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中国はオンライン学習先進国。優秀アプリを紹介!【駐在員の妻は見た!中国の教育事情】

2020.03.23

2018年より中国・広州に滞在中の4歳児ママです。独身時代は上海で暮らしたことがありますが、現地で子育てしてみると驚きと発見の連続。今回は、新型コロナウィルスに関連する動きをお伝えします。私自身は、偶然1月中旬に日本に帰国しており、渦中の中国にはいませんが、現地と頻繁にやりとりをしています。


臨時特別6号:中国はオンライン学習先進国。優秀アプリを紹介。

地域によるが、休みはもうすぐ4カ月目に突入

中国の幼稚園・小中高・大学は、春節明けの2月3日からお休みが続いています。春節休みを含めると1月下旬からずっと在宅です。そして、香港は早くて4月20日登校開始、上海では4月内はオンライン学習への切り替えが決まっています。日本人学校は、ライブでのオンライン学習ではなく、アプリで学習課題配信・提出を行い、自宅学習を進めています。そして日本の暦どおり春休みに入り、4月下旬以降の開始を目指しています。

「第7回:臨時特別3号 新型コロナウィルスの影響ここにも!授業、宿題、習い事に休みなし」で触れましたが、中国の子ども達はオンライン学習で一日中忙しくしています。

このビジネス向けアプリのおかげ

中国人の間でよく使われているオンライン学習アプリは、「釘釘dingding」。本来はビジネス用に使われているもので、出勤管理、会議、資料作成、その他業務に関わることは何でもできます。「アリババ」という中国の楽天のような総合IT企業が開発したアプリで、数多くの大手中国企業が導入しています。無料で、約300人が同時にビデオ会議可能、大人数ストリーミングはもちろん、非接触や顔認証を使った出勤管理などの機能があります。もちろん、教育現場での使用も可能です。

自宅学習だとさぼりがち、と考える方もおられるかもしれませんが、日々、出欠確認や進捗管理をされ、授業中は先生から授業態度をチェックされるという状況では、まじめに参加せざるを得ません。もちろん、宿題のやりとりやフォローもこのアプリ内で行われています。日本語版も存在しますが、一部の機能が開放されているだけです。

他にもこんなお助けアプリが!

中国の教育熱は高まる一方で、一日3時間以上かけて宿題をすることも珍しくありません。小学生も夕方5時または6時まで授業があり、その後に宿題。週末も塾や習い事があり、親が宿題を手伝わないと終わりません。このような理由で、中国の学習アプリは進んでいます。いくつかをご紹介します。

小学生向けオンライン学習支援アプリ「一起小学学生(一緒に小学生)」

英語、国語、数学などに対応。宿題に必要な参考書や資料提供、学習記録はもとより、宿題の答え合わせが一瞬でできる機能がついています。そして、眼の疲れを癒すべく、遠くを見る時間も用意されています。そういえば中国では、ラジオ体操ならぬ、眼球体操が実際の学校でも毎日行われているそうです。猛勉強するわけですから、多くの学生達が、近視に悩まされているのでしょう。

コロナウイルス 中国 教育 ハナコママ
自分の回答を撮影すれば、宿題の答え合わせが一瞬でできる
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宿題支援アプリ「作業幇(宿題お助け)」

提供元によると、70%の小学生が使っており、累計8億アカウント分がダウンロード済。科目は多岐に渡り、小学校から高校までの内容をカバー。年長から使用できる内容です。中国では、幼稚園でも本格的に宿題が出るため重宝されているようです

資料提供、進捗管理に加え、数学の問題を撮影すると、即座に回答が表示されます。日本でいう「Photomath」でしょうか? また、有料ですが、先生を呼び出して解説してもらうこともできます。

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撮影すれば、即座に回答が表示される

もはやスマホやiPad無しでは、勉強できない環境ですね。
猛勉強の結果でしょうか。OECD(経済協力開発機構)が世界79の国と地域の15歳60万人を対象に科学、数学、読解力を測定した「PISA」と呼ばれる国際学力調査で、中国は2018年に1位を獲得しました(ただし、調査対象は北京市、上海市など一部のみ)。一方、日本は科学5位、数学6位、読解力15位と前回より大きく順位を下げてしまいました。

今回のウィルス騒動が落ち着いたら、中国の教育について掘り下げる予定です。どうぞご期待ください。

(この記事は、2020年3月15日現在の情報を元にしています)

profile

岡本聡子

2003~05年上海にMBA(経営学修士)留学。その経験をもとに『上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔』を株式会社アルクより出版。2018年より、広州へ駐在帯同中。4歳女児の母。防災士としてNPO活動も行う。

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第1回 どこでも子連れ優先、子連れ歓迎
第2回 子どもの世話は、母親の義務ではありません
第3回 中国の幼稚園では食べ残しが当たり前
第4回 偏食や栄養バランスの悪さが大きな課題
第5回 臨時特別号 新型コロナウィルスに翻弄される日本人家族
第6回 臨時特別2号:新型コロナウィルスで自宅軟禁
第7回:臨時特別3号 新型コロナウィルスの影響ここにも!授業、宿題、習い事に休みなし
第8回 臨時特別4号:感染抑え込み成功?中国の態度が変わりました
第9回 臨時特別5号:中国人は日本の状況を心配しています