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自分の親も?自分も?認知症になると起きる預金凍結問題知ってる?

2019.11.21
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認知症高齢者の増加に伴い、社会問題の一つとなっている「預金の凍結」を知っていますか? 認知症なんて我が家は無縁、と思って何も準備していないと将来後悔することにもなりかねません。

万が一、自分の家族が認知症になり、施設に入居するための費用を認知症本人の預金口座から引き出そうとしても、銀行は「本人の意思確認ができない」として支払いに応じないのです。

「そんな!」と思ったら、その対策としてどのようなものがあるのかチェックしておきましょう。

■認知症は他人ごとではない!?

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「認知症ってそんなにリスクがあるの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。

厚生労働省の推計によれば、認知症患者数は次のようになっています。

●認知症患者数将来推計(65歳以上)

2012年 約462万人(約7人に1人)
   ↓
2025年 約730万人(約5人に1人)
   ↓
2060年 約1,154万人(約3人に1人)

※厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の概要~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~」(平成27年1月策定・平成29年7月改定)より三井住友信託銀行が作成(各年齢の認知症有病率が上昇する場合の将来推計)

約5年後には65歳以上の高齢者の約5人に1人が、そして自分が70~80代になる40年後にはなんと65歳以上の高齢者の約3人に1人が認知症患者になる推計がされているのです。

自分の親も含めて、自分自身も認知症になるリスクは十分あるということです。

■今からやっておくべき「預金の凍結」対策

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そして今、認知症高齢者の増加に伴い、社会問題の一つになっているのが、「預金の凍結」。認知症になった高齢者名義の銀行預金口座から、家族がお金を引き出そうとしても、銀行は「本人の意思確認ができない」として支払いに応じません。

認知症になった家族が施設に入居するための費用を、認知症本人の預金口座から引き出したいというケースも出てきます。しかし、そんなときでも、引き出すことができないのです。

三井住友信託銀行が2019年9月12日に行った財産管理セミナーに登壇していた担当者は、ママ向けに次のようなアドバイスをくれました。

「子どもがまだ小さいママの親御さんは60代くらいだと思います。遠くで暮らしている親御さんの様子がわかりにくい人は、事前にさまざまな対策があることを理解して、いざというときに困らないようにしておいたほうがいいでしょう。
認知症などで暗証番号がわからなくなった親御さんのお金は、親御さんのために使うのでも使えない、自分の子どもが小さくてお金がかかるのに親御さんの分まで自分たちにのしかかってくるかもしれません」

預金凍結を回避する財産管理の方法には主に次の2種類があります。

1.成年後見制度

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認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な人を保護し支援する国の制度。

・法定後見制度
家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援する。

・任意後見制度
本人が十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に自分の生活、療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというもの。

●Point
・成年後見人などは、家庭裁判所が選任。本人の親族だけでなく、法律・福祉の専門家をはじめその他の第三者、福祉関係の公益法人、その他の法人が選ばれる場合がある。

・認知症になる前に、成年後見制度を活用すると、本人が亡くなるか、判断機能が回復するまで利用し続けなければならず、途中で利用を止められない。

2.信託

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信託とは、他人や機関に一定の目的で財産の管理や処分をさせること。

・家族信託(民事信託)
民事信託の一つで、自分の老後や介護等に必要な資金の管理・給付を行う際、保有する不動産や預貯金などを信頼できる家族に託し、受託者である家族に管理・処分を任せる財産管理の方法。

・金融機関の信託商品
銀行に財産の管理を信託する方法。


・三井住友信託銀行「人生100年応援信託 100年パスポート」
・三菱UFJ「解約制限付信託「みらいのまもり」」「後見制度支援信託」
・みずほ信託銀行「認知症サポート信託」

●Point
・家族信託の受託者は相続人となる予定の家族が、無報酬で担うケースが多い。

・ランニングコストが、成年後見制度より割安になることが多い。ただし費用はケースバイケースのため、すべての方法をしっかり比較すべき。

それぞれ契約時にかかる費用と定期的にかかる費用には違いがあります。さまざまな方法があることを知っておくこと、比較しておくこと、いざというときのために困らないように今から考えておくことは、人生100年時代を楽しく生きるために、重要といえそうです。

【参考】
法務省「成年後見制度~成年後見登記制度~」

文○石原亜香利