子育てママのお悩み解決メディア
二人目不妊のつらさ&不妊対策~先輩ママの経験談vol.3~
2020.05.08 by 内田 朋子 内田 朋子

二人目不妊のつらさ&不妊対策~先輩ママの経験談vol.3~

このシリーズでは、二人目不妊外来を設けるクリニックのレポートや、不妊治療を受ける際のクリニック選び、男性不妊、出生前診断などについて先輩ママライターの目線からお届け。第3回は、「男性側の原因と検査内容」についてお話をします。


第3回「男性側の原因と検査内容」

不妊の原因が男性側にも原因があることは今やよく知られています。もう40年以上も前のデータですが、WHOの調べでは、不妊の原因が男性側に原因がある割合が24%、男女ともに原因がある割合が24%、合わせると48%が男性側に問題があることを報告しています。

当時よりも今は男女ともに生殖年齢が上がっていますし、二人目不妊ともなればさらに男性側も年齢が上がり、精子の状態にも影響が出ますから、この割合はもっと多いかもしれません。

そんなわけで、不妊検査を受ける場合、今では夫婦そろって受診し、並行して検査を受けるのが一般的です。

男性の場合、まず行うのが精液検査です。精子の数や運動率が基準値に満たない場合、人工授精や体外受精が選択肢に上がってきます。ただし、精子の状態は同じ人でも、その日の体調によって精子の数などは大きく違ってきます。ですから、複数回調べたほうが正確に判断しやすくなります。

精子そのものを元気にする治療法は少ないのですが、精巣の周りにできる「精索静脈瘤」が原因で精子の運動率に問題があれば、手術で静脈瘤を治療することで状態が改善される場合もあります。

無精子症の場合でも、精巣内にある精子を回収する「顕微鏡下精巣内精子回収法」でひとつでも精子がみつかれば、受精卵を作れる可能性が出てきます。

ここで大事なのは、夫婦どちらに問題があっても、それによって夫婦間のパワーバランスが変わってはならないということです。たとえば男性側に何らかの原因があると分かった途端、女性が心理的に優位に立ってしまうことはよくある話です。不妊の原因を解明することは大事ですが、不妊治療は長期戦ですから、夫婦がお互いを思いやり、団結して乗り越える気持ちが大切です。

我が家の場合も夫に精子検査を協力してもらいました。今から10年近く前のことです。不妊治療がそこまで一般的ではなく、精子検査には気が引けましたが、夫は特に気にしていない様子(そう見せていた?)だったのには救われました。ですが、当時通っていたクリニックは精子を採取する採精室の出入り口が待合室と同じフロアで、採精室から出る際に待合室の女性と鉢合わせすることがあり、さすがにバツが悪そうでした。

数年後、二人目不妊で同じクリニックを訪れたとき、改装により待合室と採精室が分離されていたので、やっと男性への配慮が行き届いてきたなぁと実感したものです。さらに、夫と同時期に同じクリニックで不妊治療を受けていたことが分かった友人(男性)が、「あそこの採精室のビデオデッキは相当古いよね~」と笑いながら夫と話していたときは、ここまで時代は変わったかと、感慨深くさえありました。

もし、男性側に抵抗があるようなら、一度、付き添って来てもらうだけでもよいでしょう。思っていた以上に男性が待合室にいる様子を見て、ホッと安心し、検査に前向きになってくれるかもしれません。

内田 朋子

内田 朋子医療ライター。

1977年山口県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、医療・介護専門の出版社を経てフリーに。自身の経験を活かし不妊治療、周産期医療、出生前診断、女性医療を中心に取材。『週刊文春woman』や不妊・未妊に向き合うサイト『UMU~不妊、産む、産まないに向き合うすべての女性たちへ~』などで執筆中。日本医学ジャーナリスト協会会員。不妊治療を経て三児の母。umumedia.jp

内田 朋子さんの記事一覧 →