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中国人は日本の状況を心配しています 【駐在員の妻は見た!中国の教育事情】

2020.03.14

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。今回は、新型コロナウィルスに関連する動きをお伝えします。私自身は、偶然1月中旬に日本に帰国しており、渦中の中国にはいませんが、現地と頻繁にやりとりをしています。


臨時特別5号:中国人は日本の状況を心配しています

「日本にマスクを送りましょうか」と中国人に心配されてしまった

2月27日に発表された、日本の全国一斉休校要請は、中国ではどのように受け止められたのでしょうか?「よく決断した」「子どもを守るのは重要」と称賛する一方で、「日本は相当深刻なんだ」という印象を受けた人々も多いようです。そして、「日本は本当に危険、中国からマスクを送りましょうか」「中国で発生した肺炎に日本を巻き込んで申し訳ない」と心配してくれる中国人まで出てきました。いや、まだ中国も終息したとは言えないし、統計自体を信頼していいのかちょっと……ともやもやしつつも、やっぱり日本はそう見られても仕方ないか……とも感じています。マスクを送って支援した側とされる側が入れ替わりつつある、逆転現象が起きています。

コロナウィルスは全くの「未知」ではない

しかし、中国での感染拡大と抑え込み成功(中国政府発表)の経験から、我々は知見・科学的分析結果を得られており、コロナウィルスはまったくの「未知」の敵ではありません。これが、中国での感染拡大期との大きな違いです。今後は「どう対応するか」という政策や個々の対応が一番の問題です。中国が経験した1カ月の闘いからの学びを活かせる場面はたくさんあります。ただ、中国のような「強権」政治体制と、日本の「民意」に基づく政治体制は大きく異なるので、徹底度合いやスピード感は同じようにいかないのが難しいところです。

「もっと早く中国人の渡航制限対象を広げるべきだった」「インバウンド需要や国賓来日により中国に忖度しすぎたのでは」などコロナウィルスの水際対策の是非について様々な意見があります。次に生かすためにも、疫学的分析とあわせて、政策評価はきっちり行われるべきです。しかし、それはまず日本での流行を抑制してからです。しばらく不穏な日々が続きますが、無駄に疲弊して気持ちで負けないようにしたいです。

中国に戻るべきか……悩む家族達

去る2月29日、突然、中国国営通信社の新華社が「広州の人々から日本の友人への手紙」を掲載しました。「肺炎との闘いを支援してくれてありがとう。この貴重な友情を我々は決して忘れない。日本は感染拡大の危機にあるが、協力して乗り越えよう。今まで、自動車関連をはじめとして広州には多くの日本企業や飲食などの文化が根付いている。肺炎に負けずこの友情を守ろう、共に肺炎に打ち勝とう」という内容です。なぜこの時期に、新聞で取り上げるのか……。経済、政治の絡みであることは間違いありませんが、それでも「日本企業に操業再開してほしい」という強いメッセージだと思います。

多くの方々が、中国や日本でウィルス対応政策に振り回されています。駐在員家族もへとへとで、「もう中国には戻らない」「夫には単身赴任してもらう」という家族もいますが、私は落ち着いたら広州に戻ろうと考えています。これから日中両国ともに経済は冷え込みます。そんな中、これまで積み重ねてきた関係やビジネスを継続させるには、中国経験豊富な駐在員を置かなければなりません。健康や子どもを取り巻く環境には、今後も不安が残ります。しかし、この困難を乗り越えるためには、まず家族が夫を支えなければ、と思います。うーん、最初は子連れでの中国赴任をあんなに嫌がっていたわりに、私って案外昭和だったんですね……(苦笑)。日本が平穏になり、一緒にがんばってきたママ達や友人達と、落ち着きを取り戻した広州で再会したいと強く願っています。

新型コロナウイルス 中国人 日本
海外、中国の他の地域から来た宿泊者の扱いを記したお知らせ

(この記事は、2020年3月3日現在の情報を元にしています)

profile

岡本聡子

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を株式会社アルクより出版。2018年より、広州へ駐在帯同中。4歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。

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