働くママのウェブマガジン

Education教育

SNSの中で知らない人と出会う子どもたち(後編)【子どもとSNSの上手な付き合い方】

2020.02.06

子どもたちの間に急速に広がるスマートフォン。SNSを通じて、簡単に知らない人ともつながることができてしまう世の中です。子どもを危険から守るためにどうすればいいのでしょうか。子どもとネットの関係に詳しい大笹いづみさんに聞きました。


第2回 SNSの中で知らない人と出会う子どもたち(後編)

Beautiful little girl with smartphone. Leisure, children, technology and people concept

家にいるから安心? 知らない人と出会う危険は家の中でも

子どもたちは、ネットでどのように知らない人とつながってしまうのでしょうか。その結果、どのようなことが起こりうるのでしょうか。

ある学校から相談がありました。小学5年生の女の子が、ネットで知り合った社会人の男性とビデオチャットで話しているうちにお互い好意をもち「結婚したい」と言い出したそうです。

今の子は成長が早く、小学5年生といえばもう思春期。女の子が相手に本気になってしまったようです。幸いなことに、実際に会いに行くまでには発展しませんでした。親が早く気づいたことがよかったのでしょう。

別の学校からはこんな相談がありました。
「私ね、ネットの彼氏がいるんだ」
小学校6年生の女の子たちの何気ない会話を耳にして仰天した先生から、「子どもたちにネットとの付き合い方の授業をしてほしい」と当社に依頼がありました。
先生が子どもの普段の会話に気づいて早く対応できたから、大事に至らなかったケースです。

どのように知り合っているのか?

子どもたちはネットを通じて、どのように知らない人とつながるのでしょうか?
外部に簡単に発信できるSNSサービスはいくつもあります。
小学生が多く使っている動画投稿サイトでも、コメントをもらった人と簡単につながることができます。
ネットゲームでもつながることができます。
最近のゲームは、ネットで知り合った人と一緒に戦うことができるものがあります。文字でチャットしたり、会話したりしながらゲームを進めることもあります。ある保護者からは、部屋で話声がすると思ったら実はゲームで会話をしていて驚いたと聞きました。中には言葉が乱暴で心配になったという声もあります。

もうひとつの例は、イラストなどを投稿するSNSサービスです。自分の描いた絵を投稿して「いいね」とほめてもらえると嬉しいものです。嬉しいからどんどん投稿し、コメントをくれる人には心を開きます。

相手は絵をほめるだけでなく、「実際に会いたい」と言ってくるかもしれません。そして、その人は、子どもになりすましてコメントを書く、悪意のある大人かもしれません。怖いのは、すぐに「会おう」とは言わずに、数カ月とか1年とかの長い期間やりとりをして子どもと信頼関係をつくる人もいるということ。

子どもは純粋です。ネットでしか知らなくても、その相手はもう「知らない人」ではなく、「自分を一番よく理解してくれる人」なのです。だから、「会いたい」と言われれば、疑うことなく会いに行ってしまうのです。

ネットで知り合った人がいるという子どもはどのくらい?

ネットで知り合った人がいるという子どもはどのくらいいるのでしょう。私たちが毎年度、小学校と中学校で調査している結果から実態をみてみましょう。

スクリーンショット 2020-02-04 9.31.33

上記のグラフは2019年度の小学校1年生から中学校3年生までの20,483人の子どもたち(2019年度の途中経過)のネットで知り合った人に関する調査データです。
「インターネットで知らない人からメッセージが送られてきたことがある」と回答した子どもは、学年があがるにつれて増えており、小学校6年生で10.9%、中学校3年生で39.8%になります。また、「インターネットで知り合った人がいる」と回答した子どもも、学年があがるにつれて増えており、小学校6年生で16.6%、中学校3年生で33.2%になります。
「知らない人からのメッセージ」については、相手からの一方的なメールやメッセージが多いと想定できますが、「インターネットで知り合った人」となると、ネットゲームやSNSで知り合い、双方向のコミュニケーションをとっていることが多いと想定できます。

また、「インターネットで知り合った人に実際に会いにいったことがある」と回答している子どももいます。詳しくは下記の記事を参照してください。「うちの子どもにはありえない・・・」と感じると思いますが、どの子どもにも起きる可能性があることです。
日本教育新聞 「ネット上の知人と「会った」小・中学生 40人に1人」

このような状況に子どもたちが置かれている今、親として、大人として、どうやって子どもやインターネットというテクノロジーに向き合っていけばいいのでしょうか?

次回は、私たちが子どもとどう関わっていけばいいのかについてお話します。

kanshu_osasa

大笹いづみ

株式会社教育ネット代表取締役。未来を生きる子どもたちの情報活用能力を育むことを目的とし、教材づくりや出前授業などを行っている。2児の母。

【子どもとSNSの上手な付き合い方】こちらもチェック!
第1回 SNSの中で知らない人と出会う子どもたち(前編)