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受験で塾は本当に行かせた方が良いの?確認しておきたい3つのコト【わが家のドタバタ小学校受験体験記】

2019.09.20

この連載では、息子の小学校受験(2018年)を通して学んだことを振り返りつつ、「小学校受験に興味はあるけど、まだよく分からない」という読者のママ向けに【小学校受験のイロハ】をお伝えしていきます。


第8回 お受験塾って、行かせるべき? 迷ったら確認したい3つのコト

小学校受験_8回目

読者ママさんの中には、塾に通わせようかどうか迷っている方もいらっしゃると思います。わが家は年少の12月から2年間、いわゆる受験塾にお世話になりました。結果的には通って良かったと思っていますが、事前にもっと検討しておけば良かったな…という点もあります。

1. 塾で得られるもの、手放すもの。

もっとよく検討しておけば良かったなと感じるのは、塾通いで得られること、手放すこと。特に後者についてです。「なんとかなるだろう!」と勢いでスタートしてしまうと、わが家のように途中で息切れしてしまいます。受験塾=時間とお金の投資ですから、「手放すもの」についてはシビアにイメージしておいたほうが良いでしょう。

振り返りになってしまいますが、わが家のケースはこんな感じです。

<塾に通ったからこそ得られたもの>

・受験情報(出題傾向、試験の詳細な流れ、服装など)
・志望校情報(入学後の実際。合格した塾の卒業生から話を聞く機会など)
・子育て&ライフスタイルの根本的な見つめ直し
・毎日の学習習慣
・園以外の友だち
・子どもの得意、不得意の把握
・模擬面接やエントリーシートチェック

<塾に通う代わりに手放したと思うもの>

・家族でくつろぐ時間
・多様な体験をさせる時間
・まとまった資金

「志望校情報」は、わが子にぴったりな小学校を見極める上では、塾に通うメリットの一つと言えると思います(塾の卒業生親子からの口コミが蓄積されているので)。

ただし、目指す小学校が限定されている塾を選んでしまうと、それ以外の小学校の情報はほとんど入ってきませんので、志望校が完全に固まっていない、あるいは受験しようと考えている志望校が複数で、出題傾向にバラつきがある場合は、多様な分野をバランスよく学べる塾を選んでおいたほうが、柔軟に対策を進めていけるでしょう。

また、試験の雰囲気に慣れるという意味では、定期的に、また大人数で模試を実施している大手塾が望ましいかも知れません。(外部生でも模試を受けられる塾はあります)

一方、受験塾に通うとなると相当な時間を費やすことになります。投じるお金は安くて月2〜3万円、8〜10万円以上かけている家庭も珍しくはありません(2年分を合計すると海外旅行に何回も行けそうです)。ここで大切なのは、それだけの時間とお金を「受験塾」にかけた上で、「自分たちらしい休日の過ごし方」「多様な体験の機会」も大切にできるかどうかです。

いま、多摩エリアの豊かな自然の中で、受験塾に通っていた期間にはなかなか実現できなかった休日を過ごしています。動物や昆虫と触れ合ったり、広大な公園で身体をたくさん動かしたり、ドライブやサイクリングを楽しんだり。そんな時ふと「あの2年間、こういう休日をもっとたくさん過ごしてきたら……?」と思うことがあるのです。

ハードな通塾を経験したからこそ、こうした休日を過ごせるありがたさを実感できるのかもしれません。しかし、幼少期の家族時間は、記憶はかすかであっても、子どもにとっては大切な心の土台となるもの。合否をいったん横に置いて、家族の価値観とよくよく照らし合わせてみることをオススメします。

2. 同じくらい時間とコストを投資して、合格に近づく道はないか。

これまでお伝えしてきたように、ペーパーテストで出題されるものの多くは「体験」を通して、あるいは「人」「自然」「本」などとの出会いを通して身につく問題が数多く出題されます。
集団観察や面接で学校側に伝わるのも、こうした体験や出会いによって育まれる「人間性」と言ってよいのではないでしょうか。

受験=塾という先入観はものすごく強いですが、豊かな体験・出会いのチャンスは、「受験塾」に限らずたくさんあります。例えば……

・国内旅行、海外旅行
・語学留学、ホームステイ
・キャンプ、登山、マリンスポーツなどの自然体験
・農業体験、漁業体験
・ボランティア
・地域行事      など

一芸に秀でること、個性を際立たせていくことがグローバル時代を生き抜く条件とさえ語られる時代です。「他の親子には決して語れない個性」を磨いていくために、大切な時間とお金をどう使うのがベストなのか。そのような視点で、じっくり考えたいところです。

3. 合否結果を抜きにしても、塾の理念・教育実践に共感できるか

さて、ここまで書くと、「じゃあ、結局、受験塾には行かないほうがいいの?」と言われてしまいそうですが、少なくとも、わが家の場合は、「その時期に手放したものもたくさんあったけど、通ってよかった」という結論です。

なぜなら、今のぴーすけを見ていて「輝いているなぁ!」と思うところ(毎日の生活習慣が自律している、図鑑を見て熱心に絵を描く、自然の生物や理科的な実験が大好き、苦手でも粘り強く挑戦するなど)は、その塾で身につけたことが多いからです。塾に行かせてみて初めて気づけた価値観というものもあります。

最終的には、その塾の先生に「人として」魅力を感じるかどうか。実はここが一番大事なチェックポイントなのかも知れません。塾を選ぶ場合には、知名度や実績だけではなく、志望校選びと同じように、理念や教育実践に「共感」できるかどうかを、ぜひ検討してみて下さい。

安藤陽子さん

ライター 安藤陽子

ライター・コーディネーター。ボケもツッコミも苦手な大阪出身の夫と、ドタバタ子育て真っ最中。鉄オタから妖怪マニアに転身した小1の息子と、乙女な笑顔で家族を意のままに操る2歳の娘の母。2019年春、長男の小学校入学を機に、都心から多摩エリアの文教地区に移住。特技は声を七変化させて絵本を読み聞かせること。


第1回 迷える夫婦が小学校受験を決めるまで
第2回 志望校の選びかた
第3回 小学校で必ず聞かれる「教育方針」で迷宮入りしないために
第4回 筆記の10倍は努力が必要!? 子どもの生活習慣
第5回 入学後に真価が分かる!小学校受験のペーパー学習
第6回 勉強と気づかせないペーパー試験対策のススメ
第7回 一石五鳥!? 受験に役立つ親子クッキング

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