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産んで終わらない。赤ちゃんとのドイツへ戻る超長距離フライト&主人不在でのワンオペ育児への不安【初めて尽くしのドイツ生活】

2019.09.06

この連載は、

ひょんなことから、25歳にドイツで駐在妻となったゆとり世代の筆者が初めての結婚生活・妊娠・出産・子育てを、初めての海外生活で、泥臭く奮闘した「初めて尽くしのドイツ生活」を記した体験談。

リアルなドイツ生活や子育てについてはもちろんのこと、「優雅」と言われがちな駐在という立場にいる苦悩や、外から見た日本の「本当にこれでいいの?」と感じる疑問や違和感を綴ります!

子どもだけじゃない、自分のキャリアやライフスタイルを見る視野が1度でも広がり、1mmでも深まるきっかけになれば幸いです。


里帰り出産を経験された方は、いつごろ実家を離れて自宅での子育てをスタートさせましたか?
または近い将来、子育てを検討されている方で、もしご家族のサポートが得られない距離に住んでいる場合、どんな生活がスタートするとイメージしますか?

…そう、特に日本から離れるとわかっていたら。

【迫る赤ちゃん連れの超長距離フライト】

ドイツ駐在_里帰り

産んで終わらない。むしろスタート。そんなことはわかってはいたけれど、初めて抱く頼りなくて、か弱い赤ちゃんを目の前に、授乳・おむつ替え・ねかしつけ・ぐずり対応・お風呂・複数回の着替えに追われていると、ホッとする場面は、トイレに行く時くらい。
産後1か月は、お母さんが赤ちゃんのいる生活に慣れ期間。と同時に、赤ちゃんにとっても外界とお母さんとの時間に慣れる「慣らし期間」。ソフトランディングできれば尚良し。
しかし、私の場合、悠長なことを言っていられる状況ではありませんでした。

家族に甘えられるところは甘えてきましたが、「ビザ」の関係で日本に長期滞在はできません。ドイツでの外国人登録を消されないためにも、ドイツ国外に6か月以上滞在は厳禁。
日本に滞在できる期間ギリギリまでいることはできましたが、ドイツで帰りを待つ主人と子どもの時間を、早くスタートさせたい気持ちもあり、私は産後1か月半でドイツへ戻ることを決意。

…と決めたは良いけれど、迫るXデー(渡独へのフライト)に、始まるドイツでの子育て。
不安がない人間などいるのだろうか。いや、ない。

当時のわたしは、こんな風に考えていました。
『約12時間の超長距離フライト…。赤ちゃんを連れての飛行機。十何枚におよぶオムツや、うんち漏れを考えた着替え数枚と、念のための哺乳瓶に粉ミルク、気を紛らわすおもちゃに、使い慣れたブランケットを持っていこう。もちろん自分の手荷物もある。抱っこひもに赤ちゃんを連れ、リュックを背負って、搭乗口に向かって、そのあとは?
誰が隣になるかわからないけれど、赤ちゃんの泣き声で迷惑をかけるかもしれないし、先に周囲のお客さんへの挨拶も必要だろう。…ああ、授乳をするとき気を遣うな。見えないように配慮しないとまずいよね。それに、ぐずったらどうしよう。消灯時間の長い機内で、抱っこをして、数時間うろうろしなければならないのかな。…仕方ないよね、そうしないと帰れないし。』

…人というのは、不安をあげるときりがないんだな。と振り返ると笑い話になりましたが、フライト後も安心できませんでした。
主人の仕事の関係で、渡独二日後には1週間の国外出張があり、主人は不在。久々のドイツで、頼れる主人もおらず、24時間1週間のワンオペ育児になることが判明。

日本にいる間に、赤ちゃんとの生活にわたし自身は馴染んでいましたし、お世話の仕方も、ぐずったときのあやし方など具体的な行動は把握していました。
ドイツに行った後に、どの小児科を頼ったら良いかも知っている。育児サークルを調べて、「孤育て」にならないように申し込みも済ませてある。
ドイツ語の先生に何かあればご相談させてほしいと伝えてある。しんどくなったら日本に電話をかければよい。

…ただ。
「国外でひとりで、すべてをこなす」ことへの恐怖。
赤ちゃんへの責任感。
何か起こったときを想定した不安感が、
同時に押し寄せてきました。

「本当に、わたし大丈夫なのかな」

【ある家族からの声掛け】

主人

本音は、「誰かはじめの2週間だけでいいから来てほしい」。

「あんたは、夜寝ないとだめだから、仕事に行くまでの夜の面倒は私が見る。」と毎夜、赤ちゃんのお世話を買って出てくれた実母。
その母に頼りたい気持ちがありましたが、バリバリと管理職という立場で働く彼女に仕事を、2週間も空けさせることはできませんでした。ドイツに行ったあとに何もしてあげられないという親心で、1カ月間サポートしてくれた母に、これ以上わがままは言えません。
さて、どうしよう。

そんなとき、主人からある提案が。
「君は気を遣うかもしれないけど、母に頼ろう」

【ひとりでドイツに行くか、義母に頼るか】

義母

渡独に向けて、主人はこっそり義母に話をしていたようです。フライトのこと、渡独後に出張で不在であること。すべての事情を説明し、義母は言いました。
「わたしで力になれるのなら」と。

主人抜きで、義母と赤ちゃんと三人でフライトと1週間の生活。

「気を遣ってしまうんじゃないか。」と頭をよぎります。
実母にお願いする時より、ノドの途中で止まってしまったり、顔色を見てしまったり、いらぬ気をまわしてしまう。結婚する前から義母は、わたしに優しく、とてもおおらかな人だけれど、心の距離を作ってしまう自分がいした。

そんなわたしの思考をすべてお見通しだったのか、義母は言いました。

「わたしも、あなたと一緒。たぶん気を遣っちゃうと思うのよ。それでも、何をしてほしいか、言ってほしいし、甘えてほしい」と。

息子のお嫁さんなんて、気を遣う相手ナンバーワンでしょう。きっとわたしは義母にとって気を遣う対象だったと思うのです。
さらに、見知らぬドイツで2週間滞在し、遊び目的でもなく、赤ちゃんの世話と嫁の面倒でくるのです。
簡単な気持ちではできないでしょう。

それでも、わたしや赤ちゃんの為だと、手間なことをしてくれる人が目の前にいたのです。

手を差し伸べてくれる人がいるのに、なにを「国外でひとりで、すべてをこなす」なんて悲観しているのか。
自分で「不安な現実」を手繰り寄せようとしているだけなのではないか。

そうか。子育ては、ひとりでするもではない。

わかっていたけれど、
ひとりでこなそうとする気持ちが先行していました。

そうして、話し合いを重ね、
義母に改めて、飛行機への同乗と2週間のドイツ滞在をお願いし、わたしたちはドイツへ向かいました。

河井あやね

Hanako 新米ライター。国際色豊かな大学を卒業するも、在学中は留学せず、そのあと広告代理店に勤務。
25歳でドイツ駐在生活をスタートし、20代後半を国外で過ごす。本帰国後、ドイツと日本のギャップを感じつつ、それさえも楽しもう。をモットーに天真爛漫系2歳児(娘)を育児中。



第1回 25歳、新米駐在妻。陸の孤島で感じた孤独感
第2回 「主人からきたLINE」が決め手だった。ドイツ駐在についていくか、日本でキャリアを積むべきか。
第3回 はじめての苦難。まさかつわりで手の甲に点滴を打つことになるとは…
第4回 「無理だ、外に行けない」薬すらもらいに行けない私。そこで夫の上司が言った言葉とは…?
第5回 「あなたの権利を尊重するから私の権利も尊重してね!」ドイツで学んだマインド
第6回 「ドイツで産むか、日本で産むか」家族会議で決まった結果は…!?
第7回 出産までどう過ごそう?苦戦したドイツ語勉強&南欧旅行
第8回 里帰り出産のため日本へ一時帰国。初産を経験して、一番よかったと思えたこととは…!?

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