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カリスマ塾講師に聞く!志望校の最終決定は子どもの意見重視で【番外編 今から知っておきたい中学受験のイロハ】

2019.12.01

中学受験に挑む子どもたちにとって、12月は最後の追い込み期間。
この時期の心得について、カリスマ塾講師の小澤珠美さんに聞きました。

番外編 志望校の最終決定は子どもの意見重視で

桜の花 / 爽やかな春のイメージ

12月といえば、たいていのお子さんは、第一志望校が決まっているのではないでしょうか。一般的に、11月末から12月のはじめに大枠を決めますが、お子さんの学力は12月、1月、もっと言えば、受験本番まで伸び続けますので、1月入試の結果をふまえ、調整していくこともあります。

大切なのは、あくまでも子どもの意志を尊重すること。たとえば最後の模試で、第一志望校の合格判定が30%という結果であったとしても、「厳しい結果ね。お母さんは違う選択肢のほうがいいと思うけど」と意見を言うのはありですが、「だからやめなさい」と言うのはナシですよ。

親としての意見を言い、客観的なデータを与えた上で、それでもその学校を受けたいと言うのなら、その意志を尊重しましょう。「どうしても別の学校を受験させたい」という場合でも、最後は子どもが選択するという流れを作ることが親の務めです。

もし残念な結果になったとしても、自分が選んだ上での結果なら受け入れることができますが、親に決められたという思いが残ったままだと、その後、何かうまくいかないことがあるたびに、「だって自分が決めた学校じゃないし」ということになってしまうからです。

ただし、「友達も行くから」「なんとなく」といったぼんやりした志望理由しかない状態で、子どもに選択を任せるのはもったいないですね。最後の絞り込みまでには、学校見学をするなり、資料を集めるなりして、正しい情報を与えた上で子どもの意志を確認することが大事です。

第3志望以下の併願校については、親がメイン決めてもいいでしょう。本番まで残り少ない12月、そこに時間をかけるよりは受験勉強に時間をあてたいところです。

学力はいつまで伸びるのか?

どこの塾でも、冬休みから年末年始にかけての勉強量は相当なものになります。

この段階では、新しいことを学ぶよりは、これまでできなかったことを徹底的に見直し、取りこぼしをつぶしていくことがメインになります。これによって得点力はぐっと上がります。12月から1月の間に学力が伸びるとはこういうわけです。

受験期間中にも学力は伸び続けます。併願校の受験経験から学ぶことは少なくないからです(これについては後述します)。志望校に合格したお子さんからよく聞くのは、「2月1日(本命入試の日)が一番頭がよかった」という言葉。最後まであきらめず、学力のピークを本番に持っていける子が合格できるとも言えます。

プレ入試を本番にどう生かすか

受験勉強と達磨とはちまき

年が明けるとすぐに埼玉、千葉などの学校から入試がスタート。この時期の入試は、場慣れをし、確実に合格を取って安心して第一志望校に望むためのプレ入試(お試し受験)というお子さんが多いでしょう。

お試しとはいえ、学ぶことはたくさんあります。本番の緊張感、実際に合格を取ったときの喜び、不合格の場合の気持ちの切り替え方。これらの経験は子どものメンタル面を大きく成長させます。また、本番に向けての時間配分や問題を解く順番など戦略の確認にもなります。

プレ入試を最大限活かすためには、塾の先生をぜひうまく利用してください。
結果がよくなかった場合に多いのですが、塾に合否結果を報告しない親御さんがいます。これはもったいない。お子さんがうまくいかなかったときこそ、塾の先生の出番です。メンタル面のサポートはもちろん、本番に向けて何をするべきか、遠慮しないでアドバイスをもらいましょう。

1月は学校に行く? 行かない?

白梅が咲く受験シーズンの湯島天神 Yushima Tenjin Shrine (Yushima Tenmangu Shrine)

冬休みが明けてから、入試が終わるまで小学校に行かせるべきか、どうか。

個人的には、学校に行かせるほうがいいと思いますが(それが小学生の仕事ですから)、直前にインフルエンザにかかりたくないから休ませる、というご家庭もあるでしょう。最終的にはご家庭の判断です。

ただし、学校に行かない間、どう過ごすかはよく考える必要があります。

午前中は家で勉強し、午後からは塾の自習室で先生に見てもらいながら勉強をする

など、規則正しい生活ができるならいいですが、もし、親が働いていてお子さんを放ったらかしという状態なら、よほど自己管理がしっかりしているというお子さんでなければ、日中は学校に行かせて放課後だけ塾に行かせるほうがいいかもしれません。

1月の間、何をすべきか、学習計画を親子できちんと立てていきましょう。塾の先生にも相談してもいいでしょう。

相談する場合は、漠然と「何をさせればいいでしょう」ではなく、
「図形が苦手のようですが、どんな勉強をさせればいいでしょうか」
「本番までの学習計画を作りましたが、これでいいでしょうか」
「家で過去問をさせていますが、できていないところを見てもらっていいでしょうか」
など、具体的に質問やお願いをしたほうが先生も適切に答えてくれるでしょう。

あとは、健康管理をしっかりして、早寝早起きをしながら十分な睡眠をとらせること。

最後まであきらめずベストを尽くして。幸運を祈ります。

小澤珠美さん

小澤珠美さん

学生時代に元文部科学大臣・下村博文氏が主宰する学習塾で、アルバイトで塾講師を始める。大学卒後、15年大手進学塾、株式会社早稲田アカデミーで高校受験・中学受験の指導に従事。特に中学受験において、女子の算数指導、受験指導、保護者の方のサポートに尽力し、合格実績に貢献。2010年に独立し、2013年に市ヶ谷に移転。2018年春より、働くパパ・ママを応援するため民間学童保育・放課後スクールMOCOPLA(モコプラ)を四谷に開設。2019年春、自立を育む学びの場(学習塾、プログラミング教室、アルゴクラブ、英会話)Credo久が原オープン。また一般社団法人 日本青少年育成協会認定 準上級教育コーチ・PM級トレーナーとして、パパ・ママの笑顔、その先にある子どもたちの笑顔を支援するため、教育コーチングをベースにした「子育てセミナー」「ワークショップ」などを開催。また公立・私立中学校PTA、地方教育委員会、新宿区男女共同参画課等から保護者向けコーチングセミナーを受託。

著書:中学受験超成功法『ママは楽しく息を抜く』(ギャラクシーブックス)

共著:『輝く女性起業家16人:未来を創る~私たちが選んだ道』(カナリアコミュニケーションズ)

取材・構成 石井栄子

第1回 中学受験の現状
第2回 中学校受験をする親の心構え
第3回 私立中高一貫校ってどんな学校?
第4回 公立の中高一貫校と大学附属校
第5回 学校選びのポイント
第6回 失敗しない塾の選び方
第7回 塾にもあるの!?ダブルスクールが必要なわけ
第8回 中学受験にかかるお金の話
第9回 幼児期に身につけておいてほしい力

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