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地震、台風、洪水…ママたちの三大不安にどう備える?

2020.02.13
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地震、台風、洪水……。もはや災害大国とも呼ばれる日本。
30年以内に70%の確率で起こると予測されている首都直下型地震も心配です。子どもや家族の命を守るためにどうすれば? 子どものいるご家庭の防災に詳しい冨川万美さんに、聞いてみました。

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[教えてくれた人] 冨川万美さん

積極的に防災に取り組む「アクティブ防災」や、被災母子支援などを行うNPO法人ママプラグ 代表。東京都「東京くらし防災」委員。著書:『子連れ防災BOOK』など。

備えは、ハード・ソフト両面から

ハナコママ読者アンケートによると、 ほとんどの人が、飲料や食料など災害に備えていましたが、「これで十分なのか 不安」とも答えていました。災害時の不安については、「子どもが保育園にいる ときに被災したらと思うと心配」「帰宅 難民になるかも」「避難所に子連れで行けるのか」など多くの記述が。不安だけれど何をどう備えたらいいのかわからないママたちの本音が垣間見えます。中でもママたちの不安が大きいのは、「親子離れ離れになること」「避難所に子連れで行けるのか」「備蓄に何を用意すればいいのか」の3つ。

冨川さんによると、「災害時の備えで重要なのは、ハード・ソフトの両面で考えること」。ハードとは備蓄などモノの備えのこと。ソフトとは心構えや行動方針のこと。いくらハードの備えが十分でも、ソフトの備えができていないと、適切な行動ができません。起こってからではなく、事前に家族や保育園、ママ友、パパ友とも、「もしものときにはこのように行動する」と話し合い、行動方針を決めておくことがとても大事です。

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【不安1】 子供と離れ離れで被災したら?

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大雨や台風は早くから予測ができるので準備しやすく、会社が休みになるなど家族で一緒にいられることも考えられるため、ハードの備えさえできていれば乗り越えられる可能性が高いです。しかし、地震はいつ起こるかわかりません。平日の日中に被災したら、パパ、ママ、子どもが離れ離れの可能性は極めて高いので、この場合、ソフト(心構え・行動方針)の備えがとても重要です。

POINT1 家族のスケジュールを共有しておく

習い事、出張、残業など、いつ、どこにいるということを互いに把握しておきましょう。被災後、パパが帰宅したら家に誰もいなくてパニック! 実はママと子どもは習い事に行っていて無事だった、というのは実際にあった話。スケジュール管理アプリなどで家族の予定を共有しておくと便利です。いざというとき、パパとママのどちらが子どもを迎えに行くかなどの役割分担も事前に話し合っておきましょう。

POINT2 無理に迎えに行こうとしない

保育園に預けた子どもが心配、という気持ちはわかりますが、すぐに行動すると危険な場合も。72時間はその場を動かないことを推奨している自治体もあります。安全を確認するまで2 、3 日は動けないかもと覚悟して、災害時の家族の行動計画 を立てておきましょう。

POINT3 あらかじめ保育園と話し合っておく

保育園では、備蓄、子どもの引き取りなど、災害時の対応を どう考えているかあらかじめ園に確認しましょう。対応に不 安があれば、保護者会などで話題にし、改善を求めるなどの 行動も必要です。また、保育園から災害時の引取先リストの 提出を求められた場合は、遠方の親戚などではなく、実際に 引き取れる人の名前をなるべく多く書くこと。「都心で働い ていて災害時には 2 、3 日お迎えに来られない可能性がある」 などの事情は、前もって園に知らせておくことも大事です。

POINT4 ママ友&パパ友と協力体制を作る

同じマンションに住んでいる、お迎え時間が早い、保育園が近い、在宅勤務をしているなど、ママ友同士で互いの状況を共有し、「早く帰ったほうが子どもを引き取る」など、事前に決めておくと安心です。ママ友やパパ友に緊急時の引き取りを頼む場合は、保育園にも伝えておくこと。

【不安2】 子連れで避難所生活できるの?

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子連れの避難所生活は想像以上に大変。周りに迷惑をかけないよう子どもを静かにさせるのは至難のわざですし、とてもストレスになります。赤ちゃんを抱えている場合は、授乳やおむつ替えなど不便も多く、避難所で長期間過ごすのは現実的に厳しいものです。避難所に行く、行かないの決断、行くなら何を持っていくか。ハードとソフトの備えが大事です。

POINT1 住宅避難を選択する

避難所での集団生活は、親はもちろんですが、子どもにとっても大きなストレスになります。家屋が無事な場合に限りますが、避難所に行って滞在するのは難しそうだと判断したら、自宅で在宅避難をするという選択肢もあります。ただし、そのためのハードの備え(4ページを参照)があることが前提です。

POINT2 被災地外へ移動する

ライフラインが絶たれ、1週間経っても復旧の見込みがないなど、生活が困難な場合は、被災地外への避難を考えましょう。わずか10km離れるだけで普通の生活ができる可能性が高いです。住み慣れた土地を離れるのは勇気がいりますが、小さい子どもがいるなら、短期間でも移住できると心身ともに安心。時間が経てば経つ ほど周囲への気兼ねなどから外に出づらくなります。あらかじめ、実家、親せき、友達の家など身を寄せる場所を家族で決めて相手の了解を得ておくという備えが重要です。

ライフラインとは
ライフラインとは、電気、水道、ガスなどの生活に必要不可欠なインフラ設備のこと。 もし東京に直下型地震がきたら、復旧までに1週間から数カ月はかかると予測されます。昨年の台風15号では千葉県で電気の復旧に2カ月もかかっています。ライフラインだけでなく、交通機関もダメージを受け、物資が途絶え、お店にはモノがなくなります。ATMでお金をおろすこともできません。大きな災害が起きたら、少なくても1週間以上、長くて2カ月以上は普通の生活ができないことを知っておきましょう。

【不安3】 備蓄って何をどれだけ備えればいいの?

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ハードの備えの代表が備蓄。備蓄といえば、缶詰やレトルト食品を買いそろえることと思っていませんか? 何か新しくそろえると思うとおっくうだったり、 何をどこまで買えばいいかわからなかったり。結局、何も備えていないという人もいるのでは? 今あるものを生かして、足りないものを付け足すという発想に切り替えると楽になります。

POINT1 非常食は子どもが食べられるものを

食料は、スナック菓子やパンなど、日ごろから子どもに食べさせているものを多めにストックすればOK。わざわざ非常食を用意しても、子どもが食べなければ意味がありません。たとえば、乾パンは非常食の定番ですが水分が少なく、子どもののどには通りにくいものです。栄養価の高いゼリー状飲料は子どもも飲みやすく風邪をひいたときにも使えておすすめです。

POINT2 日用品も普段づかいのものを多めにストック

ライフラインが止まった場合に備えて、カセットコンロは必需品です。鍋物などで日常的に使うものを少し余分に買っておきましょう。赤ちゃんのおしりふきは、手や顔、体にも使えます。余っても困るものではないので多めにストック。そのほかトイレットペーパー、ビニール袋、ラップなど日ごろ使うものが防災にも役立ちます。わざわざ防災用のものを買わなくても、普段づかいのものを買い置きし循環させましょう。

POINT3 今あるものを多めにストックして切らさない

ファミリー世帯なら冷蔵庫に2、3日分の食材は普通にそろっていることが多いもの。じゃがいもやニンジンなどの根菜類は常備している家庭が多いのでは? 停電の場合でも、冷蔵庫の開け閉めを最小限にすれば数日はもちます。そのほか、飲料水、お米、パスタ、乾物類など日常的に使うものでかつ日持ちするものを少し多めにストックしておけば、缶詰やレトルト食品に頼りきりにならなくても大丈夫です。


防災マメ知識

【マメ知識1】 リュックには何を入れる?

できれば家族に1つあれば安心。わざわざ買わなくても、普段の旅行グッズがそのまま使えます。中身は1泊旅行に必要なものをイメージすればいいでしょう。子どもを抱えて避難することもあるので、入れるものは必要最小限にして軽量化を。

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【マメ知識2】 ママバッグは最強の防災バッグ!

普段のお出かけに使うママバッグには、いざとなれば1泊できるくらいの量の着替え、おむつ、お菓子、ミルクなどが入っているはず。バッグの中身をこまめに 点検し、補充しておくことが防災対策になります。

【マメ知識3】 避難グッズを持ち歩こう

小さな化粧ポーチなどに、緊急時に必要なグッズを入れて、常に携帯すると安心です。ホイッスル、ハンドクリーム(化粧落としにも使える)、ビニール袋、 救急絆創膏、除菌ウエットティッシュ、スマホのバッテリー、防災シート(保温用)、通帳、印鑑などを用意して。

【マメ知識4】 赤ちゃんのミルク

避難所で配られることもありますが、型 避難生活では十分に洗えない可能性がるので使い捨ての哺乳瓶があると便利。ただし、十分な量が必要。難しければ紙コップを活用しましょう。液体ミルクは便利ですが、常温のミルクは赤ちゃんは飲みづらいので、あらかじめ飲ませる練習をしておく必要があります。

【マメ知識5】 おむつは使いなれたものを

避難所で配られることもありますが、型が古くて使い勝手がよくないことも。普段から使いなれたものを多めにストックしたほうがいいでしょう。サイズが合わなくなるかもと心配なら、一つ大きいサイズのものを用意しましょう。

【マメ知識6】 家の中で地震にあったら?

ガラスが割れたり、上からモノが落ちてくる心配のない、安全地帯を家の中に見つけておき、何かあったら子どもが自分でそこに逃げられるように日ごろから話しておきましょう。ガラスが散乱して歩くのが危険な場合もあるので、むやみに「こっちにおいで」などと呼び寄せたりしないこと。

イラスト○熊本奈津子 取材・文○石井栄子