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ゲームに夢中な子どもこそ!勉強好きになる可能性を秘めている!?

2019.08.16

夏休み真っ只中。クーラーの効いた部屋で子どもについついゲームをさせてしまいがち。「ゲームのやりすぎは、学力低下につながるのでは?大丈夫かしら?」と不安を抱えているママは多いのでは?

先日、2019年8月2日(金)に、NPO法人CANVASが株式会社ポケモンと、「夏休み、子どもとデジタルゲームの上手な付き合い方」をテーマとしたセミナーを開催しました。

登壇したのは、東京大学大学総合教育研究センターで「ゲームと教育」について研究している藤本徹先生と、東大生謎解きクリエイターの松丸亮吾さん。

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(左)藤本先生/(右)松丸さん

「家庭でデジタルゲームを遊ぶときのヒント」や「子どもの成長に役立つ遊び方のコツ」が紹介されました。

今回は、そのセミナーの内容からヒントになりそうなことをピックアップしてご紹介します。

■ゲームにはメリットがたくさん!?

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セミナーへ参加した親たちからは、我が子について「外遊びでなくゲームばかりしている」「最近友達とゲームをする機会が増えて、今後の時間の使い方が心配」など、不安の声が数多くあがっていました。

一見、不安ばかりが叫ばれるデジタルゲームですが、ゲームにはたくさんのメリットもあるとのこと。

藤本先生:ゲームには、友人や家族間で遊ぶ際にコミュ二ケーション力が向上し、癒しやストレス解消効果、学習面では学びの入り口にもなる、というメリットがあります。

松丸さん:「学びの入り口になる」はその通りだと思います。僕は昔、よくストラテジーゲーム(戦略や戦術を考え、勝利を導くシミュレーションゲームの中の1ジャンル)をやっていましたが、必勝法がないので、自分のやり方を考えなければならず、そこで自分でアイデアを出して考える力、作戦を断てる力が養われた感じがします。

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これは東大の数学の試験にも近いものがあります。東大の数学の試験は、教科書で学ぶ公式を使って解くものしか出ないものの、単純に解けるものではなく、複数の公式や解き方を組み合わせてみるなど細い糸を辿って解いていく、まさに発想力や自分で考える謎解き的な力が必要になるんです。ですのでゲームが得意な人は非常に有利な気がします。

■なぜ学校の勉強はつまらないの?

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ゲーム好きの子どもに「ゲームと勉強どっちが好き?」と聞けば、きっと「ゲーム!」と即答するのではないでしょうか。

なぜゲームは楽しくて、学校の勉強はつまらないのでしょうか?

藤本先生:ゲームにあって、古典的な学校の学習にはない決定的なものは、ずばり「ゲーム性」です。

ゲーム性とは、

1.達成感を演出する「ストーリーやゴール」
2.チャレンジや失敗を奨励する「ルール」設定
3.「フィードバック」が多いインタラクティブ性

この3つのことを指していて、これらが揃うことでゲームのワクワク感がつくられます。

一方で、古典的な学校の世界観は、達成した際のやりがいが設定されているわけでなく、チャレンジを許されない環境で「失敗は恥」と教えられ、フィードバックの少ない一方向の授業。さらに強制的に参加することが義務づけられているため、結果、ワクワクしない…。困りますよね。

これらの「ゲーム性」を構成する要素を普段の生活にも取り入れてみることで、ワクワクした、ストーリーのある暮らしが得られるのではないでしょうか?

松丸さん:自分は頭から勉強しろ、と強制されると非常に嫌がるタイプでした。テストの順位付けをされるのも好きではなかったので、いわゆる古典的な学習法が苦手なタイプですね。

ただ、お母さんに「間違えたところは悪いところではない、できないところがはっきりしたので、できるようになればよい。むしろチャンスである。」と、間違えた点を攻略していく、という着眼点を教えられたことで、勉強の中にゲーム性を見出して、楽しいものにすることができました。

■大切なのは「家庭でゲーム性を取り入れるシステムづくり」

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ポイントになるのは、子どもが勉強の中にゲーム性を見出すこと。家庭で実践するには、どうすれば良いのでしょうか?

松丸さん:各ご家庭で、ゲーム性を取り入れる「システムづくり」を行えばよいと思います。

「ゲームは1日1時間」などゲームをやる時間に制限をかけるご家庭が多いと思いますが、僕の家の場合はちょっと変わっていて「勉強は1日3時間」と決まっていました。ゲームでなく勉強のほうに制限をかけるルールだったんです。3時間勉強すれば、その後は好きにゲームができます。ただし、必ず3時間勉強しないとゲームをやらせてもらえませんでした。

始めた当初は、教えられたことをこなすだけの繰り返し学習でしたが、やがて自分で問題点を洗い出してやることができるようになり、

「できない⇒たのしくない⇒やりたくない(やらない)」

のサイクルを、

「できる⇒たのしい⇒やろう」

にすることができ、やがて勉強も楽しくできるようになりました。

藤本先生:松丸家は、ルールの組み立て方が非常に上手ですね

ゲームを遠ざけるのではなく、実生活にゲームのワクワクを取り入れることで、子どもも大人もストレスなく楽しく生活できる、というコツは、目からウロコ!

ゲーム好きな我が子がいる家庭では、この夏から取り入れてみてはいかがでしょうか?

【参考】
CANVAS(キャンバス)
http://canvas.ws/

文〇石原 亜香利