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「エモい」は「ヤバい」!?読解力が未来を拓く【気になる!教育ニュース】

2020.04.21

大学入試改革、プログラミング、英語教育……。教育の世界がなにやら騒がしい。このコーナーでは、最近気になった教育関連のニュースをピックアップして紹介します!


第12回 「エモい」は「ヤバい」!?読解力が未来を拓く

小学生の暴力事件、背景にあるのは……?

「この歌の歌詞、エモくね?」「この景色、エモい!」

さあ、この文章の意味、おわかりですか?

「エモい」は、「心に響く・感動的である様」(大辞林)を意味する若者言葉。要は「どうしようもなく、たまらない気持ち」のこと。実に様々な感情を表す言葉なのです。

ここは小学校、ピカピカの1年生の教室。

あっ、たけし君が、あきら君に殴りかかっています。一体、何が?

実は、特に低学年を中心とした小学生の暴力事件は年々増加。大きな原因とされるのが語彙力・読解力不足です。相手の気持ちを理解できない。自分の感情を伝えることができない。言葉を介さず、一気に暴力として爆発する傾向があるのだそう。どうやら、たけし君はあきら君に何か言われ、いきなり殴ってしまったようです。

実際に授業の中で辞書を活用するなどして語彙力の向上を意識すると、子どもの暴力的な言動が減った、という現場の声も多く聞かれます。語彙力が増えれば、読解力も深まる。相手の言葉から気持ちを理解し、自分の気持ちも細やかに伝えることできる。勘違いも減るでしょう。円滑なコミュニケーションに、語彙力・読解力は必要不可欠なツールなのです。

AI時代の切り札「読解力」

冒頭の「エモい」。感動、喜び、切なさ。「この気持ち、言葉にならない」場面で広く使われます。若者独自の豊かなコミュニケーションには、これらの若者言葉が大きく貢献しているのです。けれど、そんなに何でも一緒にされても、繊細な感情は伝わらないよ、と戸惑いを感じることも事実。その場面、この文脈、に最適な言葉を使うことは、物事に対する感覚、理解力、すなわち読解力をより深くする力があります。この「読解力」は子どもの将来へのキーワード。

今年、小学生になった子どもが大学を卒業する頃には、日本の社会はどのようになっているでしょう? 実は、半数近くの仕事がAIに奪われている、という予測があるのです! そんな中で、人間がAIに勝る数少ない分野の代表格が読解力だといわれます。

AIでロボットが東大に合格できるか、という「東ロボくん」プロジェクトで知られる数学者の新井紀子さん。彼女は「基本の読みや、論理的推論ができないと、いくら知識を入れても、それを整合的に使えるようにならない。読める、ことが職業選択を柔軟にし、夢の実現に役立つ」と言います。AI研究の第一人者が、読解力の重要性を訴えているのです。

こんな時だから本を読もう!

新型コロナの影響でなかなか学校へ通えない大勢の子どもたち。家庭の中で暴力的な言動が増える子どもも少なくない、と聞きます。不安な気持ちを言葉で表現できれば、安心して落ち着くかも。いつもより少し時間をかけて、子どもの気持ちを言葉にする時間を大切にしてみませんか?

幸い日本では、出版不況の中、絵本だけはよく売れるのだそうです。子どもと一緒に絵本を楽しむもよし、名作を短くまとめるシリーズで本の面白さに触れるもよし。こんな時だからこそ、です。多様な言葉に出会い、親しむことが将来の扉へ導いてくれるかもしれません。

中村 亮子

中村 亮子 (なかむら・りょうこ)ライター

1971年東京都出身。中央大学法学部法律学科卒。転勤族と結婚し、全国を転々と旅するような生活を送る中、偶然の出会いに導かれ、フリーライターの道へ。家族は夫と息子が二人。趣味はピアノ

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