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中国の幼稚園では食べ残しが当たり前!【駐在員の妻は見た!中国の教育事情】

2020.01.14

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。その一部を皆さまにお伝えします。


第3回 中国の幼稚園では食べ残しが当たり前

「食べ残しOK、自分で捨ててね」

「給食の食べ残しを自分で捨てるなんて!」

娘の通う幼稚園で初日に目にした衝撃的な光景です。途中転入のため、昼食まで私が付き添いました。楽しみにしていた昼食は、「各自ばらばらに食べ始め、食べ終わる」「好きなものだけ食べる」「食べ残しがあっても、好きなものだけお替りできる」「いくら残してもよい、食べ残しは自分でゴミ箱に捨てる」というもの。

ローカルインターに区分されるこの幼稚園は、英語での授業、教師の半分は外国人、主な生徒は中国人、外国人生徒は2-3割という環境です。「並ぶ」「片づける」「押さない」というルールやマナーは徹底しているのですが、食事の作法に関しては中国的です。給食内容については、多国籍の子ども達を受け入れているため、洋食、中華、和食の3種類が必ず含まれています。

私が付き添った日は、かっぱ巻きとデザートのメロンや西瓜が人気でした。一方、スープや中華風の野菜料理は残す子どもが多かったです。ひそかに味見してみると、結構濃い味付けで、私にはおいしく感じ、ご飯が進むおかずでした。園側の説明では、安全な外資系スーパーで購入した食材を、園内でシェフが調理するという力の入れようです。

3-1食堂と赤いバケツ
中国の一般的な食堂。右下に赤いバケツが見え、そこに店員が食べ残しを捨てる。

「いただきます」拒否事件

日本の幼稚園で、一斉に「いただきます」、完食して「ごちそうさま」という習慣に慣れていた私の目には、各自が好きなように食べ始め、残して捨てに行くという光景は異様に映りました。教師やサポートスタッフが、食べない子には野菜を細かくしてあげたり、食べさせようとする気配は感じるのですが、それほど熱心ではありません。本人が満足すればそれでいいでしょう、という雰囲気です。

数日後、家での食事中に娘が一人で勝手に食べ始めました。「いただきます、は?」と指摘すると、「中国の幼稚園では、いただきますは言わないから言いたくない。みんな好きな時に自分だけで食べ始めるんだから」との答え。 夫と二人で、農家や調理してくれた人への感謝だの、命をいただくだのと、懸命に伝えた結果、娘はようやく納得してくれました。

後日、また「好きなものだけ食べればいいんだよ、捨てればいいんだから」と言い出す娘に、またお説教。中国と日本のどちらが正しいという話ではなく、日本人の考え方を説きました。偏見や差別につながらないよう、慎重に、粘り強く。幸い、娘はもともと好き嫌いなくよく食べるほうで、気持ちの切り替えが早い子なので、そんなに揉めずにすみました。

この時ばかりは、日本人幼稚園に入れればよかったかも、と悩みました。最初の半年は、飲んではいけない水道水を自分で水筒に入れてみたりと、娘も試行錯誤していたのだと思います。「いただきます」拒否もその一つだったのかもしれません。異国で暮らしているのだから、いちいち気にしてはいけないとわかってはいても、「日本人だから」「日本に帰ったら、恥ずかしい思いをする」と親も肩に力が入っていました。

今では、日本の幼稚園の完食へのこだわりは、食が細い子にはストレスかもしれませんし、うまく間をとれるといいな、と思える余裕が出てきました。食育は食文化と密接に結びついています。次回はそんなお話も。

3-2 food party at schol
幼稚園でたまに行われるお菓子パーティ 。ヘルシースナックを持ち寄り、バイキング。何がヘルシーなのかは謎。
profile

岡本聡子

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を株式会社アルクより出版。2018年より、広州へ駐在帯同中。4歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。

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