことに寛容なチームだったというのもありますが、それぞれ悩みながら子どもにとって一番いい方法を模索していました。例えば試合日とピアノの発表会が重なると試合の方を欠席したり、午前中は他のスポーツ試合に参加してから、午後野球の試合に駆け付ける選手もいました。

一方で「塾のスケジュール的に土日は休めない」「どちらも中途半端になるから集中したい」「体力的にキツい」などの理由で、中学受験や他の習い事に専念することを理由に、休部する子も何人か出てきました。

キュウヤもまた、振り替えの効かないカリキュラムの時は、試合後に早退したり、遅刻して合流するようになりました。

順番に試合に出られていた低学年の頃と違って、高学年は勝利のための野球という意味合いが大きくなります。9人しかないスタメン枠は、当然、監督が期待するプレーが出来る子から埋まって行きます。絶対外せないほどの力のある選手ならともかく、早朝から練習に参加していないキュウヤは、塾から駆けつけても試合には出られないこともありました。

「試合に出られなくてもいい。ベンチでも出来ることはたくさんある」。キュウヤは野球をプレーするだけでなく、見るのも応援するのも大好き。試合後のスコアも念入りに眺める子どもだったので、そういう考え方をしていたようです。

試合に出られなくてもそこは割り切る。参加している時は全力でプレーする。受験勉強の成績がふるわなかった時に、親子で野球を言い訳にしない!

終わってみればカッコイイことを書けますが、渦中にいる時は不安と心配でいてもたってもいられない日々でした。成績が安定していればいいのですが、ガクンと落ちたこともあります。それについてはまた後で書きたいと思います。

守備も低学年で練習してきたキャッチャーポジションからは外れ、ファーストを守るようになりました。指導者側にも葛藤があったと思います。子どもの意欲がある限り、野球を続けられるベストな方法を模索してくれた監督・コーチには感謝の念しかありません。

リーグ戦、最後の試合は惜しくも接戦でしたが勝利できず。3位のメダルを手にすることなく春が終わりました。最後の秋こそ! とさらなる練習に励むチームメイトが自主練に向かう姿を、少し寂しそうに見つめて、塾に向かうキュウヤ…。塾に勧められたカリキュラムを省いたように、少年野球生活も省かなければならない現実にやるせない気持ちにもなりました。子育てというものに、もし正解があるのなら、どちらかに集中させる方がいいのでしょう。

それでもできるところまで両立できるかどうか続けてみよう。
キュウヤがもう無理だ、辞めたいというまで。

6年生。天王山と言われる夏休み。30日間の夏期講習の間に設けられたわずか5日間のお盆休みに、ものすごく幸せそうな顔付きで、キュウヤはいそいそと野球の夏合宿に出かけて行きました。

タナカユミ
ハナコママではものぐさママとしてお馴染みのライター。数年前までインドア派でしたが、今は子どもの野球はもちろん、プロ野球、社会人野球、高校野球の応援にもウキウキと出かけて行きます。いつか行きたいMLB観戦!



第1回 「まさかうちの子が野球チームに…!?」
第2回 「応援のテンションにビックリ!」
第3回 「少年野球はお金がかかる!?…」
第4回 こんなにあるの、保護者の仕事。恐るべし「お茶当番」
第5回 「パンツ、空を飛ぶ!? わちゃわちゃな夏合宿」
第6回 夏休みが終わっても週末は1日中、野球漬け!
第7回 人気ポジションはどこ?ピッチャーが人気でキャッチャーは不人気? 選手のポジションの決まり方
第8回 親はちょっと大変?!野球だけじゃない。カレーパーティに夏祭り、楽しい行事盛りだくさん



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